資格図鑑

第19回【海外資格系:ビジネス実務編】〜世界を相手に戦える資格〜

  海外に出て一旗あげたい! 外国企業を向こうにグローバル規模の大仕事をしてみたい! そんな野望を抱いている人も多いことだろう。これは英語を中心とする「外国語力」に長けた人材が増えたことも一因なのでは……。しかし、日本語ができれば日本で大仕事を成し遂げ、好条件でキャリアアップ転職できるというわけではないように、語学力に加え、専門知識や能力を証明する資格がなければ、海外でもキャリアを磨き、ステップアップ転職を実現することは難しいだろう。

 

  ということで、今回紹介するのは、国際舞台で自分の実務能力を示すことのできる資格だ。その道のプロフェッショナルとしての実績を国内で積んできた人なら、さらに新しい市場に乗りだしていくために。はたまた語学力に自信を持つ人なら、それを活かしてワールドワイドな実業の世界にデビューするために、きっと役立つだろう。

 

  自分の働くステージを、質的にも量的にも大きく広げることができるなら、これほど心強いこともない。「俺は日本以外でも食っていけるんだ!」なんてセリフ、一度は吐いてみたいものである。

海外資格系:ビジネス実務編
工業英検 (公的)
科学技術情報を、読む対象者に合わせて正確に分かりやすく伝えるための“工業英語”に関する実力を認定する、文科省後援の公的資格である。工業英語は一般英語とはまったく趣を異にするもので、誤解や解釈の相違などが起きないようにはっきりと事実を説明できるものでなくてはならない。扱うのは技術系の専門用語のみならず、技術的な広告・宣伝に関するコピーライティング分野や、契約書や特許関連など法律分野、さらに一般的なビジネスコミュニケーション能力も含まれるため、重厚長大産業からハイテク、バイオに至るまで、工業全般のあらゆる事業分野に対して高い汎用性がある。文書やインターネット上の英文から最先端のテクノロジー情報を取得する必要性はますます高まっており、ものづくりの世界で今後も間違いなく生きる資格だ。
試験内容
1級:記述方式(120分)英文和訳、和文英訳、修辞 →通過者は二次試験(面接)
2級:記述方式(100分)英文和訳、和文英訳、修辞
3級:マークシート方式(70分)英文和訳、和文英訳(短文)、適語補充、単語問題
4級:マークシート方式(60分)英文和訳(短文)、適語補充、単語問題
ポイント
高校や大学などの教育機関でも、TOEIC、TOEFL、実用英検などと並び、工業英検取得者に単位を与えるところが増えてきている。実用的な英語検定として認知されてきている証と言えるだろう。
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取得者コメント
技術者ではないけど、海外も相手にする会社なので、社内でのキャリアアップにも役立つと思って受けました。もともと英検2級持ちですが、普通の英語とはまた違った勉強が必要で、少々苦労しました。
(食品・29歳・女性)
英文から最新情報を得ないといけない業界のわりに、それを正確に実行できる人が多くないので、業界内での転職に意外と役立ちます。面接では少々説明が必要ですが、それがアピールのキッカケにもなるし。
(IT・27歳・男性)
CBS(国際秘書)検定(民間)
日本語、英語、そしてその両言語の間で、正確に業務を遂行できる国際的な秘書の育成を目標に、1979年に開始された。企業活動の国際化・多国籍化が進んだ現在、日本語と英語の双方で秘書業務を円滑にこなし、さらにその両方の文化圏の知識を備えて正しいコミュニケーションを取り持つ橋渡し役として、認定者への需要はますます高まっている。外資系企業のセクレタリーとして外国人エグゼクティブの片腕となり、国内外で辣腕を振るいたいという野望を持つ貴女(もちろん貴兄も可)にうってつけの資格と言えるだろう。試験にはプライマリーと、プライマリー合格者のみが受験できるファイナルがある。前者では秘書としての基礎知識や日英両語でのビジネス語学力が求められ、後者ではさらに経営や会計に関する知識も問われる。
試験内容
※ファイナルの場合
PART1:秘書適性、秘書業務管理・レコードマネジメント、経営・会計・法律に関する知識
PART2:秘書業務(インバスケット方式)
PART3:英文ビジネス文書に関する知識と応用
PART4:日英両語による個人面接
ポイント
プライマリー試験に合格すると準CBS、ファイナル試験に合格するとCBSと認定される。プライマリーの合格率は62.6%だが、ファイナルは19.4%と、ぐっと狭き門となる(2006年度実績)。なおCPS(米国秘書)検定とは別物なので注意。
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取得者コメント
英語力や秘書としての実務知識だけではファイナルは通らないので、勉強は大変でした。特にビジネス文書、そして面接対策が個人的には鬼門でしたね。
(機械・30歳・女性)
実はまだ「準」です。CBSを取得して市場価値が上がり、今や某外資系企業トップのパートナーとしてバリバリ働いてる先輩がいて、私も憧れています。
(金融・25歳・女性)
プロフェッショナル・エンジニア(PE) (民間)
技術者としての能力を認定するもので、日本では民間団体が試験の実施などを行っているが、PEそのものは米国の公的資格だ。これまでは一次試験に当たるFE(ファンダメンタルズ・オブ・エンジニア)試験は日本国内で受けられたものの、PE試験は米国に行かなければ受験できなかった。しかし、今年から国内でもPE試験が受けられることとなり、ぐっと敷居が下がった。米国ではたいていの州や自治体で、PEとして登録した人物が技術責任者でなければ技術業務の実施ができず、民間業務における技術諮問・契約・設計・仕様書の提出などもPEに限られているため、あらゆる企業・職域で求められている。日本国内より米国内で輝く資格のため、米国で建築・土木・製造・設計などの事業を展開している企業、もしくは米国内の企業に対するアピール力が得られる。
試験内容
※FEの場合
午前の部(多肢選択式、制限時間4時間):工学、数学、自然科学から合計120問
午後の部(多肢選択式、制限時間4時間):化学、土木、電気、環境、機械、産業、一般工学から1科目60問を選択
ポイント
日本で実施される場合でも、申込書から試験当日の設問・回答、試験監督の指示にいたるまですべて英語。逆に言えば、取得は英語力のアピールにもなる。なお、FE合格後4年以上の実務経験を積まないと、PEの受験はできない。
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取得者コメント
会社の勧めでFEを受けました。試験料がちょっとお高い(一般社会人は5万5000円)ので自分ではちょっと受けにくいから、こういうチャンスは積極的に生かすべきですね。
(製造・28歳・男性)
問題で使われる英語のレベルはそんなに高くないです。TOEICで500程度とのこと。結局肝心なのはエンジニアとしての知識なので、臆することはないと思いますよ。
(エンジニアリング・33歳・男性)
その他の注目資格!

