転職失敗談2
家庭の仕事
姑の度重なる来訪に閉口したNさんは、阻止策として再び仕事に出ることにしたのだが、夫はNさんの再就職には大反対……。(→前編はこちら
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夫の反対
姑のアポなし訪問をなんとか阻止しようと、もう一度仕事に出ることを思い立ったNさん。しかしNさんの夫は彼女の決断に難色を示します。
「別に無理に外に出ることないんじゃ……。今のまんまじゃダメなのか?」
夫はNさんがまた忙しい仕事場に出ることで、夕食の準備が出来ていない生活に戻ることが不満だったのです。
Nさんは夫の理解を得るため、姑の来訪がいかにストレスであるか、また外に出て仕事をするのは、フリーの仕事以上に安定収入が得られ、今より家計が助かるということを説明し続けました。その結果、
「外で仕事をするのは反対じゃない。でも前みたいに夜遅く帰宅するのが当たり前になるのがイヤなんだ」
という夫の言葉を引き出すに至りました。
とは言うものの、Nさんの仕事はパッケージデザイナー。今は前の職場から時折外注で仕事をもらって、家で作業をしているからこそ、夫が満足するような家事との両立ができている状態です。同じ職種で転職するなら、連日の残業は必至です。
しかしNさんは自分のキャリアを捨てたくはありません。夫の希望を受け入れ、また時折発注のある、元の職場からの外注の仕事を続けることも考えて、Nさんは拘束時間がキッチリしている派遣で仕事を探すことにしました。
早速Nさんは派遣会社数社に登録し、仕事の紹介を待ちます。しかし事務系の仕事が多い派遣業界で、パッケージデザインの紹介自体が少なく、あっても「残業できる方」が前提であったりするため、なかなか条件に合う仕事に巡りあえません。Nさんも生活に追われて仕事を探しているわけではないので、無い中から無理にでも選んで……という決心にもいたりません。
知識よりも必要なもの
しかし、あまり紹介を断り続けていては、仕事の紹介自体無くなってしまう恐れがあります。ある派遣会社が
「パッケージデザインの仕事ではないのですが、Macの作業経験があるNさんにはピッタリだと思います」 と勧めてきたグラフィック系ソフトのインストラクターの仕事を、とりあえず受けてみることにしました。期間は1週間。マシンとソフトを導入した企業に出向き、使い方をレクチャーするという仕事です。
 ところが、一人でサクサクと作業してきたNさんにとって、このインストラクターという仕事は予想外に大変でした。まったくの初心者に噛んで含めるように教える作業には、ソフトの知識より繰り返し同じことを聞かれても、笑顔で答えられる忍耐力こそが必要であると実感します。さらに当初話にあった取り扱いソフト以外の使い方もバンバン質問される上、時にはNさんが使ったことのないソフトについても質問が飛び出し、答えられないと責められるという局面も。
 契約の1週間をなんとか乗り切ると、次の仕事の紹介がありましたが、それもインストラクター関係。すっかり疲れたNさんは次の仕事は断ってしまいます。
 その後も仕事の紹介をいくつか受けましたが、なかなかNさんの希望に沿う紹介は無く、時折派遣会社との縁が切れないようにと、思い出したように短期の仕事を受けるぐらいの利用にとどまってしまいました。
 派遣でバリバリ……とはいかなかったNさんの仕事探し。しかし、それでもNさんは現状には大満足していたのです。
「案件には恵まれてないけど、派遣のおかげで、いつ仕事が入って外出するか分からないからと義母に言えるようになりました。そのおかげでアポ無しで来ることも無くなりましたし、こちらが忙しい時は仕事で出かけるフリして訪問を断ることも出来ます。これだけでも大助かりです」
派遣を言い訳にして家でゆっくりしたり、時折本業の仕事に精を出したりと、自由に時間を使えるようになったのだと、Nさんは嬉しそうに語っていました。
サクセスポイント
今回はココが問題!
派遣の紹介は最大公約数
派遣のお仕事紹介は、登録者が希望する仕事の他に、キャリアなどからその人に合うであろう仕事、出来るであろう仕事も含めて紹介してくれます。希望する仕事と違う、と断る前に、少し視野を広げて判断する必要も出てきます。
これでサクセス!
専門職の場合は積極的に質問を
専門職の場合は積極的に質問を
技術職・専門職などの場合、間に入る担当者は業界の専門知識すべてを把握できているとは限りません。使えないソフトを使えると紹介されたり、経験を拡大解釈されたりといった誤解が生じる場合も。担当者に多くを望むばかりでなく、特に専門的な部分の不明点・確認点は登録者の方からも、積極的に質問することが重要です。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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