資格図鑑

第18回【飲食・栄養系:甘い香りに誘われて編】〜パンとお菓子でみんなを幸せに〜

  フード産業は私たちの生活にもっとも身近なビジネスのひとつ。とりわけパンやケーキなどは、朝食、ランチからおやつまで、気づけばいつもそばにある、ま さに切っても切れない存在だろう。というわけで飲食・栄養系の第2弾は、パティシエから町のベーカリーまで、パンやスイーツといった毎日のおいしさを届ける仕事にまつわる資格だ。

 

  注意したい点は、製造に関する資格と、店舗経営に関われる資格が異なること。どこかの店で働きたいなら前者を取得していればいいが、自分の店を起こすとなると後者も必要になる。もちろん今回の記事ではどちらも網羅しているので、ぜひ読んでいただきたい。

 

  食べ物に関する資格だけあって、特に高い意識が求められるが、何より大事なのは「おいしいもので食べた人を幸せにしたい」という気持ち。評価がダイレクトに得られる仕事だけに、やりがいもあるはずだ。

飲食・栄養系:甘い香りに誘われて編
パン製造技能士 (国家)
国家資格である技能検定のひとつで、手づくりで生産し商品を直接販売するリテール・ベーカリー、つまり「町のパン屋」を主な対象とする資格だ。特級、1級、2級に分かれており、特級では、管理運営、業務遂行、新製品の開発など、生産現場・店舗の責任者としての能力も問われる。ふぐ調理師のように、「これがなければパンを作ってはいけない」というものではないが、生業としてパン作りに取り組んでいる人なら取得を目指して当然という資格であり、また合格率も5割そこそこと、決して甘いものではない。それだけに、ベーカリー以外にもホテル、レストラン、洋菓子店などパンを扱う業態全般に対して強く、1級なら現場の即戦力として、特級なら管理責任者的立場への転職も狙えるだろう。
試験内容
特級の場合:筆記試験(5択式50問、制限時間2時間)
1級の場合:実技試験(制限時間6時間)
  水の配合割合と材料の使用量を自力で算定し、支給された小麦粉から強力粉を選び出して山形(イギリス)食パンを4本作る。
2級の場合:実技試験(制限時間6時間)
  支給された小麦粉から強力粉を選び出して山形(イギリス)食パンを3本作る。
ポイント
受験には原則として実務経験が必要だが、専門教育機関での職業訓練経験や高専 ・短大・4大卒業資格があれば、短縮措置が受けられる。
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取得者コメント
先輩に「腕試しだと思って受けてみなよ」と言われて2級を受験したんですが、時 間制限があると焦りますね。なんとか合格したんですが、正直もういいです(笑)。
(ベーカリー勤務・25歳・女性)
自分で店をやっているので、いい勉強の機会だと思って特級を取りました。独立 前に1級は取っていましたが、現場での技能とは違う経営に関する知識の再確認は、やっていて楽しかったですね。
(ベーカリー経営・34歳・男性)
製菓衛生師(国家)
子供からお年寄りまで、誰もが喜んで口にするお菓子。それだけに、おいしさとともに安全性も求められる。そうした知識と能力を持っているという証明が、製菓衛生師だ。これもまた「この資格がなければお菓子屋になれない」というものではないが、おいしさと安全を兼ね備えてこそお菓子が商品として成り立つように、製菓衛生師の資格を取得してはじめて一人前という見方が、製菓業界では一 般的。この世界で生きていくなら、避けては通れない関門なのだ。それだけに、取得すればこれまたホテル、レストラン、菓子店、ベーカリーなど、菓子類を扱うさまざまな業態で、広く求められる人材となりうるのである。また、この資格の保持者は食品衛生責任者になることができるので、店舗の責任者クラスや独立を目指す人なら、さらに重要度が増してくる。
試験内容
東京都の場合
・筆記試験(4択式60問)出題分野は衛生法規、公衆衛生学、栄養学、食品学、食品衛生学、製菓理論及び製菓実技
製菓実技は「和菓子」「洋菓子」「製パン」から1分野を選択して解答 (実技分野に関するペーパーテストであり、実際に作るわけではない)
ポイント
受験には、厚労相指定の製菓衛生師養成施設で訓練を受けるか、実務経験が必要 。東京都の場合、前者は1年以上、後者は2年以上と定められている。
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取得者コメント
最近はパン屋とケーキ屋がますますボーダレスになってきているので、本業はパ ン屋だけど取得しました。食の安全が叫ばれるこのご時世、衛生に関する知識を身につけて、プロとして胸を張って、安全でおいしいものをお店に出したいです からね。
(ベーカリー勤務・32歳・男性)
子供のころから、ケーキ屋さんになるのが夢でした。自分のお店を持つために必 要な資格だったので、取れたときは嬉しかったです。30歳までに自分のお店を出すぞー!
(パティシエ・28歳・女性)
建設業経理検定 (公的)
スイーツ類を中心としたデザートの進化・多様化は、目を見張るものがある。材料や製法をとっても、新しいものがどんどん入ってくるようになっており、客としてはどれを食べたらいいか、嬉しい悲鳴といったところだ。しかしそのぶん、提供する側には多岐に渡る知識が求められている。こうした中で、デザートに関する幅広い知識と技術を習得した証明が、デザートクリエイターの称号というわけである。スタートは2004年と、正直まだそれほどメジャーではない資格だが、カフェやホテル、レストラン、パン屋、菓子店、またデザートを提供するフルーツ店や製菓会社など、スイーツ業界では今後も「甘い戦い」が繰り広げられる見通しであり、こうした分野で力を発揮する資格となる可能性を秘めている。
試験内容
2級の場合
・筆記試験(制限時間2時間)+実技試験
 出題分野はデザートデコレーション、テーブルデコレーションなど
3級の場合
・筆記試験(制限時間2時間)
 出題分野は材料に関する基礎知識、デザートメニュー開発に関しての基礎知識
ポイント
等級は1〜3級に分かれているが、いずれも主催する日本カフェプランナー協会 への会員登録や講義の受講が必須だったりと、少々特殊な受験資格が求められる。
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取得者コメント
資格としての有用性はまだ未知数ですけど、まだ誰も持っていない資格というの もレアだったんで受けたってところですね。もちろん、自分はこの仕事が好きで、長くやるつもりですし。
(カフェ勤務・32歳・男性)
その他の注目資格!

