あの仕事のリアルに迫る…人気職種シミュレーション イメージ

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総務・人事部門 総務・人事部門
  組織を支える「専門職」として注目度急上昇中!

 企業活動のすみずみにまでおよぶ間接的業務のすべてを担うのが総務および人事部門だ。中堅・中小企業の場合、法務から知財、広報、IR(Investor Relations=投資家向け情報)など、それぞれに専門的な知識やノウハウが必要な業務をも兼務することが多い。大手企業を中心に人員削減や組織のスリム化が進んだ結果、少数精鋭型で数少ない有能なスタッフが第一線で活躍しているケースも多い。ホームページや受付業務と並んで、企業イメージを決定づける「会社の顔」としての役割も求められる。多くの企業がスピードと効率を最優先に高い収益力の確保と競争力の強化に取り組んでいる一方で、優れた人材だけを厳選する傾向が続いている。こうした経営方針や経営戦略に沿った企業活動のすべてを担うために力を尽くすのが総務・人事部門と言える。このため多くの企業が高い実力と能力を持つ若手スタッフを積極的に登用するケースも進んでいる。


仕事シミュレーション 通信ソフト開発会社営業事務・うえはらさんの場合
 
POINT
 

※1
「資格を取得」>>

 

※2
「キャリアを積んだベテランばかり」>>

 

※3
「現在の経験を活かしていく」>>

 2002年4月に新卒で大手金融機関に就職。総合職として採用されて、約半年の研修を経て総務部に配属されました。当時はとにかく効率的な仕事のやり方やコストの削減が部署での絶対目標。上司以下数人のメンバーですべてをこなすような毎日が続いていました。私の場合、法務に関わる文書作成や財務の情報公開に関する仕事もしていましたね。顧問弁護士や監査法人の担当者から指示を仰ぐことも多くなり、「もっと専門的な知識やスキルを学びたい」と思うようになったんです。 入社して1年半が経って、思いきって会社を退職。専門職大学院に1年間籍を置きながら、専門学校にも通って企業法務と国際会計を学んで、行政書士と社会保険労務士の資格を取得し(※1)、転職に備えました。2005年9月、無事に外資系大手製薬会社の総務・人事部門への就職。会社は日本法人として20年以上の歴史があるので、組織の運営はしっかりしていますね。

 仕事の内容は関係省庁への許認可申請や業界団体での業務、提携関係にある大手製薬会社との調整など多岐にわたります。上司や先輩は4〜5年以上もMR(医薬情報担当者)や卸会社担当としてキャリアを積んだベテランばかり(※2)。全員が会社の目指す方向性や将来展望に沿って意欲的に働いている姿に圧倒されています。 最初に務めた金融機関では、社会人1〜2年生ということもあって総務や人事という仕事の重要さがいま一つ実感できずにいました。しかし、きちんと知識を身につけてから仕事に就いたことで毎日の業務がしっかりと自分のキャリアや実績になっていると確信しています。徐々に景気が回復してきたことと、主力商品の売れ行きが好調なこともあって給料は前職より50%のアップ。1度退職して勉強したことがいい結果につながったのだと実感しています。

 今はまだ転職を考えてはいませんが、着実にキャリアを積んでいくことで、将来は外資系の金融機関で経営戦略や営業戦略を立案するような仕事を目指したいですね。それに向けて、仕事をしながらビジネス英語のブラッシュアップと初級の中国語を始めました。日本の市場だけでなく、東南アジア地域も含めた国際経済の最前線で働くという新しい夢の実現に向かってがんばりたいと思います。現在の経験を活かしていけば(※3)十分に実現可能なビジョンだと思いますよ。

天の声
田中 浩さん
Profile
ヒロ・マネジメント 代表
中小企業診断士 経営コンサルタント
田中 浩さん
1984年、法政大学経営学部卒業。食品卸売業を経て経営コンサルタントに。ヒロ・マネジメント設立とともに代表。日本経営協会総合研究所、中小企業大学校の講師のほか自己啓発啓発協会とMBC総合研究所の理事も務めている。近著に『提案営業を極める』(同友館刊)がある。
 
 
「企業に必要な資格、スキルの習得を」

 いい商品、いいサービスさえ提供していれば企業は安泰という時代が終わり、経営においての重要度が増したのが総務・人事部門です。かつての雑用的なイメージは完全になく、あらゆる企業活動を推進する上で優秀な人材が求められています。そこで勧めたいのが、行政書士や社会保険労務士、中小企業診断士の資格を取得すること。特に中堅、中小企業では組織運営のスペシャリストとして重宝されるのは間違いありません。
 学生時代や第2新卒までの若いうちに学んでおくことも大切ですが、資格取得をサポートしてくれるような企業を目指すのもいいですね。人事についても現在ほど人材教育、人材育成が注目されている時代はありません。講演会やセミナーなどへの参加も有益なはずです。


ひと昔前雑用的、サポート的イメージから、完全に役割やスタンスが変わった職種。今や企業全体の将来性を左右するほどの使命と責任を担う部署こそが総務・人事だ。それだけに企業のあり方や組織運営に関する興味や関心はもちろん、法務や財務・会計に明るい人材ほど重宝される。逆に、こうした資質や能力を磨いていこうという意欲のない人にはキャリアアップが難しい職種といえる。どの企業も最優先で優秀かつ有能な人材確保を始めている。有利にキャリアアップするには今が絶好のチャンスだ。

 

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