資格図鑑

第12回  【建築・不動産系:国家資格編】  〜 空間を豊かにするプロになろう! 〜

  建築・不動産業界では、資格を保有していないと就けない仕事が多く、規定年数の実務経験を受験資格に定めているものや必置義務のあるものも多くある。つまり、それに該当する建築士、建築設備士といった技術寄りの資格はもちろん、宅地建物取引主任者といった不動産全般に関わる資格を取らなければ始まらないといっても過言ではない。

 

 また、記憶に新しい「耐震強度偽装事件」を発端にして厳しい視線が注がれるようになった業界では、法的遵守の意識が高まり、談合や欠陥住宅の黙認などの問題を未然に防止できる人材を求める風潮が強まっている。今や、資格を保有し独占業務に就くだけでは「プロ」と言えない時代なのだ。

 

 今回はそういった背景をふまえ、よりニーズが高まり、確かな知識・スキルが要求される国家資格に注目した。ぜひ、思いきって飛び込み、新たなる時代の“建築人・不動産人”として、住空間・公共空間を豊かにしていただきたい。

建築・不動産系:国家資格編イメージ
建築士 (国家)
建築士は、建築物の機能性、耐久性ある設計および工事監理等を行う技術者を指し、都市開発や豊かな住環境の創出の第一人者になりえる資格である。住宅・建築関連の企業などで資格手当を受けることもでき、難関ながらも常に人気は高い。
また、当資格は一級建築士、二級建築士、木造建築士に区分され、建築士法の規定に基づいてそれぞれの業務範囲が定められている。一級建築士は、個人住宅から、延べ面積500平方メートルを超える高層ビル、学校・病院などの設計と工事監理、建築確認申請、調査鑑定等の業務を行い、二級建築士は、延べ面積500平方メートル以下の建築物の設計、工事監理等の業務を行う。
活躍の場は、建築事務所、デベロッパー、建設会社が一般的だが、クリエイティブ力・営業力・人間力次第では、事務所を開業し建築家として一本立ちすることも夢ではない。
試験内容
※2級の場合
・学科試験(360分): 1、建築計画 2、建築法規 3、建築構造 4、建築施工
・設計製図試験(270分): 課題は事前に発表される
学科合格者だけが製図に進める。また、製図で不合格の場合でも、翌々年まで学科は免除される
ポイント
試験対策としては、専門的な参考書、過去問題などをやりこむ必要があるが、建築・土木系の大学を出ていない場合は、建築系の専門学校に行くのが一番の近道。2年学べば実務経験なしに2級を受験でき、合格すれば1級の受験資格を得られるのは大きい。
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取得者コメント
10年ほど前に2級を取得して以来日々に忙殺され、まともに勉強の時間を設けられませんでしたが、昨年一念発起して1級に挑み、(ギリギリでしたが…)合格することができました!
(建築事務所・35歳・男性)
私は、某美術大学の建築学科在学中に1級を取得しました。問題を解くための考え方やノウハウを活かす方法を教わることができるので、専門スクールに通うのをオススメします。
(デベロッパー・26歳・女性)
宅地建物取引主任者 (国家)
当資格は、土地の形質や地積、建物の形質や構造および種別、また土地・建物についての法令や価格評定など、宅地建物取引業に関する実用的な知識を有していることを証明する国家資格。事務所に5人に1人の割合で有資格者を置く義務があるため、不動産業界の“必須条件”とも言える。
主な業務としては、土地・建物の売買や賃貸の契約を締結する際の権利関係や法的な制限、取引条件の説明や契約書への記名や捺印など、不動産取引を公正に行うこと。
生活や企業活動の基盤となる土地や建物の売買、賃貸借取引のエキスパートである宅地建物取引主任者の活躍の場は、不動産業界だけにとどまらず、担保として土地を扱う銀行、顧客の資産設計を考えた営業をする生保業界などがある。ダブル、トリプルライセンスで独立も目指せるフレキシブルな資格だ。
試験内容
・筆記試験(120分:四肢択一、50問)
1、土地の形質・地積・地目・種目・建物の形質・構造・種別 2、建物の権利、権利の変動に関する法令 3、土地・建物についての法令上の制限 4、宅地・建物についての税法 5、宅地・建物についての需給法令・実務 6、宅地・建物の価格についての評定 7、宅地建物取引業・関連法令
