転職失敗談2
転職の自信
転職によってキャリアアップをはたしてきたHさん。初っ端の内定で自信をつけたものの、その後の転職活動はまさかの連敗。焦りと自信喪失の中、Hさんが最後に見つけた応募先とは……。(→前編はこちら
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自分試しの旅
転職に自信があったHさんですが、連敗続きで自信喪失気味。もっとも、現在の職場に退職の意志を伝えているわけではないので、焦る必要もありません。ゆっくり時間をかけ、仕切り直すという選択もあったのですが、Hさん自身が“昔の栄光”を忘れられず、焦りとプライドから、チャレンジを繰りかえしてしまいます。その気持ちの中には、
 「こんなはずはない!」
 という、内定が出ないことへの屈辱感が潜んでいました。こうなると、もはや転職活動というより自分試しといった方がいいかもしれません。
 しかし、妥協して応募した企業からも厳しい返事がかえってきたり、気の進まない企業に限って先方が乗り気で口説いて来たりと、チグハグな結果が続き、Hさんのプライドはより一層傷ついてしまったのです。
 親しい友人に、つい愚痴ってみても、気が楽になるどころか
 「昔はあんなにいろんな会社から引きがあった“転職キング”じゃないか。珍しいこともあるもんだなぁ」
 と驚かれ、それがかえって辛く感じられる始末です。
 すっかり自信を失い、意気消沈したHさん。自分のキャリアはいったい何だったのか、この会社が自分の最後の砦なのか……と、思い悩み転職願望も萎みがちに。
 「こんなことなら、最初のあの会社。あそこに決めておけばよかった……」
 この先もっと良い会社に受かると思い、蹴ってしまった内定が思い出されます。
再会
思い詰めて転職情報誌を眺めていると、いつかの、その企業の募集広告がまだ掲載されているではありませんか。どうやら、あれからも採用を続けていた様子です。
 「まだ決まっていないのなら、どうせ断られついでだ。ダメもとでもう一度応募してみよう」
 早速電話をかけ、以前面接を担当してくれた社員を指名します。内定辞退の謝罪をし、その後事情が変わったので、今さらだがもう一度チャンスをもらえないかと、様子をみながら申し出ました。
 さすがに担当者の声は、いい反応とは言えません。しかし奇跡的に
 「一度、お話だけはうかがいましょう」
 という返事をもらうことが出来ました。意外な答えに喜ぶ反面、今まで多くの不合格通知に泣かされたHさんです。
 「大学生の内定辞退じゃないけど、コーヒーでもひっかけられるんじゃ……」
 と、少々疑り深くなっています。

 後日、先方の指示した時間に、再度会社を訪れたHさんは、前回同様、面接用ブースに通され、前回同様担当者と向き合い、乞われるまま、再応募にいたった経緯を説明しました。もっとも本当の経緯を口にするのははばかられる上、再応募の引け目もあって、控えめに
 「仕事が予想以上に忙しく、とてもやめられる状況ではなかった」
 と説明しました。
 人事の担当者は、Hさんが話し終わるまで待つと、ようやく口を開きました。
 「そうはおっしゃいますが……他の理由があったんじゃないですか?ずいぶんお疲れのように見えますよ。少なくとも、うちに来ていただきたいと思ったころの、パワーというか自信というか、ヤル気のようなものがなくなっているような……」
 担当者には再会するまでの間、Hさんに何があったのか、すぐに分かったようです。
 「うちでは原則的に内定を辞退した方を雇用することはありません。でも、Hさんならばと思って、もう一度お会いしたのですが……当社に合う方では無かったようです。残念です」
 覆水盆にかえらずーそんな言葉が痛いほど胸にしみる、Hさんでした。
サクセスポイント
今回はココが問題!
ムキにならない
不合格が続くと、落ち込んだり、自信をなくしたり、様々なショックに襲われます。そんなときこそ、焦ったりムキになったりせず、転職情報の再収集、応募先の選び方など、基本に力をいれること。連敗は、スタート地点から方向がずれている可能性が大きいからです。
これでサクセス!
敗者復活はあるか?
一度内定辞退した企業に再応募。やはり断る企業の方が多いのですが、方法がまったく無いわけではありません。例えば、人材紹介企業に間に入ってもらう。結果はともかく、再応募の意志だけは伝えることはできそうです。しかし内定辞退という行為そのものが、大きくマイナスポイントであることは忘れないで。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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