転職失敗談2
新事業は吉か凶か?
次々と直販店を閉店・人員整理が続くP社。Sさんが店長を勤める直販店でも従業員を整理したが売上は低迷。そんな時、本社からダンボール箱が届けられる……。(→前編はこちら
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予期せぬ商品
近隣の系列ショップが閉店し、従業員を受け入れることになったSさんのショップ。せっかくの人員整理も元の木阿弥で、再度アルバイトのリストラをする羽目に。今度は古株のよく働いてくれた従業員にも、泣く泣く解雇を言い渡します。
 しかり下降線をたどった売り上げは、急場しのぎの人員整理くらいでは回復せず、依然低迷続き。
 商品のラインナップも最近はいまひとつパッとせず、また回転率の悪いものは店頭から撤去したこともあって、棚もスカスカ気味、ショップの雰囲気もどことなくすすけてみえます。
 そんなとき、本社から連絡とともに、ダンボールが箱届きました。中身はなんと衣料品と生活雑貨。
 「明いているスペースでこれを売ること」
 売り上げが芳しくないコンピュータ関連の機器に不安をいだいた社長が、新しいビジネスに打って出たのです。
 Sさんも言われたとおりに店頭に並べてはみましたが、衣料品・生活雑貨の関係はまったく知識がなく、並べただけでは違和感バリバリ。
 だいたい電気街にあるショップに生活雑貨を購入しにくる人はいないだろうと、Sさん自身がげんなりしているのです。
 予想どおり、生活雑貨の売り上げも芳しくなく、しぶしぶ店頭に陳列している状態が続きます。
 すると、また本社から連絡が入り、ある業者がやって来ました。その業者は空きスペースに手早く業務用の陳列台クーラーを設置すると、手早く商品を並べ帰っていきました。
 その商品とは、「おにぎり」
経営不振スパイラル
「俺はコンビニの店長になりたくて、この会社に入ったんじゃない」
 店頭にならぶおにぎりを見た瞬間、Sさんは転職を決意。 幸いサービス業のため、週休が平日だったSさん。うまく面接の時間を作ることが出来、スムーズに転職先をゲット。あとは業務を副店長に引き継ぎ、退職するばかり、という頃になり、本社に異変が起きます。
 なんと社長が体調不良のため一時休養をとり、業務は専務である二代目がとることになったのです。社長の押し進めていたコンビニプランは、二代目専務により一時凍結。それぞれの元の業務第一に戻ることになりました。
 こうなると、Sさんの心は揺れます。転職理由であった業務内容が元に戻ったのではあえて転職することも無いような気がします。内定をもらっているとはいえ、決して最高の条件で転職できるわけではないため、Sさんの気持ちは今の職場に戻りはじめます。結局、SさんはP社に残る道を選択します。
 それからしばらく。たしかにコンビニ的な営業方針は無くなったものの、それに変わる方策はまだ出ません。この機会に功績をあげ、社長交代の運びにしたいと焦る専務は、芳しくない売り上げをなんとしてでも引き上げたいらしく、店長を召集し何度も会議を実施。Sさんも週休を返上して本社に出向いていきますが、会議といっても専務の苛立ちから、実情は店長のつるし上げに近く、会議の空気は最悪。その空気が社内全体にも伝染し会社の雰囲気までも荒ませてゆきます。
 そのころからP社では自主的な退職者が増えはじめ、怒った専務が機嫌を損ね、さらに社内の雰囲気が悪くなる、というスパイラル状態の悪循環に落ちいりはじめていました。  Sさんもこうなるくらいなら、あのとき転職しておけば、と何度思ったことかわかりません。しかし、後悔先に立たず。平日の週休も会議と提案に費やされる毎日ともなれば、今や転職の為の時間を割くことも難しく、Sさんはひとまず転職はあきらめ、今の仕事に専念せざるを得なくなったのでした。
サクセスポイント
今回はココが問題!
転職できる時できない時
折角の内定を見送った今回の失敗。直接の理由は色々ありましたが、その気になれば、また再開できると思っていた転職活動が、後に難しい状況に変化しています。
経営状態が不安定な企業では、このようなことがしばしま見受けられます。転職を考えていたら、会社が倒産し、残務処理に巻き込まれて自分の活動は二の次、三の次になった、という話もあります。時間のあるときから少しずつ準備するにこしたことはありません。
これでサクセス!
時期を見る
自分の仕事状況をみながら、活動する時期を決めることも大切ですが、転職市場の波を読むのもポイントのひとつ。正月開け、お盆後はどちらも長期休暇を挟むため、転職希望者が情報収集に奔る時期。ライバルが増えるとこの時期をはずることも一つの案ですが、この時期をねらって、求人をかける企業もあります。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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