技術を究めたプロからのメッセージ テクノマエストロへの道 第7回 社員全員がクリエイターだからこそ、生み出される社内環境。

ディッジ株式会社 取締役 小野 泰章 氏

第7回 社員全員がクリエイターだからこそ、生み出される社内環境。

ディッジ株式会社
取締役

小野 泰章

2006年入社。前職の会社で3DCGアニメーションの面白さに目覚め、自分が関わってみたい案件を取り揃えていたディッジに転職を果たす。以降はデザイナーとして実績を積み重ねながら、制作部のまとめ役も担う。そして2012年3月、若干28歳で取締役に就任。

稟議はいらない。雑談ベースから制度が生まれます。

ディッジの特徴は、社長を含めた全てのメンバーがクリエイターであること。私も今は取締役という立場ですが、入社して4年間はいちデザイナーでした。今でも経営業務と並行して、現場でデザインをしています。ですから、現場の空気はリアルに伝わってくるし、みんなが思っていることもダイレクトに肌で感じられる。そういった中で、「ここを変えたいな」と思ったところは、制度として採り入れるようにしています。

たとえば、これまで個人で調べた情報は「リサーチして終わり」でしたが、個人だけに留めてしまうのはもったいない。そこでEvernoteを使い、社内で情報の共有化を図るようにしました。これによって、誰かが同じ疑問を抱いたときにリサーチする暇が省けますし、情報を編集できるようにすることで、さらに精度が高まっていく。

自分がアップした情報であっても、外部視点が加わることで、「こういった捉え方もあるのか」という新しい発見が生まれることは少なくありません。ソフトのテクニックをはじめとしたあらゆるノウハウが網羅されていますので、アイデアに行き詰まったときの参考にもなるでしょう。今はまだ実験段階で、どういった仕組みであればみんなが使いやすいのかを、模索している最中です。

正直な話、昔は自分のテクニックを別のクリエイターに教えるのが嫌だった。「自分が発見した自分だけのものだ」って隠し持っていたんです。でもそういった秘技は、クリエイターであれば誰もが保持しているもの。であれば、クリエイターが集まっている会社で個々のテクニックを開示し合えば、ものすごい相乗効果が生まれるのではないかと思っているんです。

これはほんの一例で、他にも新しい制度が生まれていく可能性は大いにあります。メンバーが休憩中にボソッと放った一言がきっかけになるかもしれません。

いちいち稟議を通すなんて手間がかかることはしたくない。せっかく経営陣が現場にいる会社なのですから。むしろ雑談の方が本音は出るもの。そういった声に耳を澄まして、しっかりと汲み取っていくのも私の役割だと思っています。


それぞれのバックボーンが、さまざまなジャンルの案件を呼び込む。

メカ系、萌え系、ワイルド系。社内を見わたしてみれば、それぞれのモニターにはあらゆるテイストのデザイン画が映し出されています。こういった光景を見ると、ディッジが手がけている案件のジャンルって幅広いんだなと、改めて思いますね。子ども向け、女性向け、男性向け、老若男女問わずといったように、対象としているターゲットもさまざま。この背景には、「特定のジャンルしかつくれない」というスタンスではなく、どんな案件であっても積極的に携わってきたことに由来しているのでしょう。

ここにはディッジの歩みも絡んでいます。設立当初から在籍しているメンバーは、各々が持つバックボーンが違いました。たとえばあるデザイナーはメカ系が得意で、また別のデザイナーはファンタジー系で腕を発揮できる。そうすると、自ずと多ジャンルの案件が舞い込んでくるわけです。案件の規模が大きくなったときは、そのジャンルを得意とするメンバーを中心に、みんなで工夫しながら対応していきました。今の社内風景のもとを辿れば、昔からの地道な積み重ねがあるんです。

また、タイトルを丸ごと担当するのではなく、一部分のグラフィックを手がけてきたのも、理由の1つとして挙げられます。ゲームだと1つのタイトルに関わった場合、リリースまでに1年以上かかるケースも少なくありません。しかし一部分であれば、短いスパンで多彩なジャンルの案件を請け負える。ディッジはとにかく数を手がけることで、経験値を稼いできたんです。

この環境は、クリエイターにとっても大きなメリットだと思います。たとえば「ずっとメカ系をやってきたけど、次は萌え系にチャレンジしたい」といったボトムアップは大歓迎。会社側としても、個々が希望する案件にできる限りアサインするよう配慮しています。自分がやりたい仕事の方がモチベーションは上がるし、スキルの伸びも早い。だから、どのメンバーも楽しみながら制作に取り組んでいますよ。

今は1つのジャンルにしか携われなくても全くかまいません。そこを取っ掛かりにしながら、まだ見ぬ領域へとスキルを広げていける。これもディッジの強みだと言えるでしょう。いろいろな世界観を垣間見ることは、クリエイターとしての引き出しが増えることにもつながっていくはず。なるべく多くの選択肢を提示できるよう、これからもさまざまなジャンルの案件を受注していきたいと思っています。

あとは、グラフィックデザイン出身のメンバーが多いので、デザインにこだわっているのも特徴ですね。もちろん、プログラマをはじめとした他の職種のメンバーとの兼ね合いもありますが、ディッジではいかにして美しく絵をアウトプットするかが最優先。少しでもクオリティが高いものを世に送り出したいクリエイターにとっては、ストレスなく働けると思います。

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