あの仕事のリアルに迫る…人気職種シミュレーション イメージ

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ITコンサルタント ITコンサルタント
  ITの導入で顧客の経営効率を最大限に

 大手から中堅・中小企業まで多種多様な情報システムが導入されているが、より効率的な組織と業務のあり方を実現するための戦略的な提案や具体的なアドバイスを行うのが、ITコンサルタントの使命。
 顧客企業からのニーズや要望に応じてプロジェクトの規模はさまざま。ネットワーク化されたコンピュータとソフトウェアを活用して従来の組織と業務を見直し、省力化やコスト削減を通して競争力を高めるERP(Enterprise Resource Planning=企業資源計画)やCRM(Customer Relationship Management=顧客と長期的な信頼関係を築く手法)を実現するパッケージソフトの導入から運用までを担うケースが多い。
 顧客と信頼関係を築き、経営課題や事業展開のための課題解決につながる提案を行うため、コミュニケーション能力と技術面の知識やスキルも求められる専門的な職種といえるだろう。


仕事シミュレーション コンテンツ開発 通信関連会社ITコンサルタント・いそのさんの場合
 
POINT
 

※1
「ERPパッケージソフト」>>

 

※2
「案件定義」>>

 

※3
「投資に見合ったパフォーマンス」>>

 大学を卒業して、1999年に外資系ベンダーにエンジニアとして入社したのがこの業界に入ったきっかけです。仕事を始めたころはちょうど“ITバブル”が全盛で、自社製のERPパッケージソフト(※1)や、関連するソリューション開発も予算が潤沢で、次々にプロジェクトをこなしているような状況でした。そこで4年間、プログラミングからSE、営業支援までをみっちり経験したことが、その後のキャリアアップにつながりましたね。

 当時はまだコンサルタントを中心にSEやプログラマーが1つのチームになってプロジェクトを担当するというスタイルができていなくて、プロジェクトマネジャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)がいくつも顧客を抱えていて、現場のスタッフも複数の案件に携わってこなすような感じでした。

 就職して3年目にはサブリーダーとして顧客担当者と直接やりとりするようになって、コンサルタントとしての基本的なスキルを磨いてキャリアの幅が広がりました。顧客(クライアント)からのニーズや要望を「案件」と呼びますが、まず案件定義(※2)をしてシステム全体の設計から開発、構築、運用、保守に至るプロセスを顧客向けに提案して、社内に対しては関係部署のスタッフと協力して仕様書にまとめていく。この一連の流れを上流から下流まで、全責任を持って進めていくのが、今思えばコンサルタントとしての良い経験になったような気がします。

 03年に大規模な業界再編・統合が起こって、国内企業も外資系も合併や提携が相次ぎました。この時ヘッドハンティングされたのを機に、ITコンサルタントとして現在の通信関連会社に転職し、今年で4年目になりますね。

 プログラマーからSE、営業支援、PMというステップを踏んできたので、現場を知った上で顧客の課題発見、課題解決という観点から提案やアドバイスできるのが私の強みです。今、基幹系も含めて情報システムの新規導入や運用は一段落していて、投資に見合ったパフォーマンス(※3)を実現するための改善、改良が業務の中心になっています。プロジェクト全体を見通して、顧客と一緒になって組織や業務の効率的運用を手がけていける人材が求められていると思います。

天の声
辻 秀典さん
Profile
株式会社豆蔵
取締役会長
羽生田 栄一さん
技術士(情報工学部門)。オブジェクト指向やソフトウェア工学の実践適用に関するコンサルティングや講演に従事し、後進の育成に当たる。現在、アジャイルプロセス協議会会長、SEC設計技術部会委員、パターンワーキンググループ主査、情報処理学会ソフトウェア工学研究会主査、IPA ITアーキテクト・コミュニティ委員などを務める。豆蔵(http://www.mamezou.com/)は、ソフトウェアエンジニアリング技術をビジネスに応用するサービスを提供するコンサルティング会社。SOX法対応を含むビジネスモデリングなど幅広くサポートする。
 
 
「実力が求められる今こそ確かなスキル構築を」

 情報システムの新規導入や構築が一巡した今、最も求められているのは真に価値を生むような具体的な提案であり、目に見えるかたちで顧客に貢献するプロジェクトを提供することでしょう。当社では要求開発からシステム開発に至るプロセスを独自の手法「enThology」として体系化しています。この手法に基づいた顧客向けの導入・運用やエンジニア向けのセミナー、トレーニングの実施で高い評価をいただいています。
 今、顧客の情報システム担当者の意識やスキルも高くなっていますから、現場感覚を持ったコンサルタントでなければ信頼を得ることは難しいでしょう。ですから技術面でのバックグラウンドは必要ですが、ITの技術や知識に固執するのではなく、コミュニケーションを基本に、顧客にとっての経営課題の解決や業務効率の向上を目指して活躍できる人材こそが求められています。


一般的なSEよりもエンジニアに近い専門職だけに、大手企業を中心に慢性的な人材不足が指摘されている。ネットワークが社会基盤として普及するにつれて、業界全体でネットワーク事業へのシフトが進んでいるためだ。今後は一般のSEにもネットワークエンジニアとしての資質が一層求められるだろう。専門的な知識や技術の習得が一番のハードルだが、身につけただけの待遇や報酬も期待できる。顧客企業への転職、独立の可能性も高く、いま目指すべき意義のある職種といえる。

 

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