資格図鑑

第17回【ビジネス実務・事務系:スペシャリスト初級編】〜着実にキャリアア
ップを〜

  ビジネス実務・事務系の資格は、会計・経営・法務・総務……などさまざまな分野に遍在する。いわば“登竜門”的なものを紹介した前回に引き続き、今回はスペシャリティを高めることができる資格を紹介しよう。“汎用性”はソコソコだが、その分現在働いている、あるいは今後志望する業態内で、評価アップに直結するのが魅力だ。

 

  これらは受験資格に制限がないものがほとんどで、それほど難易度も高くないが、取得すれば資格給などが期待できるほか、転職の際にも武器となる。そういう意味では、挑んで損はないと言えるだろう。

 

  企業内での自分の価値を高めたい人はもちろん、独立などを目指し、一歩上の資格に挑む場合にも、これらの資格を取得するために努力し、専門性の高い実務経験を積んでいくことは、必ずやプラスになるはずだ。

ビジネス実務・事務系:スペシャリスト初級編
銀行業務検定試験 (民間)
約40年の長きに渡る歴史を持ち、年間受験者は30万人に達する、金融業界では知らない者のない検定。金融機関の業務遂行に必要な知識・技能の習熟をはかるもので、検定種目は法務、税務など一般的なものから、確定拠出年金アドバイザー、金融経済、窓口セールスなどスペシャリスト的なものまで、21系統36種目にものぼる。試験内容は、等級の低いものは択一式、高いものは記述式が中心で、併用されるものもある。3〜4カ月の間隔で試験が実施され(実施される種目はその都度違うので注意)、北は北海道・稚内から南は沖縄・八重山まで、全国200カ所以上で受験できるのも、取得を容易にしている。合格後は金融機関のみならず、種目によっては企業の福利厚生担当者としても評価されるほか、フィナンシャルプランナー、社会保険労務士などへの転身の礎ともなりうる。
試験内容
※法務4級の場合 三答択一式 50問(各2点)
必須科目:預金20問、 手形・小切手20問
選択科目:融資10問または内国為替10問のいずれかを選択
合格基準:100点満点中60点以上、ただし全科目について40%以上正答していること
ポイント
基本的に金融機関の現役行職員を対象にしており、実務経験者なら低級種目のハードルは高くないだろう。他業種からの転職を狙う際にも持っていれば武器となるが、こうした性質から、実務経験の不足を補うしっかりとした勉強が必要となる。
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取得者コメント
普段からマジメに仕事をしていれば、3〜4級くらいなら特別勉強していなくてもなんとかなるでしょうね。だから落っこちると逆に「おまえは毎日何をしているんだ?」なんてことにも(^^;)
(地銀・24歳・女性)
FPを取得しての独立を目指しているんですが、その勉強が身に付いているかどうか、確認の意味も込めて挑戦しました。検定料も1種目3000円前後と、気軽に受けられますしね。
(証券・27歳・男性)
ビジネスコンプライアンス検定 (民間)
近年、不祥事を起こした企業や団体が社会的信用を失い、経営に悪影響を及ぼすという事例が急増しており、多くの企業ではコンプライアンス(法令遵守)に関する取り組みを進めている。企業倫理やコンプライアンスの浸透を進めるために、コンプライアンス経営に欠かせない法律知識や実践的な価値判断基準を有する人材の確保は、今や企業にとって最優先課題。つまり、こうした能力を持つ人材に対する企業の視線は、ますます熱を帯びてきているのだ。このコンプライアンス能力を示すのにうってつけなのが、ビジネスコンプライアンス検定である。05年創設と日は浅いが、認定者に対する企業の求人マインドは強い。実務経験も要求されず、合格率は初級でほぼ5割と難易度もさほど高くないので、まずは初級に挑戦してみてはどうだろう。
試験内容
※初級の場合 択一式40問中65%以上に正答(制限時間60分) ビジネスパーソンとしてのコンプライアンス行動において必要とされる、以下の内容について出題される。
(1)コンプライアンスに関する基礎的な知識
(2)コンプライアンスに関連する基本的な法律知識
(3)ビジネスシーンにおける健全な価値判断基準
ポイント
認定基準には初級と上級の2つがあり、「具体的な事例の解決手段や対応策を決定 できる」「高度な法律知識と実践的な価値判断基準を有する」とする上級に認定されれば、当該部署の管理職への登用の道も拓けてくるだろう。
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取得者コメント
今後コンプラ分野は、転職市場として見た場合有望だと思い、早めに取得しよう とがんばりました。まだ初級なので、上級を取って大手へのステップアップを果たしたいです。
(機械製造・32歳・男性)
“ラ○○○ア”や“雪○”の件で、コンプラ欠如の恐ろしさを感じた。自分も株 をやっているので、業績と無関係の不祥事で投資家が迷惑を被るようなことをなくしていきたい。
(商社・30歳・男性)
建設業経理検定 (公的)
専門性の高い建設業の経理に関する検定試験であり、建設業簿記の知識・能力を1 〜4級に区分して認定するものだ。06年度から、1・2級は国土交通省の登録検定「建設業経理士検定」として実施され、合格者は「1級(2級)建設業経理士」となる(3・4級は従来通り、「3級(4級)建設業経理事務士」となる)。検定合格が必須の職種は特にないが、公共工事受注の際の経営事項審査で、1・2級合格者の所属人数が企業評価の加点対象となるため、2級以上なら有用な人材として企業側 から求められる。また3級以下には検定試験のほかに特別研修があり、修了後に実施される試験に合格すれば合格となる。過去の平均合格率は、2級は48・1%だが1級はぐっと難化し、最難関の財務諸表では19・6%となる。累計合格者数も2級の約24万人に対し、1級は1万6000人あまりにすぎず、1級を射止めれば大きな武器となるだろう。
試験内容
※2級の場合
記述式5問(120分)
内容は「建設業の簿記・原価計算及び会社会計」(実践的な建設業簿記、基礎的な建設業原価計算を修得し、決算等に関する実務を行えること)
ポイント
1級のみ全3科目に合格しなければ認定を受けられない。一度にすべての科目に合 格する必要はないが、ある科目に合格したあと5年以内に残りの科目に合格できないと、最初の科目合格もリセットされてしまう。
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取得者コメント
会社に言われて行った特別研修で3級を取得しました。2級になると資格手当も大 きくなるので、がんばりたいと思います。
(建設・26歳・男性)
内容が日商簿記と近いので、そっちの勉強をしてきた人なら割と敷居は低いんじ ゃないかな。税理士や公認会計士を狙う人の力試しにいいかも。
(建設・29歳・男性)
その他の注目資格!