 パン製造技能士のお菓子版が、菓子製造技能士だ。基本的な性格や業界内での位置づけも似通っている。ただし洋菓子と和菓子それぞれに認定が分かれており、試験内容も別々。また特級が存在しないという違いもある。

 パン製造技能士、菓子製造技能士のいずれかを保有していると、職業訓練指導員 (パン・菓子科)の取得の近道となる。職業訓練指導員は、職業能力開発施設での指導を担当できるようになる資格で、通常は職業能力開発大学校を修了したり 、自動車運転免許の学科講習なみの長時間の講習を受けたりすることで得られる。これを検定試験で取得することもできるが、技能士はこのうち実技試験が免除されるというわけである。取得すれば、レストランやベーカリーなどのほかにも、訓練施設の講師という働き口の可能性が増えるわけだ。

 また、独立して店舗を経営するなら、食品衛生責任者は必須だ。ただし、講習を受ければほぼ100%取得できるものであるため、この資格一本で食っていけるというものではない。自分のキャリアに必要なら、折を見て取っておこう。

 フード分野は、お客の笑顔や健康に直結するやりがいのある仕事だ。しかも、アイデアと腕前次第で、“カリスマパティシエ”や“行列のできるパン屋さん”など、大ブレイクの夢もある。そのためにも、資格を取って自分の能力を証明し、さらに腕を磨ける場所へとキャリアアップを続けてもらいたい。

「飲食・栄養系資格」を活かして転職する

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