資格図鑑

第21回【クリエイティブ系:デザイン編】〜“ビジュアル系”なお仕事〜

  Webの世界でも紙の世界でも、結局のところ読み手が重視するのは、“パッと見”の印象だ。読みにくい、目を引かない、乱雑、色使いにセンスがない……いくら内容が良くても、そんな印象を与えてしまったら、誰もその先を続けて読んでくれないもの。そう、まさに“見た目が9割”の世界なのである。

 

  そうしたメディアのビジュアル面の良しあしを一手に担うのが、デザイナーである。「デザイナーと一口に言っても、Webと紙とでは求められる技術がまったく違うじゃないか」という向きもあろうが、「アタマの中で抱いた理想のデザイン像をメディアで実現する」という点は同じ。あとはその実現の手段に、何を選ぶかということにすぎない。ただし、独りよがりな芸術性の追求だけでは、商業デザイナーとしては失格といえるかもしれない。より多くの人に見てもらえるよう、見やすさや使いやすさを盛り込んだレイアウトまで組み立てられてはじめて、商業デザイナーは務まるのだ。

 

  読み手に「見せる」ことと「魅せる」こととを高次元で追求できるのなら、デザイナーへの第一関門はクリアだ。必ずしも資格が必須の仕事ではないが、自分の技量と感覚を磨く一里塚として、また転職の際に役立つ腕前の証明として、ぜひ役立ててもらいたい。

クリエイティブ系:デザイン編
Webデザイナー検定(民間)
画像情報教育振興協会(CG-ARTS協会)が平成3年から実施してきたCG検定が発展改組され、2006年度にはCGエンジニア検定とCGクリエイター検定になり、今年度からはCGクリエイター検定のWebデザイン部門が独立してWebデザイナー検定となった。現在は1〜3級が存在する。試験では、単にWebサイトのデザインをするだけでなく、コンセプトやスケジュール、予算までも含めたうえで、企画・プレゼンテーション・制作・テスト・評価運用を行う能力が求められる。また、利便性も考慮したページの設計を行う“インフォメーションアーキテクト”に関する能力も問われる。
試験内容
※3級の場合
Webデザインの基礎、表現の基礎、Webデザイン、技術の基礎、知的財産権、ファイル形式(マークシート10問、制限時間70分)
ポイント
2級は3級を取得しなくても受験でき、2級と3級の併願もできるが、1級は2級に合格しないと受験できない。また、1級には一次試験と二次試験がある。2007年度前期の合格率は3級が66・1%、2級が26・7%。
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取得者コメント
専門学校にも通ったし、キレイに作ればそれでいいとはさすがに思ってなかったけど、じゃあ具体的にどうするべきかっていうのはこの資格の勉強を通じて身につきました。
(Webデザイン・21歳・男性)
取ったのはまだCG検定のころだったけど、そのころと比べてもWebデザインの重要性はますます高まってるよね。僕もまたがんばって1級にチャレンジしてみようかな。
(Webデザイン・28歳・男性)
写真技能検定(国家)
厚生労働省が主導する「技能検定」で認定される資格で、フィルムカメラによる人物・静物の肖像写真に特化しているのが特徴。1〜3級があり、合格者は写真技能士と名乗れる。むろん、シャッターを押して終わりなのでなく、実技試験には現像や修正、焼き付けなどの作業もあるし、筆記試験ではデジタル撮影機材に関する知識も要求される。基本的には写真館などで人物肖像を撮る職種向けの資格で、いわゆるカメラマンにはあまり縁のないものではある。しかし、デザイン会社などへの就職を望むなら、「写真も撮れるデザイナー」というハク付けは武器になるだろう。小規模のデザイン会社では、デザイナーやライターがカメラマンを兼任し、掲載する人や物の撮影、いわゆる“顔撮り・ブツ撮り”を行うことも珍しくないからだ。
試験内容
※2級の場合 
筆記:真偽法及び四肢択一法50題(試験時間100分) 実技:以下の3つの作業を行う。
1・黒白フィルムで人物を撮影し、2種類の大きさの肖像写真を制作する。(試験時間50分)
2・黒白フィルムで平面物を撮影し、キャビネサイズの平面物写真を制作する。(試験時間20分)
3・与えられた黒白写真にスポッティング修整を行う。(試験時間30分)
ポイント
カメラマン志望なら、新聞社・出版社など大手メディアの写真部に正規の入社試験を経て入る、有名カメラマンの下につくなどが一般的。回り道に見えるかもしれないが、コンスタントな撮影の機会と人脈が、なにより物を言う世界だからだ。
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取得者コメント
企業さんの広告を担当するときなんかに、提供写真がいまいちなこともあるんです。そこで僕が撮ってみせて「きれいに撮ってもらえてありがとう」って言われると嬉しいですね。
(デザイン・29歳・男性)
業界的には、持ってるだけでむしろ変わり者(笑)。資格保持がカメラマンとしての仕事に直接つながるというものではないです。それより大事なのは腕と社交性かな。まあそれはどんな仕事でも同じだよね。
(新聞・36歳・男性)
インテリアコーディネーター試験(民間)
Webページや紙面をデザインする各種デザイナーに対し、住空間という3次元をデザインするのが、インテリアデザイナーである。もちろん、自分の美学を押しつけたコンセプチュアルな空間演出ばかりではダメ。家具調度からはじまり、壁や窓、床といった住宅の構造、さらに装飾品から配線にいたるまで、色彩や素材、人体工学などの知識をフルに用いて、機能的で快適な住空間を作りあげなくてはならないのだ。その能力を担保する資格試験が、インテリアコーディネーター試験である。仕事内容からもわかるように、試験ではきわめて幅広い範囲の知識に加え、理論的な説明能力や実践的な実務能力まで要求される。最終合格率は最新の数字で21・9%となかなか厳しく、数カ月〜1年程度の勉強を要する場合も珍しくない。それだけに、取得は強力な武器となる。
試験内容
一次試験:インテリア商品と販売の基礎知識(100分)、インテリア計画と技術の基礎知識(100分)
 出題分野はインテリア商品・部材、インテリア販売、インテリア情報、コンサルティング、積算・見積、住環境、住宅構造、インテリア構成材、室内環境、インテリア基礎、インテリア計画、表現技法、関連法規
二次試験 :論文試験(80分)、プレゼンテーション試験(140分)
ポイント
他の資格と比べて、若い女性の志望者が圧倒的に多い。平成18年度のデータでは、合格者のうち女性が78%で、その8割が34歳以下だった。
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取得者コメント
学生時代は触れたこともない分野の勉強ばかりで、一発合格はできませんでした。一次に合格すれば3年間は一次免除になるので次の年に二次に受かりましたが、人生で一番勉強したかも。
(家具販売・28歳・女性)
当時は仕事と平行して勉強していたので、超キツかったです。でも、合格したことで念願のインテリアデザインの世界に飛び込むことができました。がんばった分って報われるものですよ。
(インテリアデザイン・32歳・女性)
その他の注目資格!

