転職失敗談2
転職・年末年始編
職場状況の悪化から転職を考えたKさん。年末年始の長期休暇は転職準備にうってつけの時間だと思ったのだが……。(→後編はこちら
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年末年始は転職準備シーズン
職場を離れてのまとまった休暇期間、ボーナス直後のあたたかい懐。こんな理由で年末年始は転職を考えるのにうってつけのシーズンといわれています。不況が厳しい折には、ボーナスが出なかった、会社が暮れを越せなかったなどのシビアな理由で、転職活動に突入することもあったようですが……。
結婚2年目のKさんは、勤務先の経営トラブルからなんとなく転職を意識するようになっていました。Kさんの勤務先はこの一年、実に落ち着かない状況でした。業績不振、経営トップの交代劇、そして止めを刺したのは12月の状態です。経営状態は一向に好転しないまま歳末に突入し、交代したばかりの経営者は資金繰りでほとんど社内にいません。たまに社員の前に顔を出した時もイライラを全面に出し、
「私がどれだけ喚起を促しても君たちはダメだ。こんな状況で賞与までもらうつもりか」
などストレスフルな発言を繰り返していました。
これでは社内の空気も荒みがちです。12月に入っての有志による忘年会も、
「よーし、来年こそはみんながんばって新天地を探さないとな!」
「××さん、早くしないと(会社が)持たないかもしれませんよ」
などの毒舌が飛び交い、社長の叱咤を口まねして苦笑いしたりと、にぎやかな痛々しさに満ちていました。
 こうした社内の状況に加え、前述の社長の発言に反さないボーナスの少なさが直接の引き金になって、Kさんはいよいよ年末の休暇から転職活動を始めることにしたのです。
時間はあってもヒマがない
応募者にとって年末年始は転職を考えるシーズンでありますが、企業側はというと、ただでさえ忙しい歳末はどこのも採用を控えがち。転職者はいやがうえでもじっくり考えることから入ることになります。
 Kさんも年末年始の休暇中に読もうと転職に関する雑誌や書籍を買い込み、転職サイトのいくつかを検索で探したりと準備に余念がありません。
ところが、既婚者のKさんにとって、年末の休暇中はいつもの週末よりも忙しい状況。大掃除、買い物、帰省の準備となにかと仕事を頼まれることも多く、せっかく購入した書籍類を開くこともできません。
 奥さんにはもう少し話が具体的になってから切り出そうと思っているため、Kさんの転職準備はまだ秘密の段階。こんな状況でネットサーフィンなどしようものなら、大掃除で忙しい奥さんからイライラした視線を投げられてしまいます。結局年内はほとんど転職の情報収集はできずに終わってしまいました。
年が明けたら明けたで、今度は自分の実家、妻の実家と帰省が続きます。
 電車で帰省するKさん夫妻。車中でいくらでも読書の機会はあるとはいえ、転職はデリケートな問題です。親戚の手前さすがに堂々と「転職」の文字が踊る書籍を持参し、いらぬ心配をかけられません。
 かといってこのまま休みが明けてはもったいない限り。やむなく書籍類にカバーをかけ、小型のノートパソコンを持参し、わずかな移動の時間にネット・書籍に目を通していくことにしました。

(→後編に続く)

pen2 妻の実家にカバーをかけた転職本を持参し帰省したKさん。しかしあるハプニングで、転職本が親戚の目に……。次回、後編へ続く。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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