転職失敗談2
人見知り青年の転職
メールで存分に自己アピールできるプログラマーのKさん。実は人見知りが激しい寡黙な人物だった。実像とメールが与える印象とのギャップに悩みながらも転職活動を続けていたが……。(→後編はこちら
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人見知り転職
俗にいうIT業界の技術者には、寡黙な職人タイプが集まりやすいようですが、その反面技術一本、出向や異動、転職が多い業界でもあります。

 九州出身のKさんは、一般にイメージされる“九州男子”を正反対でいくような、気の弱い、いたって優しい男性。見た目の童顔が手伝って、学生にまちがえられることもあるのですが、これでもれっきとした27歳。
いつも童顔をからかわれてきたせいか、この年でもかなり人見知りが激しい人物です。
 そんな彼の仕事はプログラマー。コツコツと自分の技術を磨いていくという点では、彼は自分にあった仕事を選んでいたようです。
 
 さてそんなKさんがこのたび転職を決意。理由は今の仕事に対する、スキル的な物足りなさと、給与面での安定でした。
 Kさんの転職活動は職業柄インターネットとメールが中心。企業サイトを片っ端からチェックし、採用情報があるところはブックマーク。その後検討の上、10社ほどに応募メールを送りました。
 ちなみに転職雑誌は使いませんでした。仮にもこの業界で仕事をしているのなら、自社サイトで募集広告も出していないような企業は願い下げ、という理由から、彼の転職活動はネット1本に絞り込んでいたのです。
ネットとのギャップ
そのうちの一社、小さなソフトウエアハウスですが、大手企業との共同ビジネスで軌道に乗っているF社で、かなりの好感触で面接がすすんでいきました。
 ところが、他の企業の面接ではKさん、生来の人見知りが災いし、なかなか自分をうまくアピールできずにいたのです。
 転職の理由を聞かれても、
 「仕事内容もそうですけど……あと収入とかも…」
 と言葉短かに口にしただけで沈黙してしまうような有り様。
 しかも応募のメールではよどみなく自己PRを展開し、受け答えもスピーディー。つまりネットでは饒舌だっただけに、実際に会った時との印象の差がありすぎ、ギャップを産んでしまっていたのでした。
 たいていの企業はこうしたKさんの対応にあまり好意的な反応は見せません。ところがF社だけは面接を担当した社長がKさんの気質に理解を示し、
 「あなたは寡黙だけれど、芯は強そうだ。こういうタイプはやる気になった時は強い
 と採用を決めてくれたのです。

(→後編に続く)

pen2 Kさんの芯の強さに惚れ込み採用したF社社長。しかし、Kさんは予想外の行動に出て社長を激怒させてしまう……。次回、後編へ続く。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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