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| のびる離職期間 |
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ある理由で先に会社を辞めてから、転職活動をはじめることとなったTさん。 できるだけスムーズに次の職場を見つけたいと願ってはいるものの、なかなかうまく採用に結びつかず、フリーの状態で2か月が過ぎようとしていました。 予想以上に長期戦になりそうな転職活動に、Tさんも焦りはじめます。 退職前の貯えには手をつけたくないし、失業給付を受けようにも、自己都合で退職したTさんはすぐに給付されません。かといって焦って妥協した転職はしたくない。 困ったTさんは、転職までのつなぎに働くことを決意しました。 といっても、レベルをさげてすぐに就ける仕事を探すのでもなく、またアルバイトなどでもありません。Tさんが希望したのは派遣スタッフへの登録でした。 時給換算で働く派遣の場合、定刻で仕事を終えてその後は転職活動にあてやすく、またアルバイトと違い、「職歴」として履歴書に記載できる仕事もあります。 とにかく、離職期間を長くして金銭的にも条件的にも転職を不利にできないTさんにとって、最善の選択だったのかもしれません。 |
| つかの間の職場 |
幸い派遣ではすぐに仕事に恵まれました。まず紹介されたのは三か月ほどの短期の仕事。希望どおり定時に帰れる仕事でしたので、就業後の時間のほとんどを、転職活動にあてました。最初のひと月は、ほぼ毎日人材紹介会社への登録と、ネットからのエントリーにあけくれました。 翌月に入るころには早速面接の予定が入りはじめます。 「このままうまくいけば、時期的にも派遣の契約期間と合う」 と契約期間終了と同時に転職、と予想図を描いたTさんですが、残念なことにこの時にセッティングした面接はいずれも不調に終わります。 新たなスタート直後、また派遣と転職の二重活動の疲れから、Tさんの落ち込みは激しく、新たに応募する気概がもてないまま三か月の契約期間終了してしまいます。そして派遣会社のすすめるまま、長期の仕事を入れてしまったのです。 Tさんにしてみればメンタル面での立て直しと、ゆっくり腰を落ちつけて転職先を探したいという意味があったようです。 一方、派遣の方はといいますと、長期契約ということで社員さんたちも、同じ職場の仲間としてTさんに隔てなく接してくれます。あまりの居心地の良さに、再就職を果たしたかのような錯覚に落ちいるTさん。 「この居心地の良さに慣れちゃダメだ、そろそろ動かないと」 ひと月後、落ちつきかける気持ちを奮い立たせて、再度応募を開始します。 |
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| ・…→ Text & Illustration 山本ちず |