転職失敗談2
小さな会社の小さな募集
離職率の低い企業で、久々に出た中途採用の責任者になってしまったOさん。ノウハウが無いまま、とりあえず必要事項を明記して求人広告を出したが、その結果は……。(→後編はこちら
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採用ノウハウのない会社
親族経営の小さな企業S社で人事担当になったOさんは、頭を抱えていました。
 S社は堅実経営を旨とし、経営が順調な時から必要な人材を必要なだけ雇用するというスタンスを貫き、決して余剰人員を抱えてきませんでした。これには経営陣が社長の親族で固められており、自然とその縁故で採用された人員も多いため、皆めったなことで会社を辞めないということも影響していたようです。
 なんにせよS社は社員の離職率が低いというのが自慢のタネでもありました。
 しかし、人が辞めないということは、採用する事にも慣れていないということ。中途採用に関するノウハウが無いに等しいのです。
 Oさんを悩ませているのは、この不馴れな採用活動の責任者になったからなのです。S社では翌々月事務を担当していた女子社員が結婚の為退職することが決まっており、その代わりになる人材を採用することになりました。
 最初にOさんがしたのは、若い女性が目を通しそうな転職情報誌に広告を打つことでした。

 「職種:事務 正社員募集
 長くつとめて下さる方、経験者は特に優遇します」

 予算も少ないので、きわめて小さな広告でした。
応募者0?!
広告のゲラもあがり、反響を期待して発売日を待つOさん。しかし雑誌が発売になって1日がたち2日がたちしても、誰からも応募がありません。そうこうしているうちに、週が代わり、転職雑誌は次の発売日を迎えてしまいました。
 社長からは
 「わざわざ広告までだしたのに、一人も応募は無いのか?!」
 と呆れ半分怒り半分で追求されてしまうOさん。
 その怒りを、Oさんは広告を制作した代理店の担当営業マンに、そのままぶつけます。担当営業はクレーム電話にすっとんで参上し、あやまりかたがたこう提案します。
 「求人広告も人の注目を集めることがまず第一です。それに広告にもテクニックがあります。今回応募がなかったのには何か理由が必ずあるはずです。それを克服して、応募者メリットをアピールできるようなものを作れば応募は増えるはずです。難しいかと思いますが、もう一度チャンスを作っては頂けないでしょうか」
 Oさんにしてもこのまま引き下がるというわけにもいきません。人員を確保する期日は迫って来ています。
 そこで渋る社長を口説き落とし、もう一度だけ広告を打つことにしました。今度はフリースペースもある、かなり大きめな広告です。この予算を確保するのもOさんの立場では本当に大変なことでした。
 それだけに、必要事項だけを伝えて作ったような前回の広告とはうってかわって、制作サイドにも力を入れてもらいます。今回は営業マンの他に、広告のテキストを手掛けているというコピーライターも会社を訪れ、Oさんと三人で綿密な打ち合わせを行ったのです。

(→後編に続く)

pen2 三者会議で明らかになった、前回の募集広告の失敗点!それをふまえた上で、再度掲載された新しい求人広告とは?そしてその結果は……。次回、後編へ続く。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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