転職失敗談2
僕のスペックはどうですか?
仕事がヒマで仕方が無いという贅沢な新人社員の転職希望メール。Y氏は説得のメールを送るのだが……。(→前編はこちら
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時間をつぶす仕事
Webで転職相談にのっているY氏のところに、ある新人社員からの相談メールが舞い込みます。相談の主は事務職として勤務して半年の女性Oさん。この就職難でなかなか内定がもらえず、ギリギリまで粘って見つけた就職先でした。にもかかわらず、もう辞めたいのだとメールは訴えているのです。
「私のしている仕事は、勤続十年近い先輩社員と私の二人が担当なのですが、仕事量は二人でするほどありません。先輩社員の方が慣れているので、私はいつも手伝いにまわることになりますが、それも二人だとすぐに処理できてしまい、ほとんどの時間、暇で仕方がありません」
このご時世には珍しく、暇で仕方が無いという贅沢な悩みでした。暇な時間に覚える仕事も無く、資格の勉強など別のことをするのも、二人の職場なので目立ってできず、結局毎日インターネットなどで無駄に時間をつぶしていると書いてありました。そんなネットサーフィンの中で転職情報サイトに行き当たり、いろいろ見ているうちに転職する気になったのだとか。
慎重派のY氏は、まだ入って半年でアシスタント的な仕事から入るのは当たり前。徐々に仕事も複雑に、量も増えていくはず……とアドバイスしたところ、早々にOさんから返事がきました。
「仕事の件ですが今後変化が見込めるとは思えません。勤務先は基本的に転勤などはなく、異動するような部署も無いため、勤務し続ける限り今の状態は続きます。こんな仕事量なので来年も新入社員が入る予定は無いようですし、先輩の社員も辞めそうにありません……」
リセット世代の発想
Oさんは、このままでは先々ジョブローテーションが望めない、いつまでも補助の仕事で経験を積むべき若い時期を無駄にしてしまう。いつまで今の状況が続くのか、先が見えないのが不安だとメールで訴え、最後はこう締めくくられていました。
「考えましたが、やはり早く別の職場を探したいと思います。年齢のことを考えても、少しでも若い方が選択肢も広がり、有利だと思いますので」
そして後日、Y氏はOさんからのメールで退職を知らされます。
 Oさんの今度のメールは転職先を求めてY氏の人材バンクに登録したいという内容。
ある程度の経歴が求められることの多い人材マッチングにおいて、仕事が暇だったという第二新卒のOさんが求めるような事務の募集は、あまり多くなさそうだとY氏は考えていました。
「少し前であれば、一度就職したならスキルが身に付くまでとか、期間でいえば一年ぐらいは辞められないと思ったものだけれどねぇ……。最近は結論を出すのも早くなったし、合わないと思ったら辞めるのも早い方がいいって考えが、若い人の間では増えてきているみたいです」
 Y氏は昨今の結婚・離婚観と似てますね、と苦笑しながら、第二新卒の短い職歴を分析しました。
「特に短い職歴は、自分の中でカウントしたくないという人もいますね。辞めた経歴の前に戻りたがる。リセット世代っていうんですか、なかったことにしてやり直したい。だから自分の学生時代の研究などをスペックとして引っ張りだすんでしょうね」
 今の転職市場では短い職歴は注目されがちですが、採用側もリセット世代になれば、理解が深まっていくかもしれません……。
サクセスポイント
今回はココが問題!
結果を急いで出さない
退職・転職に関して急いで結果を出すのはストップ。思っていた仕事と違う、人間関係に問題があるなど、自分だけの力で解決できない問題もありますが、会社生活では人事異動やプロジェクト変更などは結構あるもの。むしろ3年以上、まったく状況が変わらないことの方が珍しいくらいです。いつまでも現状が続くと思い転職を急ぐことはありません。
これでサクセス!
短期職歴からの転職ポイント
短い職歴はできれば無かったことにしたい人が多いようですが、短くとも職歴は職歴。きちんと明記し、そこで得たことをきちんと整理し表現すること。そして、他社を経験したことによって、いっそう自分のポテンシャルや希望職種がハッキリしたこと(=今度はすぐに辞めない、というアピール)などを説明することが大切です。下手に隠そうとしたり、得ることが無かったとして職歴を切り捨ててしまうのはお勧めできません。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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