ポイント
法学部卒、他の法律系資格を目指したなどの経験があれば独学での合格も可能だが、法律に馴染みのない方は、まずは条文理解の方法論を知っておくべきだろう。専門スクールや通信講座を利用し、ある程度長期的なプランで臨むのがベターと言える。
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取得者コメント
「就職活動が始まる前に……」と思い立ち、大学3年の春から半年間スクールに通い、受験しました。私は法学部に在籍していたので、勉強自体はあまり苦ではなかったですね。
(学生・22歳・女性)
多種多様なテキストや問題集があるので、自分に合うものを選ぶのがいいでしょう。「過去問」をこなして力をつけ、法律に慣れてない場合は同時に民法を学ぶという感じでしょうか。
(住宅メーカー・27歳・男性)
管理業務主任者 (国家)
当資格は、平成12年8月に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」が施行され、分譲マンションの管理業を営む事務所において、対象となる30組合につき1名の設置が義務づけられたことを背景にして誕生した。
管理業務主任者は、国土交通省が所管する国家資格で、有資格者はマンション管理全般のマネジメント知識を身につけたスペシャリストとして認知される。主な仕事は、マンション管理の前提となる管理委託契約の重要事項の説明から、受託した管理業務の処理状況のチェックおよびその報告、マンションの区分所有者に対する助言・指導など、マンション管理運営全般のマネジメントを担う。
この資格だけでは大幅なキャリアアップは難しいものの、宅地建物取引主任者などの資格と合わせることで、強いアピールポイントになることは間違いない。
試験内容
・筆記試験(120分:四肢択一、50問)
1、管理事務の委託契約に関すること 2、管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納に関すること 3、建物及び附属施設の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関すること 4、マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること 5、前各号に掲げるもののほか、管理事務の実施に関すること
ポイント
試験範囲が広いため、自分の得意科目を見定めることが重要。まず、得意科目を確実に得点源にするようにし、不得意科目は基礎をおさえ過去問で実力を上げるようにする。難易度は高くないので、マンション管理士と併せて合格を目指すのもよいだろう。
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取得者コメント
仕事をしながら短期間で合格する必要があったので、メインの学習法として繰り返し復習できるビデオ講座を選びました。配点が高い「区分所有法」を確実にするのもひとつの手ですね。
(マンション管理会社・33歳・男性)
初めはマンション管理士を目指して講座を受けていたのですが、講師から「相当やり込めば、管理業務主任者もいける」と言われ……結果的に、両方に合格することができました!
(不動産会社・29歳・男性)
その他の注目資格!

  まず、注目したいのが建築設備士。建築設備士は、空調換気、給排水、電気などの建築設備全般に関する知識と技能を持ち、設備の設計・工事監理において建築士にアドバイスを行う専門家だ。主な活躍の場は、建設業、建築設計事務所、建築衛生業などで、高度化した設備設計に関するアドバイザーとしてニーズは高い。
  もうひとつ、造園施工管理技士も見逃せない。造園施工管理技士は、道路緑化、公園、庭園などの造園工事において、適正な施工ができる技術者育成のために設置された国家資格。有資格者は、自治体が発注する造園工事などを請け負うことができるため、造園業者からの高い評価を得られる。
  上記の国家資格を単独で取得し業務に直結させる以外にも、宅建+αで不動産鑑定士や土地家屋調査士、もしくは金融業界との絡みを考えAFP・CFPを取得するというのも、キャリアアップのための得策と言えるだろう。

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