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本当にやりたい仕事に就けません

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「何がやりたいのですか?本当にやりたい仕事を追求しましょう」と紹介会社の方からよく言われます。

もちろん、やりたいことは自分にもあります。ですが実際に気がついてみると意図していない業務をしている自分に気づき、本当にやりたい仕事を追いたくても、結局思い通りの仕事が出来るわけでもなく、夢を見るだけ現実とのギャップを感じ、かえってよくないのでは?と思ったりします。

転勤族の人に向かって、「本当にあなたの住みたい場所(県)はどこですか?」と聞いたところで、好きで異動しているわけでない本人の答えにどこまで意味があるのかと思いますし、社内異動を繰り返したため様々な職種を経験した私には「何がやりたいか?」という発想そのものが生じにくくなっております。

それでもなお、自分のやりたい仕事を追及する必要があるのでしょうか?

(さざえさん 男性・27)
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「求めよ、されば与えられん」これは、聖書の中の有名な言葉です。「欲しいのであれば、欲しいと求めなさい。そうすれば神様が与えてくれますよ」というシンプルな意味に受け取れます。求めたら与えられる、簡単ですね。とってもシンプルな教えだから、信者も簡単そうって思って安心して入信してくれます。

でも、本当は求めたらすぐ与えられるわけじゃなくて、求めて求めて求め続けて、努力して行動して、そしてやっと与えられるものなんです。宗教っていうのは、たくさんの人に入信してもらわないといけないから、あえてこんなにシンプルに書かれているんです。聖書を読んで「なんだぁ、難しいなぁ。この宗教はやめとこう」なんて思われたら困りますからね。間の部分は料理番組のように編集されています。

ただ、最初に「求める」ところからスタートするのは間違いありません。欲しいものが明確でないと、欲しいものは永久に手に入りませんからね。それと一緒で、「自分のやりたい仕事を追及する」というのは、スタートラインであって、それに向かってなにかしらの努力をしないとやりたい仕事には就けません。

紹介会社としても、シンプルに説明したほうが分かりやすいので、「やりたい仕事を追及せよ、さらば転職先が与えられん」という説明になっているのかもしれませんが、やりたい仕事を追及した後に、やりたい仕事に「就けるように」追究する必要がありますから、それを忘れないで下さいね。

やりたい仕事に就くためには、それなりの準備が必要です。必要なスキルの向上や情報収集を計画的にやっておきましょう。そうすれば、やりたい仕事に就ける可能性は高まります。ただ、本当にやりたいことがなければできない仕事は「起業家」か「研究者」ぐらいです。これらの職種は、他人から仕事のテーマを与えられないので、自分で仕事を作らなければなりません。だからやりたいことのない人にはできない仕事なんです。

他のほとんどの職業は他人が仕事を与えてくれます。やりたい仕事が明確でなくても、他人から与えられたミッションをこなすという選択もそれでいいわけです。自分が作った仕事ではないですから、100%自分のやりたいこととは違うのはしかたありません。あとは程度問題で、80%ぐらは自分のやりたいことなのか、それとも30%しかないのかという差でしかありません。

世の中のしくみはそうなっています。ですから、焦って今すぐにやりたい仕事を完全に明確にする必要もありません。自分のやれる仕事をする中で、やりたい事を徐々に明確にし、やりたい事とやる事の一致度を100%に近づけていけば良いのです。やりたい仕事が10分で分かる!なんて免罪符はこの世には存在しませんからね。

ターレス今井氏

回答者プロフィール

ターレス今井
CarriageWay Consulting代表。

1973年生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科卒業後、某IT企業に入社。シリコンバレー絶頂期には、米国の技術を日本にいち早く導入するというミッションのもと、いくつかのプロダクトを日本に導入。また、方法論を伴った形での技術導入の必要性にも着目し、米国コンサルタントから学び、訳書も手がける。その後、独自プロダクトの開発にも力を入れ、マーケティング、プリセールス、プロジェクトマネジメントを一任される。
2002年にCarriageWayConsultingを設立し、ビジネススキルと仕事術に関する講演や執筆活動を中心に活躍中。2万部を越す読者を持つメールマガジンを日刊(1日2回)発行している。共著には「SEライフVOL.1〜SEが28歳までに身につける28の力(技術評論社)」メディア掲載には、「会社を辞めずに簡単に出来る週末起業」、「行列のできるメルマガ作成入門」、「THE21」、「早朝起業」、「仕事とパソコン」など。
・情報処理技術者:プロジェクトマネージャ、システム監査
・米国PMI認定 PMP

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