 金融・不動産などの分野で注目したいのは、社団法人金融財政事情研究会が認定するファイナンシャル・プランニング技能検定だ。ファイナンシャル・プランニング分野では日本ファイナンシャル・プランナーズ(FP)協会が認定する民間資格であるAFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)やCFP(サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー)が有名だが、こちらも同様に顧客の資産に応じた貯蓄や投資などのプランニングや相談に必要な技能を、1〜3級の等級で測るもの。合格すれば「ファイナンシャル・プランニング技能士」というまぎれもない国家資格取得者である。だが2級以下なら合格率は5割強と敷居は高くなく、AFP・CFPと違って更新がないため、一生ものの資格となるのが強みだ。企業内で上を目指す人にも、独立志向の人にも向いている。

 またマンションの老朽化や耐震強度偽装、エレベーターの整備不良などの社会問題が深刻化する中、財団法人マンション管理センター認定の国家資格であるマンション管理士も重要度が高まっている。建築構造上の問題から住民同士のトラブルまで、マンションにまつわるあらゆる分野の管理や運営を管理する能力が問われ、保有者には建築会社やマンション管理会社のみならず、銀行や生保などからも人材需要が出てきている。ただし試験では7割以上の正答が求められ、合格率は最新の数字で8・3%という超難関で、資格学校などを利用した勉強は欠かせないだろう。

 スペシャリストとして認められるには、実力もさることながらそれを客観的に示せる資格の保有が欠かせない。しかしひとたび合格を勝ち得ることができたなら、キャリアアップや資格手当などとして、必ず努力の成果は返ってくるはずだ。

「ビジネス実務・事務系資格」を活かして転職する

転職に使える!資格図鑑 目次

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