転職失敗談2
営業マンとノルマ
ノルマ至上主義に反発を覚えるNさんと同期の新人たち。たまに集まっては愚痴を言い合っていたが、あることをきっかけに続々と退職者が出はじめる。(→前編はこちら
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同期接触禁止例
訪問先に困惑されてもノルマクリアを優先させる企業体質に、強い反発を抱いたNさん。彼の同期たちも、ごく一部(粘り強く数字を取れる社員)を除いては、彼同様にノルマに苦しんでいました。
 同期との昼食や飲み会ともなると、噴出するのは会社への愚痴。こんなノルマクリアできる方がおかしい、絶対無理無理と意見を合わせていれば、自然と“赤信号みんなで渡れば……”の心境となり、仕事への情熱も一層失われていきます。
 会社の上司たちもそのことに気づいたのか、
 「同期でばかり交流を図るのは誉められた事ではない」
 と同期同士の接触を禁止したのです。しかしNさんたちにしてみれば、企業への 不信感をさらに増す結果にしかなりませんでした。
 こうして、Nさんの同期は一人抜け、二人抜けし、気がつけば半年後には半分も残っていないような状態に。しかも、同様にノルマに苦しむ社員が減ったことにより、Nさんらノルマ未達成者の存在がより一層目立つ結果になってしまったのです。
 「いつまで新人気分でいるつもりだ!ふざけるな!」
 上司の小言もピンポイントになった分、より一層ヒートアップ。Nさん心身共に疲れ果てた、ノルマ至上主義の会社と決別すべく、転職することを決めたのでした。

 とにかく営業ノルマに疲れていたNさんが見つけたのは、ある不動産関係企業の募集広告でした。
 「広告主体の営業ですので、厳しいノルマはありません」
 そんなにウマい話があるのかと、首を傾げつつも、どうしても気になったNさん、問い合わせるだけ問い合わせてみることに。
 「今月絶対にこれだけクリアしろ、というノルマはありません。この業界はノルマがあって当然というイメージがありますが、そういった常識も変えていきたいと思っています。お客さんにただ売ればいいという営業ではなく、納得して頂くことに意味があるんです」
 面接を担当した社員の熱意に、大いに“納得”したNさんはこの企業に転職することを決めます。
断言しろ!
そして入社後。ノルマは本当にありませんでした。
 しかし、代わりに「自己設定目標」なるものがありました。毎月頭に、個人個人が上司に自己申告する営業目標レポートという形をとって、目標数字を書き込むのです。
 会社をあげて設定しているノルマとは違い、しかもNさんが所属する部署だけで、上司の判断で自主的に実施しているレポートだと聞いて安心したのもつかの間。Nさんの最初のレポートを手した上司が彼を呼びつけました。
 「なんだ、このレポートの書き方は」
 「どこか間違っていたでしょうか?」
 「間違ってたじゃないよ、『新規契約を3件程まとめたいと思います』って何だ!『思います』なんて消極的なことじゃダメだ。『まとめる』と断言するぐらいの意気込みがないと!」
 早急に書き直しを命じられ、語尾を断定口調に変更させられたNさんの脳裏に嫌な予感がよぎります。

 そして月末。自己設定目標に達しなかった社員は「自分で確約したことをはたせなかった」と、こってり絞られたのです。無論、転職したてのNさんも同様でした。
 「ノルマがないって聞いて入ったのに……」
 とつい愚痴ってしまうNさんに、
 「会社としてはそうなんだけど……自分の部署の成績を上げたいがために、ちょっと暴走気味なんだよ。この部署に配属になったのが運の尽きだな」
 営業でいる以上はノルマと無縁ではありえないと、身をもって知ったNさんでした
サクセスポイント
今回はココが問題!
ノルマがつらい
営業である以上ノルマはついて回るもの、そしてプレッシャーを与える上司も同じくです。ノルマが厳しいという理由で、なおかつ営業として転職するならば、業種をよく選ぶべきでした。営業に頼らずに業績を上げる業種は、当然ノルマもゆるやかですし、営業力が中心の企業ではノルマも当然きつくなります。
これでサクセス!
疲れたので転職?
営業系の仕事であれば、ノルマがプレッシャーになることもめずらしくありません。しかしあまりに疲れてしまった時に、転職を決定するのは要注意。プラス思考に結びつかなかったり、覇気に欠けたりと、その後の転職活動に影響が出ます。転職には自信が必要な時もあります。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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