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「ポジティブに考えろ」と頭で理解しても実行できません

レベル3

「ポジティブに考えろ」「前向きに行動しろ」とはよく聞く言葉で、自分もそうだと思います。ただ、頭では理解していても、実行することが難しく、苦労しています。周りにいるポジティブな人を参考に頑張ろうと思うこともありますが、どうも上手くいきません。どうすればよいでしょうか。

(さかなこ 男性・31)
深刻度
レベル1

「ポジティブシンキング」は口で言うのは簡単ですが、実行するのは難しいという人は結構多いものです。そもそも、自分が腑に落ちていないのに、無理に前向きに考えることは不可能です。理屈で「前向きに考える」のではなく、感情的に納得させる必要があります。 そのために、今回は有名なテクニックを2つご紹介します。

1つ目は、最悪のケースを考えるというもの。

「この仕事に失敗したらどうしよう」
「あの人に嫌われたらどうしよう」
「会社をクビになったらどうしよう」
不安のタネは会社の中にたくさんあります。 でも、その不安をわざわざ心の中で大きくし続けることはやめましょう。不安なことが実際に起こった場合、「これからどうなるんだろう?」と考え続けることは、エネルギーの浪費です。

不安の正体は「どうなるんだろう?」という不明確さ、不確定要素です。漠然としているから不安なのであって、どうなるかがしっかり分かっていればそれ以上悩む必要もなくなります。

落ち着いて考えてみれば、「仕事に失敗」→「部長に謝れば済む」のかもしれません。部長には怒られるかもしれないけれども、給料がそれほど減るわけではないし、次の仕事も割り当てられるのが会社では普通。 そうと分かれば、これ以上心配する必要はありませんね。

失敗の影響を大きく考えすぎて不安な場合、突き詰めて実際の影響を考えてみると、それほどの問題ではないことがよくあるのです。 同様に、「あの人に嫌われたらどうしよう」は「気まずいのは昼休みだけ」だったり、「会社をクビになったらどうしよう」は「貯金と失業保険で数カ月は暮らせるし、最悪は実家に戻ることもできる」という考え方もできるのです。

最悪なことが起こっても「自分なりに対処できる」と納得できれば、それ以上悪いことは起こらないのですから、もう不安になることはありません。

もう1つは、トリプルカラム法というもの。 これはネガティブな考えが浮かんだ時に、その考えを拭い去るために使います。

やり方は簡単です。

  1. 落ち込んだり、ネガティブな考えが浮かんだ時に、その感情をまず書き出します
  2. その右横に自分のネガティブな考えのパターンを書きます(心理学では「認知の歪み」と呼ばれています)
  3. さらにその右横に客観的な考えのパターン(合理的な反応と呼ばれます)を書き込んでネガティブな考えを抑えます

「認知の歪み」は、オール・オア・ナッシング思考、一般化のしすぎ、心のフィルター、マイナス化思考、結論の飛躍、誇大視と過小評価、感情的決めつけ、すべき思考、レッテル貼り、個人化という10個にわかれます。例えば「一般化のし過ぎ」とは、1つの悪い事柄に対して「いつもこうだ」とか「すべて失敗する」という風に考えることです。

例えば、会議の際に自分の企画をうまく説明できなかったとします。その時に「あぁ、私はいつも説明を失敗する」とネガティブに考えてしまう場合、まず「いつも説明に失敗する」と書き込みます。

その右横に「認知の歪み」の中から当てはまりそうな「一般化のしすぎ」と書きます。その右横に、「うまく説明できたこともある。もう少し事前準備を念入りにしよう!」という感じで、客観的な評価を書きます。

こうすることで、自分のネガティブな考えのパターンを客観的に見ることができますので、その都度良い考え方に矯正することができます。やってみると、ほんの少しでも気分が軽くなるこ とが実感できると思います。

詳しくは、『いやな気分よ、さようなら』(デビッド・D・バーンズ著:星和書店)という本を読んでみてください。「認知の歪み」についても詳しい解説がありますよ。

ターレス今井氏

回答者プロフィール

ターレス今井
CarriageWay Consulting代表。

1973年生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科卒業後、某IT企業に入社。シリコンバレー絶頂期には、米国の技術を日本にいち早く導入するというミッションのもと、いくつかのプロダクトを日本に導入。また、方法論を伴った形での技術導入の必要性にも着目し、米国コンサルタントから学び、訳書も手がける。その後、独自プロダクトの開発にも力を入れ、マーケティング、プリセールス、プロジェクトマネジメントを一任される。
2002年にCarriageWayConsultingを設立し、ビジネススキルと仕事術に関する講演や執筆活動を中心に活躍中。2万部を越す読者を持つメールマガジンを日刊(1日2回)発行している。共著には「SEライフVOL.1〜SEが28歳までに身につける28の力(技術評論社)」メディア掲載には、「会社を辞めずに簡単に出来る週末起業」、「行列のできるメルマガ作成入門」、「THE21」、「早朝起業」、「仕事とパソコン」など。
・情報処理技術者:プロジェクトマネージャ、システム監査
・米国PMI認定 PMP

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