あの仕事のリアルに迫る…人気職種シミュレーション イメージ

イメージが先行しがちな人気の職種。知っているようで知らない仕事の現実と、将来の可能性を探ろう! 人気職種一覧へ

一般事務・営業事務 一般事務・営業事務
  ゼネラリストとしてのキャリアが積める注目職

 これまで一般事務や営業事務というと、最前線で活躍する営業部門や生産部門のスタッフをサポートする職種というイメージが強かった。たしかに大手企業ではパートタイムやアルバイトでの雇用、または派遣会社を活用するところも多く、会社の中枢を担う存在とは言いがたいのが現実だ。しかし、ここ数年で多くの企業が業務の効率化や組織の見直しを進めた結果、一般事務や営業事務のスタッフにも「ゼネラリスト」としての資質や能力が求められるようになった。3〜5年程度の経験を経て、業界における自社のポジショニングを把握し、営業部門から生産部門、総務・人事にいたるまで複数の組織におけるそれぞれの業務をひととおり知ったスタッフを“次世代の幹部候補”として期待する企業が増えているのだ。


仕事シミュレーション 通信ソフト開発会社営業事務・うえはらさんの場合
 
POINT
 

※1
「資格試験に合格」>>

 

※2
「会社のことは何でもやった」>>

 

※3
「すべての業務に携わった」>>

 2001年3月に大学を卒業して就職時期を迎えましたが、当時は新卒採用を見送る企業が多かったこともあって大手の派遣会社に入社する形で就職。そこから大手企業傘下の通信機器会社に一般事務職として派遣されました。社員500人ほどの中堅企業でしたが、設立されたばかりだったこともあって若いスタッフが多く、ベンチャー企業のような雰囲気がありましたね。

 仕事はデスクワークが中心でしたが何しろ人手が足りなかったので総務・人事から営業の支援、エンジニアの提案書・仕様書づくりを手伝ったこともあります。在学中に日商簿記2級や情報処理技術者の資格をとっていたので、仕事の合間にブラッシュアップしようとそれぞれ上位の資格試験に挑戦し、合格(※1)しました。

 ちょうど2年間勤めたところで、その会社は親会社の方針もあって業務を整理して、新たに専門的な通信機器とソフトウエア開発も手がけるベンチャー企業として発足することになりました。その時、当時の上司からの勧めもあって派遣会社を退職。設立と同時に一般事務、営業事務のスタッフとして採用していただきました。新会社は社員300人ほどの規模でした。複数の特許を取得し、業界標準といわれる機器を独占的に取り扱うことができたおかげで業績は四半期ごとに上向いていてかなり忙しい毎日でした。設立間もなかったこともあって、会社のことは何でもやった経験(※2)がすごく役立っていますね。

 2005年の上半期には社員も700人に増えて、創業社長の念願だった株式公開も果たしました。この3年間に、会社の中核として社則づくりから人事や教育・研修制度、新規事業の立ち上げ、株式公開へ向けた準備などすべての業務に携わった(※3)ことで事務職としての筋力は相当上がりました。現在は経営企画室のスタッフとして、トップ直轄の経営戦略づくりや新規事業の立案にも携わっています。

 最近、大学時代の同級生に会ったのですが、大手企業に就職した人たちはこの5年間ずっと同じ立場で仕事の内容も単調。業績は悪くないので給料に不満はないそうですが、もっとやりがいや手ごたえのある仕事に就きたいと話していました。私の場合、たまたま事業を立ち上げようとしていた会社にめぐりあったことが大きな転機になりました。でも、顧客や取引先の企業でも勢いのあるところほど中核的な業務には積極的に若手のスタッフを起用しているようです。組織を横断的に見ることができて、必要なことは何でもするという意欲のある人にはすごくやりがいのある職種だと思います。

 今後も新規事業の立ち上げやマネジメントに携わりながら、経営者としての資質やビジネス感覚を磨いていきたいですね。当社には、起業意欲のあるスタッフに資金面や人的サポートをする制度があるので、3年後、5年後を目標に何か新しいビジネスを立ち上げたいと考えています。

天の声
田中 浩さん
Profile
ヒロ・マネジメント 代表
中小企業診断士 経営コンサルタント
田中 浩さん
1984年、法政大学経営学部卒業。食品卸売業を経て経営コンサルタントに。ヒロ・マネジメント設立とともに代表。日本経営協会総合研究所、中小企業大学校の講師のほか自己啓発啓発協会とMBC総合研究所の理事も務めている。近著に『提案営業を極める』(同友館刊)がある。
 
 
「自ら考え、行動し、責任を取る自律(型)精神を」

 よく言われることですが、スピーディーな経営方針の決定や経営判断が求められる環境ですから、言われたことだけをこなす“指示待ち”スタッフはどこへ行っても通用しません。勢いがあり、急成長中の企業ほど明確な将来展望を持っています。積極的に若手を採用し、最初から幹部候補としての教育・研修に熱心に取り組んでいます。

 こうした会社側の意欲や熱意に応えて、いかに短期間で課題や問題を発見して解決方法を見いだすスキルを身につけられるかが問われています。業界に関する知識を蓄え、会社の業務全般で実績をきちんと積んだ人ほど着実なキャリアアップ転職を目指す際に有利になります。資格やスキルも含めて、一度はキャリアと実績のたな卸し、見直しをしておくことが大切ですね。


かつてのアシスタント的なイメージは徐々に払拭されつつある職種。企業の規模と業種にもよるが、営業などの最前線部門とマーケティングなどの間接部門を橋渡ししつつ“企業体としての会社”がどの方向を目指しているか、どう動いているかを把握できる職種と言っていいだろう。特にエンドユーザー向けの企業などよりも特定のマーケットで法人をターゲットとした企業での知識や経験は、キャリアアップにも役立つはずだ。何より若手でもマネジメントに必要な感覚が学べるのが特長。求人ニーズの高い今がチャンスだ。

 

▲ページのトップへ