転職失敗談2
モテる女の悩み
地元医院に事務パートの面接に出かけたH子さん。持ち前の魅力で好意を勝ち得、即日内定はおろか、そのまま研修に突入するほど、ドクターたちからも気に入られた。再就職はとんとん拍子と思いきや、思わぬ所から「待った」の声が……。(→前編はこちら
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超スピード内定
ひと駅となりのその医院では、受付などの事務のパートを募集中。情報誌から求人情報を得たH子さんは、履歴書を持参して面接に向かいました。
 個人医院ということで、小さい規模で多少お年を召した先生がいて……などを多い浮かべていったH子さんですが、予想以上に設備も建物も新しく、また、父親の跡を継いだという院長はまだ30代。他の先生方もH子さんと同年代か少し上くらいの若手ぞろいです。意外にも打ち解けやすい若い職場に、H子さんの緊張もほぐれてゆきます。
 うれしい誤算だったのは、面接にあたった若い先生たちにしても同じことでした。パート募集という呼びかけのせいか、応募者は先生方より年上の主婦が多く、面接もオバちゃんパワーに圧倒されることもしばしばだったとか。
 そこにうら若いH子さんがやってきたのです。しかも彼女は、現役時代は人気No.1の保険営業レディ。。たちまち両者は意気投合し、
 「うちとしては、すぐにでも来ていただきたい。お時間がゆるすなら、今から簡単な研修を受けてもらって、次回からすぐ働いてもらいたい」
 と面接の終了を待たずに採用が決定。その日のうちに研修開始という、超スピード内定を獲得したのでした。
母の苦悩
予想以上のトントン拍子のなりゆきに、H子さんの気分は上々。ご機嫌で家に帰ると、偶然実家の母親から電話がかかってきました。あまりのうれしさに、H子さんは今日の面接のてん末を母親に語って聞かせます。
 「病院ていうから、どんな難しいとこかと思ったけど、先生はみんな若いし、いい人ばっかり……それにすごく気に入られて、その場で採用が決まったの!もう研修も済ませてきちゃって……」
 嬉々として喜びを伝える娘の声に、H子さんの母親はふと嫌な予感が胸を過りました。

 H子さんは学生時代から同性・異性を問わず、人を惹き付ける魅力がありました。友人も多かったのですが、当然異性からの人気も相当なもの。なかには交際を断られても、どうしてもあきらめられず、ストーカー一歩手前にまで豹変した男性もいたくらいです。
 過去、そういった「男友達」を電話や玄関先でブロックしてきた母親は、娘が結婚した今も、異性方面には過敏にならずにいられません。
 新しい仕事が決まったのは喜ばしいことだけれど、職場は若くて「いいひと」のお医者さんたちが多く、しかも娘を気に入ってくれているようで……。
 娘の結婚生活が、がぜん心配になってきた母親は、意を決してこうまくしたてました。
 「あんた、医療事務なんて簡単にいうけど、どんなに難しいかわかってるの?勉強もしないといけないし、お金のかかる講習いく人だっている。パソコンもいるかもしれないし……。だいたい病院で働くってことはいろんな病気に接することなのよ。そのへんの覚悟も……」
 ことさら仕事の難しい面を強調し、なおかつあること無いこと織りまぜて、娘の不安をあおるようにまくしたてたのでした。
 電話を切るころには、H子さんの沸き立つ心はすっかり冷え、結局
 「やっぱ、やめとこうかなぁ……」
 と、声をこわばらせて、病院にお断りの電話をいれると言い出すまでになっていました。

 これ以降も、モテる新妻娘を案ずる母は、娘の新しい職場えらびに戦々兢々とし、たま〜に探りの電話を入れてくるそうです。
サクセスポイント
今回はココが問題!
仕事の理解度
母親がH子さんにアピールした仕事のマイナス面も、その仕事についての理解度が深ければ、驚いたり不安になったり、内定を辞退するということはなかったはず。どんな仕事も軽い気持ちで応募せず、職種のメリット・デメリットを事前に学ぶこと。でないと入ったあとでショックを受けることになりまう。
これでサクセス!
ケースにあった媒体選び
転職情報を集める際、気をつけたいのは媒体選び。都会にいればある程度情報は溢れていますが、地方都市の場合は、何事も都会と同様というわけにはいきません。特に地方で仕事を探す場合は、全国的に有名な雑誌・メディアより、地元新聞や地元発行の情報誌の方が有力な情報を持っている場合もあるので、こちらも忘れずチェックを。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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