転職失敗談2
つなぎ派遣
転職までのつなぎのつもりで始めた派遣の仕事。転職活動も長期戦が予想され、Tさんは長期のものを選択し、当面の生活基盤を安定させた上で、落ちついて転職活動を再開させたのだが。……。(→前編はこちら
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内定と契約
気持ち的にも余裕が生まれたTさん。本当に行きたいと思う企業だけにターゲットを絞れるようになったようです。それまでは離職期間が長引くことを恐れ、慌て気味で無理に条件を合わせるような応募をし、不合格の結果をもらうこともあったのです。
 この仕切り直しがうまくいったのか、うち一社の面接で面接官の反応に手応えを感じます。
「現在は派遣でお勤めとのことですが、こちらの契約などは大丈夫でしょういか。うちとしてはできるだけ早くつ来ていただける方を希望しますし、そのあたりがスムーズでないと……」
「現在は長期のお仕事ではありますが、契約の単位は3か月更新ですので、次の契約更新のタイミングで、別のスタッフに引きつげるよう交渉するつもりです」
 実際転職が決まれば、そうしようと常々思っていたことでした。
 しかし、事態はそう予定どおり運びません。派遣元の担当営業に、次の契約は更新しない旨相談にいったところ……
「長期だって言ったじゃないですか、困りますよ!」
 と大層ご立腹。
「都合が変わりまして……今すぐでなくて、この契約終了まではきちんと続けますし……」
「先方は同じスタッフに継続して勤めて欲しいって言ってるんです。それに先方からのTさんの評価も高いんですよ。これからもずっとお願いしたいとまで言ってくださってるんです」
「でも……」
「じゃあ、時給があがれば契約更新してもらえますか?!次の更新でアップできるよう先方に掛け合ってみます。そのかわり更新、お願いしますよ」
 転職活動中とはいえ、まだ内定の確約が出る前。しかも長期の約束をしてしまった手前、強く断ることもできず、また時給アップの欲もあり……いろいろな要素がからみあい、Tさんの契約終了は時給交渉次第になってしまいました。
まさかの時給アップ
実際問題、派遣をはじめたばかりのTさんの時給がそう簡単にアップするとも思えず、良い口実ができそうかも……などと考えていたところ、この営業マン、かなりがんばってくれたようで、
「やりましたよ、Tさん。次の更新から時給200円アップですよ!がんばって下さいね!」
 と予想以上の“朗報”が舞い込んできたのです。
 さあ、今度はTさんが慌てる番です。
 まず、とりあえず返事待ちになっていた応募先に結果の問い合わせをしたところ、こちらはこちらで、
「私としてはTさんにお願いしたいところですが、上の方が派遣の契約面などを心配しておりまして……その無理に契約を破棄したりというのであれば当社としても……」
 歯切れの良くない返事がかえって来ました。言外に、仕事をほおり出して来るような人間では困る、とも臭わせているようです。
 派遣元からも「必ず契約更新を」と強く勧められ、結局Tさんはしばらく派遣を続けることに。
 自ら選んだ派遣の仕事とはいえ、本末転倒な結果にやりきれない思いのTさんでした。
サクセスポイント
今回はココが問題!
派遣でつなぐ
離職期間が長期になりそうな時、派遣でも仕事をするというのもひとつの選択です。基本的に離職期間(仕事をしていない期間)が長くなればなるほど、転職には不利になりますし、また同じ働くにしてもアルバイトやパートよりもプラスに働くかもしれません。しかし、期間限定といえども仕事は仕事。つなぎの仕事と手を抜いたり、契約満了を待たずに仕事ほおりだしたりするのは言語道断。また社会人としてバッティングがないよう、業務期間を管理するなど、普通の転職活動以上に神経を使って。
これでサクセス!
契約と転職
派遣として稼働中に別の企業に転職が決まった場合、なにがなんでも都合をつけて転職してしまいたいと思いがちですが、そんな行動が、応募先には無責任と受け取られないか、よく考えてみてください。「派遣で働いていた人は簡単に仕事を辞めないか…」という募集側の不安を助長しないよう、派遣元・派遣先・応募先、それぞれに誠意ある対応を。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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