転職失敗談2
メールマガジンお役立ち情報
いよいよ創刊されたメールマガジン。回を重ねるごとに、U君のコラムも読者にウケる、面白いものになっていったのだが……。(→前編はこちら
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裏話プリーズ
「創刊号を無事発行することができました。いかがでしたでしょうか?いろいろと不慣れな点もありますが、末長くご愛読ください。……だんだん過ごしやすい季節になってきました。いつもは寝坊しがちな僕ですが、最近はウォーキングに凝っていて……」
 U君の日記風コラムが掲載されたメールマガジンがいよいよ創刊されました。
 その後しばらくは、原稿が書き上がるたびに上司のチェックをあおぎ、当たらずさわらずの内容を続けていたのですが、徐々にU君も慣れ始め、また社内の注目も薄れ始めたことから、メールマガジンの内容はU君に一任されるようになります。
 そんなある時、書くネタに困ったU君が、軽い気持ちで社内のやりとりを掲載したことがありました。
「……上司が懸賞に当たるコツでも載せてやれって言うんです……そんなコツがあったら僕が知りたいくらいですよ、とはさすがに上司には言い返せませんでしたが、ここだけの秘密。懸賞は感想のコメントなんかをたっくさん書いてくれた人に当てちゃうこともあるんですよね……」
 ポロッと書いた内容が意外に好評だったらしく、それまで反応の無かった読者から「面白かったです」「もっとUさんの裏話を」というメールがポツポツと返ってきたのです。
 反響がある面白さにU君はハマります。
「うちの仕事場はビルの中にあるんですが、隣は足ツボマッサージなんです。部屋を薄暗くして、BGMをバックにマッサージするらしいんですが、この間そこの店長がうちに怒鳴り込んできたんです」と、ミーティングの声がうるさいとクレームをつけられた話。
「バイトの人員を整理することになりました。実はコネで採用した子もいるんですが、これがまったく仕事ができなくて困っていたんです」
 と、バイトのリストラ話。どれも社内の人間がほとんど読んでいないと安心し、U君自身のストレス解消もかねて、あれこれ書き綴っていきます。
 また、どこかで評判になっているのか、メールマガジンの購読数も少し伸びたようで、ますますU君もやりがいを感じるようになります。
密かに話題沸騰
ところが、評判をとった場所は意外に近くにあったのです。
 メールマガジンを発行した当初、配信のチェックをかねて社内の何人かに購読手続きを頼んだことがありました。ほとんどの人はその後、最初の1、2通に目を通しただけで購読をやめたか、やめないにしても読まずに削除していたようですが、あるとき気まぐれに目を通した社員が、路線変更しているU君のコラムに気がついてしまったのです。
 実はU君の仕事場は最近、賃貸契約切れの際、契約更新ができず別のビルに移転するというドタバタがありました。その後空いたところに入ったのが、ショップを拡張した隣の足ツボマッサ−ジ。社員の中でも一部の人しか知らないことでしたが、メールマガジンの内容と照らし合わせると、ビルのオーナーがU君の会社より足ツボマッサージの会社を取り、追い立てを食らったのではないかという疑惑につながります。
 バイトの件もそうです。一人ひどく仕事のできない子がいると評判にはなっていましたが、それが社長のコネで、しかもそのコネのバイトすら今は整理するような状態らしい……。
「うちの会社は結構ヤバいんじゃないか?」
 こうしてメールマガジンは、別部署の人間にとっては驚くべき事実が満載ということで、ごく一部で話題沸騰。そして購読した社員を中心に、従業員の間では徐々に会社への不信感が募っていったのです。

 メールマガジンの影響力は社外にも飛び火しました。メールマガジンに見え隠れする社風が自分には合わないという理由で、中途採用を考えていた応募者に逃げられてしまったのです。
「メルマガの内容そのものよりも、そういう文章を送れるうかつな体制が心配なんです。ずいぶんお若い方でもポストについているようですし……」
 とある応募者がそんな断りを入れている時、まだ何も知らないU君は新たな最新号にどんなネタを盛り込むかネタ探しに奔走していました。
サクセスポイント
今回はココが問題!
とにかく情報収集
転職は限られた時間と情報の中で決断をしなければならないことも。転職成功のカギは情報収集にあるといっても過言ではありません。求人情報をまとめた雑誌やサイトからの知識だけではなく、応募先企業に関する情報は自分から集めることも肝心です。
これでサクセス!
あらゆる手がかりを
基本情報は「会社四季報」(未上場企業版もあります)などのデータ書籍を活用。求人雑誌も過去の分を含めてチェック(大きな図書館には置いてあることも)。採用の傾向と歴史が見えます。企業のサイトは言うまでもなく、メールマガジンはできればバックナンバーにも目を通して。
また応募先企業だけでなく、業界全体の常識も知っておく必要があります。業界内でのポジションやライバル社の存在なども頭に叩き込んでおくと、面接での応答に役立つでしょう。 異業種への転職の場合、給与体系や就業時間などその業界の「暗黙の常識」的知識は外からではわかりにくいものです。一番有益なのは従業員や他の応募者・採用者の話を聞くことですが、なかなか難しいもの。転職系の情報交換掲示板などでは従業員や応募者の生の声を聞け、その量も多いようですが、情報の正確性にやや欠ける点だけは注意。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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