転職失敗談2
アドバイザーのユウウツ
趣味系講座の受講生から転職相談を持ちかけられるKさん。精いっぱい転職の道を探すのだが、夢を追い求める生徒はKさんのプランを受け入れられず……。(→前編はこちら
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専門性の高い“夢”
「好きなことを仕事に」というキャンペーンで、大々的に受講生を募った某スクール。その就職・転職のアドバイザーであったKさんの元には、ビジネス系/趣味系を問わず、実に様々なジャンルの生徒が仕事を求めてやってくるようになりました。
ブライダルコーディネート、ネイルアート、カラーコーディネートなど、Kさんにとって馴染みの薄いジャンルでも転職のお手伝いをする機会が増えました。募集の少ない職種の相談でも、受講内容と少しでも関連がある別の仕事に就けるよう、懸命にアドバイスをしてきました。
しかし頭を悩ませたのは、ある男性の相談を受けた時のこと。その男性が修了した講座というのが「釣り」。
「自然環境についても勉強しました。ルアーの制作には自信があります。この知識を活かした仕事につきたい」 とやる気は満々です。それならばと、釣り具の量販店や、釣りスポットの宿泊施設などの仕事はどうでしょう、とKさんが勧めてみましたが
「そういうのとは違う。せっかく勉強したのだからもっと専門性の高い、知識の活かせる仕事を」
 とつっぱねられてしまいます。
では、どういうお仕事に就きたいのか、と逆に聞いてみたところ
「そりゃ、プロになってフィッシング・トーナメントなんかで食べていければ最高ですけど、とてもそこまでは難しいでしょうし、何かフィッシングのイベント関係とか無いですかね?」
 という漠然とした“夢”レベルの回答が返ってきました。
苦肉の策がクレームに…
漠然とした転職イメージですが、Kさんとしては具体的な転職の道を模索しなければなりません。
「この業界は募集自体も多くありませんし、イベントとなると募集も流動的でさらに難しいでしょう。もう少し広い視点で捉えてみませんか?釣りの環境についても勉強されたのでしたら、現場の知識を深めるという意味でも、気象予報士の資格にチャレンジしてみるのはどうでしょう。こちらはしっかりした資格で、水産からレジャーまで幅広く関連していますし、釣り業界に転職する際もアピールできると思いますよ」
 と、気象予報士の資格を勧めてみました。釣りのジャンルからは若干離れてしまいますが、全く無関係ではありませんし、なにより資格の知名度と安定性は光るものがあります。少しでも転職に有利になるよう、Kさんなりに考えたアドバイスでした。
 しかし、あくまで「釣り」にこだわるこの男性にとっては魅力を感じなかったらしく、
「それって釣りとあんま関係ないじゃないですか」
 とあっさり却下。そのままこの日のカウンセリングは終了しました。
 話はそれだけで済めば良かったのですが、さらに追い打ちをかけるように、一通のメールがスクールのホームページに舞い込みました。
「転職できると思って受講したのに、全然転職の世話をしてくれない。聞いていた話と違う。さらに別の資格講座の受講まで勧められた……」
 幸い同僚たちはKさんに同情的でしたが、本人にとってはショックな出来事。
「転職に有利」を謳って受講生を集めるスクール側と、「授業料を払ったのだから転職までのケアを」希望する生徒側。両者の間に立つKさんたちアドバイザーが、ある意味一番転職の厳しさに晒されているのかもしれません。
サクセスポイント
今回はココが問題!
転職のためのスクール
資格取得やスクール受講を転職に活かせる人もいますが、スクールに入れば転職が楽になるルートがある、という訳ではありません。学校まかせ、カウンセラー/アドバイザーまかせでは「○○講座修了」という受講歴止まり。転職に活かせる人はまず目的がハッキリしていて、そのために必要な講座を選び、その受講歴が認めてもらえる採用ルートを見つけだしている人。例えば「医療事務講座受講」→「スクール系列の派遣で実務経験を積む」→「同業に転職」など。段階的キャリアアップを視野に入れるのも効果的。
これでサクセス!
スクール選びのポイント
毎回の通学が負担にならないよう、無理のない費用・経路・時間帯で通えるか(欠席時の振替制度などはあるか)、機材は新しいものが充分に揃っているか(特にPC系講座)、独自の分かりやすい教材を開発しているかなどがポイントになります。資格取得が目標の場合は合格率と、どこが認定している資格か、また講座内容そのものも、実際に実務で役に立つものかも見極めて。信頼のおけるスクール・講座は教育訓練給付制度の対象になっているのでチェックしたい。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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