転職失敗談2
モテる女の悩み
人間的魅力にあふれ、学生時代から異性同性を問わずファンが多かったH子さん。その魅力を生かし、保険のトップ営業員として活躍していたが、結婚とともに退職。夫の転勤先で転職活動を開始したが……。(→後編はこちら
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ファンができる営業
どんなところにもモテる人というのはいるものですが、今回の主人公・H子さんもそんなタイプの女性です。
 容姿端麗で、なおかつ気さくで人なつっこい人柄で、学生時代から異性だけでなく同性からも人気が高かったH子さん。人に好かれるというのも才能の一つです。
 大学4回生になり、同級生の女の子たちが内定獲得に奔走しているとき、その人に好かれる才を買われてか、大手生命保険会社に採用が決定。
 以後2年間、法人向け営業としてクライアント企業を回る活動を続けます。訪問先でもH子さんのファンは多く、成績もなかなかのものだったとか。
 しかし、勤務2年目に交際中の彼氏の転勤が決まります。それから1年ほど遠距離恋愛でがんばったところで彼氏からプロポーズ。丁度仕事がキツく感じていたことも手伝って、H子さんは結婚退職を決意します。
 しかし大変だったのは、退職を表明してからだったのです。
寿退社、そして転職へ
退職を表明したとたん、H子さんをランチに、ディナーに、お酒に誘う男性が続出したのです。
 特に多かったのはクライアント企業の社員から。取引先企業の営業という配慮があって“誘い控え”をしていた男性陣が、退職と引き継ぎの挨拶をしたとたん、
 「辞める前に一度くらいつきあってよ」
 と、次々とプローチを開始したのです。
 H子さんが、結婚を盾にお断りしてもなお、
 「最後の記念に」
 とチャレンジする者もいたとか。
 そうした男性陣の涙に送り出されて、H子さんは寿退社をはたし、夫の勤務地に居を移しての転職活動スタートとなったのです。

 H子さんの仕事探しは、夫だけの収入では不安があり、さりとて家事にしわ寄せがくるような激務は勘弁、というきわめて一般的な主婦のスタンスで開始されました。当然ながら一般的な選択肢は倍率も高いもの。
 しかしH子さんの場合、家事に無理が出ないためにと、自宅近くで重点的に仕事を探しました。
 転職情報誌から、タウン情報誌、喫茶店などの求人フリーペーパーなど、できるだけ地元密着の媒体から求人情報を集めました。
 その中で目にとまったのは、ひとつ隣の駅近くにある個人医院の事務募集の記事。
 電話で問い合わせてみると、「近くなら履歴書持参で来てほしい」とのこと。
 さっそく現役営業時代のスーツをひっぱり出し、隣の駅に急ぎました。

(→後編に続く)

pen2 人間的魅力が幸いして、未経験職種でも内定を獲得するH子さん。親切な先輩や同僚にも恵まれ、転職活動は実り多いものとなったが、その魅力故、H子さんと周囲の悩みはつきず……。次回、後編へ続く。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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