転職失敗談2
アンケート社長
過密スケジュールのため、個別面接のはずが急遽集団面接に。予想外の事態にアンケートでは見えなかった応募者の個性がみえてきて……。(→前編はこちら
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遅れる面接
A社の社長自らがアンケートで選びだした3名との面接日。
 社長のスケジュールの問題で、応募者にも無理をいい、なんとか一日にまとめて順番に面接を実施するはずだったのですが、予想外の商談やトラブルが入りこみ、面接の時間が近付けど一向に社長は解放されそうにありません。
 そうこうしているうちに、最初に面接の約束のBさんが会社に現れました。この人は前回のアンケートで「社長のカリスマを感じた」と記入した、社長心酔型の応募者です。
「もうすぐ社長が参りますので、しばらくお待ち下さい」
 別室で待ってもらうことにしたのですが、10分たち、20分たちしても社長の体が空く様子はみえません。これ以上Bさんをただボーっと待たせるわけにいかないと、企業パンフを見せたり、A社の商品を見せたり使わせたりした上で、ユーザーアンケート(またしても)をとったりと時間の調整におおわらわ。
そうこうしているうちに「少し早めについてしまったのですが」といいつつ、次の面接予定者Cさんがやってきてしまいました。Cさんも別室に案内し、ユーザーアンケートを実施しているうちに、とうとう最後のDさんまでもが現れてしまったのです。
「社長、もうこれ以上ひき伸ばせません」
「仕方ない。よし、3人いっしょに面接する
 急遽、社長と3人の面接者による集団面接に切り替わったのでした。
活字と実態のズレ
さて、ようやく面接開始です。
 しかし、「社長があなたに興味を持っている」という言葉で、スケジュールを都合して集まってきたのですから、予想に反しての集団面接に少なからず戸惑っているようです。
戸惑いを感じたのは応募者ばかりではありません。面接を行う方の社長もアンケートに見えた人柄と実際の印象の違いに驚くことになります。
 特にアンケートで社長を絶対支持していたBさんは実際に会ってみると妙に冷めたような雰囲気があります。それもそのはず。Bさんは一番最初に会社に現れ、待たされた時間も段違いに長かったのです。その分バタバタアンケートばかりとって、一向に現れない社長の段取りの悪さも目にしており、
「いかに社長といえども、約束の時間は時間。それをこんなに待たせるのは時間にルーズなのか、見くびっているのか
 と、当初の社長に心酔する気持ちが薄らいでしまったようです。
 Cさんはアンケートで積極的な自己PRを展開した人物。ところが実際に会ってみると、一番控えめな印象で、一番緊張している様子。受け答えもごくごく一般的な回答が多く、アンケートでのアピールが別人のよう。
Dさんはというと、アンケートではA社の欠点を指摘し、改善案を提案していた人物。さぞかし手厳しい発言が飛び出すのかと思いきや、
「本日はお忙しいところお時間を頂きありがとうございます!」
 と深々と頭を下げ挨拶。質問の受け答えもイキイキしており、
「こうして他の方の受け答えを見ることができるのは勉強になります」
 と急な集団面接も支持する態度です。
 気になる面接の結果ですが、シラけたBさん、緊張気味のCさんは一般的な受け答えに終始し、いまひとつ個性が見えてこず、Dさんはというと、気後れしないのはいいのですが、大人しいあとの二人を無視して話し続けるところが気になります。
結局、集団面接ということで個別につっこんだ話もできず、かといって活発なディスカッションから人格を伺い知ることもできず、という消化不良の状態で面接は終了したのでした。
 社長もアンケート記述と実際の人物イメージとのギャップにがっかりしたのか、誰を採用するとも口にしません。人事スタッフだけが、
「最初からこちらに一任してくれれば、一人ずつじっくり時間をかけて面接したのに……」
 と、中途半端におわった採用活動をしきりに悔やんでいました。
サクセスポイント
今回はココが問題!
転職市場の集団面接
新卒の募集と違い、転職の場合応募者を集めての集団面接は実施される機会は少ないもの。実施されたとしても学生のようにテーマに沿って討論させたりすることは無く、一人ずつ質問をし、それぞれの回答や他の人の発言を受けてどう答えるか、といった対応を見ることが多いようです。
これでサクセス!
集団面接のポイント
じっくり一人一人と会話を交わすことができない集団面接では、ポイントをまとめた簡潔な返答が求められます。限られた時間でのやりとりになりますから、できるだけ個性的でなおかつ表現力のある受け答えが必要です。また、他の人が質問されている時の態度なども見られています。個別の面接とは違った難しさがあるのです。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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