転職失敗談2
ストレスのゆくえ
上司にいいたいことを飲み込み続けたNさんのストレスは食事に向けられ、その結果半年で激太り。日増しに体格が良くなるNさんに上司は貫禄と頼りがい感じるのだが……。(→前編はこちら
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息抜きは食事
H氏の朝令暮改の指示の下で、どんどんストレスがたまる一方のNさんは本人も気付かぬうちに、食事の量が増えはじめていました。一日の大半をH氏と共に過ごしているNさんにとって、唯一の息抜きは昼休み。同僚の女の子たちとH氏への愚痴話で盛り上がりながら定食に箸をのばせば、勢い食欲も増していきます。半年後、すっかり体型がかわったNさんをH氏も、しばしばからかうように話題にしていました。
 「僕のアシストは居心地がいいのか、すっかりグラマーになっちゃって……」
 彼流の親しみを込めた表現だったのかもしれませんが、これがまたNさんの癇に障ったことはいうまでもありません。
 そんなある時、H氏がかなり大規模なプレゼンに出かけることになり、その資料制作にNさんがあたることになりました。しかも書類だけでは弱いということで、会場で流すビデオ資料の編集も手掛けることに。Nさん一人の手におえる仕事ではないため、後輩の女子社員の応援を頼みます。人の手も借り、時間もかけ、H氏の指示どおりのものが出来たと思いきや……
 「うーん、ここまではいいんだけどねぇ……この項目が先にでちゃうと、後の紹介がしにくいんだよね……」
 またもや完成後にH氏は簡単に変更を口にしたのです。
「でも、最初にHさんがこの順番で、っておっしゃったじゃありませんか!」
 「うーん、でもこうして見てみると、やっぱ違うのよ」
 「そんな、今から変更なんて。そういうことは前もって考えて指示していただかないと!」
 「頼むよ〜。ここで辞めちゃうのは簡単だけど、がんばれば、がんばっただけのものになるんだよ?手間を面倒がってちゃダメ!もっといいもの作ろうよ!」
 と、まるで面倒がるNさんを諭すような発言で修正を指示してきたのです。これにはNさんも堪忍袋の緒が切れます。できる、できないの押し問答を続けていたところ、そのやり取りを聞いていたある女子社員が、突如ポロポロと泣き始めたのです。
泣きたいけど泣けない
「私もHさんのいう通りのものを一生懸命つくってきました。でも途中で何度も何度も変更が入ってもう限界です。Hさんはものを作る手間も時間も全然考えてない!もうできません!!」
 あまりの激昂ぶりに部内は一時騒然。泣き出した女子社員は仕事にならないのでそのまま早退させ、そのフォローにバタバタしていたNさんのところへ、驚き顔のH氏がやってきてまた言葉をかけました。
 「びっくりしたなぁ。最近の子はやたら繊細で困るね。その点Nさんはドッシリ構えて少々のことじゃヘコまないでしょ?頼りにしてるよ!」
 彼流の気配りだったのかもしれませんが、泣く代わりに太ってしまったHさんにはこの言葉も腹立たしい限り。
 「太っているからタフでおおらかに見えるのかもしれないけど、私だって泣けたら泣きたいわよ!」
 とプリプリ怒りつつ、今や何から何まで気に食わなくなったH氏に、内心はっきりと決別しました。
 しかし再度の転職を考えたとき、Nさんは愕然とします。半年前の転職の時に使った証明写真と、鏡で見る今の自分の顔の違いに……。
 「昔の写真は使えないし、取り直すにしても今のままじゃ写真写りも悪いし」
 痩せてから転職すべきか、転職するまでに痩せられるのか、はたまた転職すれば痩せるのだろうか……? 悩みはつきません。
サクセスポイント
今回はココが問題!
ストレス解消術
職場で泣いたり怒ったり、また「辞める」を連発する人の方が、外に発散できている分ストレスうまくをコントロールしていたりする。寡黙で責任感の強い人ほどストレスの出口がないので注意。
これでサクセス!
ストレスと転職
ストレスが身体に及ぼす影響は激やせ、劇太りといった目に見えて分かりやすいものから、風邪を引きやすくなった、よく頭痛になるといった、つい見過ごしがちなものまで多岐に渡る。転職はストレス解消の大きなきっかけにはなるが、転職そのものも新たなストレスになりうることも忘れてはいけない。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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