 注目の資格というと、なんといってもジェトロ認定貿易アドバイザーだ。実は、今秋行われる今年度の試験で終了してしまうのである。昨年までの13年間で合格者4565人、平均合格率13・3%という非常に貴重で強力な資格を取得し、国際貿易の世界に飛び出す機会は、今年が最後なのだ。

 営利企業で働くだけでは飽き足らないという人には、国連傘下の国際機関で働く近道となるアソシエート・エキスパート(AE)だ。AEは外務省が、正規の国際公務員を志望する日本人を、原則2年間にわたり国連難民高等弁務官事務所(UNCHR)や国連教育科学文化機関(UNESCO)などの機関に派遣し、国際的業務の経験を積む機会を与えるものだ。JPO(ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー)APO(アソシエート・プロフェッショナル・オフィサー)などとも呼ばれるが、同じものである。ただし、35歳以下という年齢制限にくわえ、学歴は原則として院卒(見込み可)以上で、学位取得分野も文学・体育・芸術・語学のいずれかのみでは×。さらに一定の職歴(アルバイトは不可)に、もちろん国連公用語である英語か仏語がビジネスレベルで要求されるなど、ハードルはきわめて高い。一方で、派遣期間が終了すれば、その機関で働き続けることは基本的にできない。

 どの資格も生半可なことで取れるものではないが、だからこそ取得者への視線は熱い。大きく羽ばたくためにはそれだけ力をためなければならないと心得て研鑽し、インターナショナルなキャリアアップの武器をつかみとろう。

「海外系資格」を活かして転職する

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