転職失敗談2
休み明けに弱い男
いつもの「悪癖」を逆に利用して面接に出かけたKさん。社内の評判を下げながら出かけた面接で、趣味の「旅行」についてつっこまれ……。(→前編はこちら
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武勇伝披露でしのぐ面接
悪い癖である「連休明けダウン」のフリをして会社を休み、月曜日に面接に出かけたKさん。
 面接前に通された部屋で、一枚の用紙を手渡されました。面接前のデータ記入とのことで、住所氏名、資格・特技・趣味など基本的な個人情報から、当社の募集をどこで知ったかなどのアンケートまで項目がビッチリ。用紙をすべて埋め終わったころ、やっと案内の女性がKさんを呼びにやってきました。
 いよいよ面接スタートです。面接担当の社員は、さきほどKさんが記入した用紙をチェックしながら、質問をくり出してきます。
趣味は『旅行』とあるけど、よく行くの?」
「そうですね、まとまった休暇があればじっとしていませんね」
「友達といくの?」
「友人とも多いですが、一人でフラッと行き先を決めずに出かけることもあります」
「へえ、それでトラブルとかはないの?」
 ここでKさんはドキっとします。言うまでもなくKさんの休暇中の行動はトラブル続きで、その結果連休明けもダウンしていることが多かったためです。しかし「遊び過ぎて倒れます」とは答えられず、
「ホテルが満室で駅のベンチで夜明かしをしたことがあって……」
 と、とっさに学生時代の“武勇伝”を提供してその場を凌いだのでした。
ばれる「悪癖」
翌火曜日。Kさんが恐る恐る出勤してみますと、予想どおり上司の反応は芳しくありません。
 「K君、またか!ほんとに君は……自己管理も仕事のうちだ、なんて今さら言わせないでくれよ」
 とキツく言い渡されてしまいます。心無しか他の社員の視線もあきれているような、笑っているような……。
 これで面接の結果が良ければ、社内の風当たりが多少きつくとも、そう気にすることもなかったのですが、残念ながらKさんは面接で不合格となってしまったのです。

 実は、これは後で分かったことなのですが、Kさんが不合格になったのは、彼の連休にともなう例の「悪癖」が原因でした。
 では、Kさんがあれほど隠そうとしていた「悪癖」がなぜばれてしまったのでしょう?
 実は応募先の企業に、Kさんの会社の社員の妹が勤務していたのです。今度君の部署で人を増やそうと思ってるのだが、と妹さんは人事部から何通かの履歴書を見せられ、その中に姉の勤務先の企業名を見つけたというわけです。
 その妹さんが自宅で姉に世間話としてKさんの話題を提供したところ
「Kさん?やだ、この人うちの社内では有名なのよ!」
 と、たちどころに正体がばれてしまったというわけです。
 風の噂では例の癖がばれるまでは
「趣味は旅行だといってたが、ガイドブックだよりのひ弱なタイプじゃなく、野宿もできる行動力があるようだ」
 と、面接官の印象は悪くなかったとか。
 人間どこで見られているものか、分かったものではありません。
サクセスポイント
今回はココが問題!
社員同士のつながり
今回のように従業員同士が肉親ということは、そうあることではありませんが、同業者同士は業界の会合などで顔を合わせる場面も多く、どこで人がつながっているかわかりません。なにかの機会で応募者の日頃の仕事ぶりや人柄を質問しているとも限りません。また逆に「×社とは付き合いがあるので、社員を引き抜くことはできない」となる場合も。
これでサクセス!
採用調査
社員のコネクションをたどるまでもなく、応募者の実態を知るため、調査を行うことがあります。チェックされるのは概ね、学歴・職歴に詐称は無いか、退職時期にズレはないか、業務にまつわるトラブルや犯罪歴は無いかなど。非常に評価の高い人物でも「退職する理由が分からない」というので調査が入ることも。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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