転職失敗談2
東方転職録
Kさんの職場は外国人スタッフが多い会社。今度の転職者はITの本場米国から。しかも超有名企業の技術者がやってきた……。(→後編はこちら
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国際色豊かな職場
Kさんの勤務するソフトウエア開発会社は規模は小さいながらも、外国人技術者を積極的に受け入れている企業。
 社内を見渡せば一番多いのはやはり日本人ながら、アジア諸国・インドといった国籍のスタッフも目立ちます。当然社員は片言程度でも英語をあやつることがあたりまえになっています。
 実はKさんの勤務先が外国人の雇用を積極的に行い出したのはここ1〜2年のこと。それ以前に就職したKさんにとっては、あれよあれよという間に環境が変わってしまった感もあり、あわててNHKの外国語講座のテキストを購入したりと大変です。
 そんな折、また新しい外国人スタッフがKさんの職場にやってくることになりました。名前はジャクソン氏(仮名)。業界の本場アメリカの、しかも国際的にも有名なソフトウエア大会社に勤務している男性です。
 しかもかなりの技術の持ち主らしく、米国でも小さな会社の社長・役員クラスの収入があったというピカイチの逸材だというではありませんか。
 そんな人が、言ってはなんですが、日本のうちみたいな小さな企業に?とKさんたち社員一同、疑問を隠せません。

 採用のヘッドハンターもかねる社長が言うには、なんでもジャクソン氏の友人のプログラマーが先に日本に渡って転職をはたし、しきりに日本はいいところだと勧めたとか。彼もまた米国でピカイチの技術を持つプログラマー。先に彼を雇用した日本の企業は三顧の礼で迎えいれ、その待遇も日本人役員以上だったとか。そんな彼の勧めをうけてジャクソン氏は日本での転職を希望。関係者のツテを頼って、Kさんの会社の社長が採用を決めたというわけです。
憧れのひと
本場の有名企業の社員がやってくるということで、社内はいつになく緊張感がみなぎってきました。映画の「王様と私」のシャム王家といった雰囲気です。
 Kさんも憧れでもある大企業の、しかも本場の社員がやってくるとあって、どう接しよう、どんな事を教えてもらおうと興奮気味です。
 社内に通達があって2か月後。とうとうそのジャクソン氏が来日しました。
 Kさんたち社員はカタコトの英語で精いっぱい歓迎の意を表し、それでも言葉に詰まると外国人スタッフの中で英語に堪能な者に通訳を頼んで一生懸命コミュニケイトしようとします。
 そんな気持ちが通じたのかジャクソン氏の方も終始にこやかな対応。
 またご本人の自己紹介により、ジャクソン氏は英語の他にスペイン語にも堪能だということが分かりました。幸いKさんは大学時代、第二外語でスペイン語を専攻していたことから、多少スペイン語になじみがあったのです。試しにスペイン語で話しかけてみたところ、ジャクソン氏は驚き、また非常に打ち解けた様子でKさんに接するようになりました。こうしてKさんは社内でもジャクソン氏にかなり近い社員となったのでした。

(→後編に続く)

pen2 ジャクソン氏とKさんのカタコトの交流は続く。しかしジャクソン氏にはKさんにも言えない不満があった……。次回、後編へ続く。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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