あの仕事のリアルに迫る…人気職種シミュレーション イメージ

イメージが先行しがちな人気の職種。知っているようで知らない
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MRイメージ MR
  努力した分だけ成長できる魅力ある専門職

 MRとはMedical Representativeの略で「医薬情報担当者」と呼ばれる職種だ。医薬品メーカーに在籍し、担当エリアの病院や診療所、開業医向けに自社の医薬品に関する情報や特長、効能などを提供する。医薬品は、医療機関で用いられる“医療用医薬品”と、薬局やドラッグストアなどで販売される“一般用医薬品”とに大別されるが、MRは医療用医薬品を中心に扱う。営業職と混同されがちだが、専門機関による「MR認定試験」に合格しなければならず、価格交渉は卸会社が行うなど一般の営業職以上に“専門職”としての色合いが強い。外資系企業の台頭や国内大手企業同士の統合や再編が一段落したいま、若手雇用の需要が高まっている人気職種の1つだ。


仕事シミュレーション 国内大手製薬会社MR・いのうえさんの場合
 
POINT
 

※1
「教育・研修制度が充実」>>

 

※2
「業界独特の習慣」>>

 

※3
「徹底した成果主義」>>

 大学に在学していた頃からMRに興味があったのですが、専攻が文系だったこともあって新卒で不動産会社に入社しました。2年ほどがっちり営業のノウハウを学んだところで、どうしてもMRになりたいと思って中堅の医薬品メーカーに転職しました。

 MR認定の試験は難しいと言われますが、入社してすぐに半年間の研修に入り、合宿などもあってみっちり勉強できたので、無事に1回で合格しました。どの会社もMR認定試験の合格率を高めるために教育・研修制度を充実(※1)させているようですよ。

 試験に合格して、MRとして働き始めて3年余り。本社は東京で、約半年は首都圏エリアを担当していましたが、転勤になって兵庫県の営業所で2年間本格的にMR活動に取り組みました。私の場合は中堅の病院や診療所を担当しましたが、前任者から引き継いでゼロから人間関係を築いていくことの難しさと楽しさを知りましたね。一般的な営業職からの転職なので、普通の営業職とMRの違いがよくわかります。顧客である病院や診療所の医師とのコミュニケーションに加えて、実際に医薬品を販売する卸会社との関係づくりが大切なことが大きな違いです。二人三脚ならず“三人四脚”で仕事を進めていかなければいけないところがこの業界独特の習慣(※2)ですね。

 ただ、価格交渉権はなくとも、一番のミッションは自社の医薬品を採用してもらうこと。医薬品は疾病ごとに「領域」という言葉で分けられますが、特定の領域でよく知られている医薬品があるとなかなか採用されません。自社製医薬品独自の特長や効能をしっかり頭に入れて創意工夫してアピールしていかないといけません。私はまだ4年目なので、ようやく仕事の中身が見えてきた段階ですが、高齢化で関心が高まっている生活習慣病やガンなど特定の領域に特化してスペシャリストを目指す人も多いようです。特に外資系企業は領域別にMRを配属させる体制を強化していますからね。

 いまMRの認定資格をもっている人は全国で約5万5,000人で、女性と文系出身者が特に増えています。興味をもってチャレンジする人が多くなっているのが心強いですね。業界全体で徹底した成果主義(※3)が浸透していますので、自分から学ぶ努力や創意工夫次第で実力を伸ばして、活躍できる場を広げていけることもこの仕事の大きな魅力です。他業種の営業職よりも待遇で有利なのは事実ですね。それに何度も足を運んでいるうちに担当する医師の方から信頼されるようになって、仕事の幅を広げていけることにもやりがいを感じています。キャリアアップの目標は営業所長や本社の役員といったところですが、現場にいたいという理由で定年まで活躍している大ベテランもいます。生涯現役で働けるところも気に入っていますね。

天の声
川越 満さん
Profile
MR向け教育コンサルタント
コンサナリスト
川越 満さん
1970年横浜生まれ。医薬品業界向け情報誌の編集長を経て、現在はコンサナリスト(ジャーナリスト+コンサルタント)として、MR向けの講演・執筆活動、研修内容のコンサルティングなどに携わっている。著書に「制度知識で他社MRに差をつける33のQ&A」(ユート・ブレーン刊)「<イラスト図解>病院のしくみ」(共著、日本実業出版社刊)がある。ホームページ(http://www.26shot9.com/)を通してMR向けに有益な情報の発信も行っている。
 
 
「広く人々に貢献できるのがやりがい」

 資格が必要な専門職ですが、文系出身者や女性も増え、専門の派遣会社もできるなどかなり間口が広くなってきています。よく営業ノウハウが活かせるかという質問を受けますが、前向きさと意欲や熱意が必要という点では一般的な営業職としてのスキルも活用できると思います。ただアプローチする相手が医師であること、業界特有の卸会社との関係づくりも大切なこと、実際に使用するのは患者であることはしっかり自覚しておくべきですね。それに疾病の研究や医薬品の開発は日進月歩で進んでいますから、つねに学んでいく姿勢が求められます。「人が好き」「自分が好き」「ありがとうが好き」というのが成功する三大要素だと思います。何より自社製品を通じて、病気で苦しんだりしている人たちへの貢献が自覚できる希有な仕事です。


業務内容は営業職に近いが、高い専門的な知識に加え、顧客との価格交渉は卸業者が行うのが特徴。自分だけの創意工夫を重ねていけば実力がつき、活躍の場を広げていける。異業種から転職した場合、最初は業界独特の習慣や人間関係にとまどうかもしれないが、社会貢献度が高い医療分野の最前線で働くことに、やりがいや生きがいを見いだす人も多い。医薬品業界が大競争時代を迎えている今、努力した結果がダイレクトに評価される有意義な職種の1つといえる。

 

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