転職失敗談2
転職・年末年始編
妻の実家で酔いつぶれたKさんは持参の転職本をうっかり見つけられてしまう……。(→前編はこちら
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乗り気の義父
年始の休暇中に転職の情報収集を思い立ったKさん。しかし年始の親戚回りなどで慌ただしく、書籍やノートパソコンなどを用意してはいたものの、なかなかまとまって向き合う時間がとれません。
特に奥さんの実家では、酒豪の義父から酒をどんどん勧められすっかり酩酊状態。そのまま酔いつぶれてしまったことが、ちょっとした騒動の原因になったのです。
 翌朝Kさんが遅くに目覚めてみると、Kさんの鞄から転職関係の本が取り出され、おまけにカバーもどこかにいっているのです。本を出したのは着替えを探したKさんの奥さんでしたが、カバーをとってしまったのは、親戚の子どものいたずら。驚いているKさんの前にKさんの義父が声をかけました。
「K君……転職、するの?」
「あ、あの、そういうことも視野には入れますが、今すぐというわけではなく……」
Kさんはフイをつかれてしどろもどろ。相手は何せ妻の父。転職するというだけで何を反対されるかわかりません。ところが、
「転職か……。昔は転職なんて滅多にできなかったけど、今は一つの会社を続ける方が難しいからねえ。それでどういうところ考えてるの?」
「あの、ほんとにまだ、漠然と考えてる段階ですので」
Kさんの方が尻込みするぐらいノリノリです。
「今は転職する人も増えて、会社の方もいろいろ企画してるみたいだし。K君はUターンとかも考えられる方かな?」
転職お正月フェア
「この辺の会社がいくつか集まって、今地元転職のイベントをやってるらしんだが……確かどこかに広告が……」
 そういって義父が出してきたのはなんとUターン転職フェアの資料。しかも年末年始の帰省客をあてこんで、新年3日から開催されるという至れり尽くせりのスケジュールです。
「ちょうどいいし、今から行ってきたらどうかな?」
Kさん夫妻が近くに住むことを、かねがね望んでいた義父はたたみかけるように勧めてきます。
「でも、格好もこんなでスーツもないし、履歴書も用意してないですしね」
「そんなの、普段着で大丈夫大丈夫!このあたりの会社はそんなに格式張ってないし、ちょっと覗くだけでも」
 妻の田舎へのUターンは、まるで頭になかったKさんですが、強く勧められた手前、仕方なくその転職フェアへ足をはこぶことになりました。
転職フェアというと、数十社の企業がブースを構え、映像や資料を用意し活気のあるイベントというイメージがあったKさん。ところが今回は地方の会場に加えて正月の開催。しかもあまり告知もしていなかったとみえて、会場の建物からして寂しげな雰囲気です。
 会場の中に入ってみると他の応募者らしき人物はみられず、チラホラ動いているのはすべて企業側の人間。フェア慣れしていないようで、フラっと入ってきたKさんをじっと見るばかりです。
会場の覇気のない雰囲気、そして参加企業と職種の少なさにガッカリしたKさん。もともと乗り気でないUターン話です。一応入り口で参加企業一覧の表をもらって会場を一巡すると、義務は果たしたとばかりにそそくさと引き上げてきました。
 しかし今回の転職フェアには、あるおまけがついてきました。
 その後、自宅に戻ったKさんのもとに、田舎の義父からちょくちょく連絡が入るようになったのです。
「転職の方はどうなってる?今、こっちのいい会社で社員の募集があったんだけど……」
 その度、どうやって断ろうと、頭を悩ませるKさんでした。
サクセスポイント
今回はココが問題!
年末年始の転職
冬のボーナス後の転職を考える人は多いようですが、転職には短くとも2〜3ヶ月ぐらいの期間が必要になります。またどの企業も年末年始はまとまった休暇に入り、転職市場も落ち着く季節です。12月〜1月の転職を考えている場合は、秋くらいから情報収集をするのが望ましいでしょう。
これでサクセス!
帰省とUターン転職
Uターン転職を推進している地方都市では帰省シーズンにあわせて、転職フェアや相談会などを実施するケースが増えています。最近では元旦から実施している地域もあります。いずれも事前に予約が必要な場合がありますので、参加企業や規模などとあわせて、忘れずチェックしておきましょう。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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