 同じレイアウトでも、統一感がある鮮やかなカラーリングで飾られているほうが、目を引きやすい。もちろんちゃんとした理由があってモノクロにするならそれもアリだが、それはさまざまな色彩の効果を知った上でのこと。この大事な彩りに関する検定が、いわゆる色彩検定の数々だ。デザインを行ううえでは、メインターゲットやサイトテーマによって、刺激的な色使いも落ち着いたトーンも効果的に使い分けなければならない。コマースサイトなら、魅力を伝えるテキストや画像のレイアウトだけでなく、気分を高揚させて購買意欲を高めるような色使いも交える必要がある。デザイナーにはこうした“色彩戦略”のセンスも求められるのだ。

 色彩検定には、文部科学省後援色彩検定(旧ファッションコーディネート色彩能力検定)カラーコーディネーター検定試験色彩士検定などがある。ファッション方面やビジネスデザイン方面に強いなど、それぞれ特徴が少しずつ異なるので、自分の進路にあわせてチャレンジしてもらいたい。

 Webデザイン分野では、Webクリエイター能力認定試験というものもある。これはHTMLファイルのコーディング能力や基本的なデザイン能力を問うもので、デザイナーとしての総合力を問うWebデザイナー検定と比べ、クリエイターとしての技術力の確認に特化している。これもまた、自己のキャリアデザインに応じて目標を選ぶといいだろう。

「デザイン系資格」を活かして転職する

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