転職失敗談2
リストラの法則
社内を吹き荒れるリストラの嵐。退職勧告を受けるのは若手?熟年?既婚?未婚?その条件を巡って様々な噂が飛び交うのだが……。(→後編はこちら
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リストラの条件
日本たばこ産業が、たばこの売り上げダウンを予想し、大規模なリストラを実施すると発表しました。どの企業でも人員整理の際には、その人選で頭を悩ませることになります。
ある企業ではつぶしの効く若手から選び、またある企業では経営責任の一端と収入面から管理職をターゲットにするといったように、それぞれの企業にあった「リストラの法則」があるようです。
 Hさんが勤務するあるメーカーでは、先頃いくつかの部署が閉鎖になったばかり。その時は若干名の退職者をつのっただけでしたが、近く再度人員整理が行われると、役員の一人から漏れてきました。
 今度は社内全般の部署に渡っての人員削減、しかも希望退職者を待つといった悠長なものでなく、名指しで言い渡されるらしいとのこと。
 このセンセーショナルな噂に、社内は一気に落ち着きを無くし、
「事務の人間があぶないらしい。最近結婚退職が減ってるからな。共稼ぎの女性は狙われる」
「いや、人件費の面からいけば、30代で売上率の悪いやつからだろう」
 などとリストラ対象の線引きがどこで行われるか、あれこれと憶測が飛び交います。
苦渋の選択
Hさんは20代後半。営業を経て商品管理の責任者になり、足掛け3年になります。若いリーダーでしたが、真面目で人当たりの良い性格で正社員はもちろん、親子ほど年の違う熟年のパートさんたちからも慕われており、仕事も人間関係の面でも充実期にありました。
 人員削減の噂は、当然Hさんの耳にも入ってきています。リーダーとして自分の部署の人間も減らすことになったら……メンバーの顔を一人一人思い浮かべては気は重くなります。
 他の社員に相談しても
「嫌な仕事だがHの立場では避けられないだろう。心を鬼にしてシビアに考えろ」
 と勧める者もいれば
「パートが多いんだったらまずはそこからだろう。パートがダメでも家に帰ればダンナの収入もある」
「いや、社員を残すより人件費の安いパートや派遣を使った方がポイント高い」
 などと様々に勧める者もいて、Hさんは迷うばかり。
 そして噂どおり、人件費削減の件は本決まりとなり、Hさんは誰を残し、誰を辞めさせるか、苦渋の選択を迫られることとなったのです。

(→後編に続く)

pen2 断腸の思いで部下に退職を勧告することになったHさん。しかしリストラの波紋は思わぬところにも……。次回、後編へ続く。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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