転職失敗談2
ブラザー疲れ
新人教育と称し、自分の尻拭いばかりさせるHブラザーに我慢の限界を感じたM君は……。(→前編はこちら
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ヤル気も失せる研修
新入社員M君の研修期間もいよいよ半ばに差しかかりました。そろそろ実践編ということで、ブラザー社員が持っている仕事の中からいくつかを譲られ、実際にやってみるというステップに入ります。M君もHブラザーから仕事を任されることになったのですが、ここにも騒動の種が潜んでいました。
M君に用意された最初の仕事は、Hブラザーが管理担当だったチームの資料と備品の伝票整理。キリのいい月初めに仕事を引き継いだのですが、渡されたのはおびただしい数の未処理分の伝票。Hブラザーは自分の担当期間に処理しきれず、溜め込んでいた伝票をまとめてM君に押し付けたのです。
呆然とするM君を見かねて、周囲の社員たちも、
「Hさん、それはちょっと……」
と声をかけたのですが、Hブラザーにとってはどこ吹く風状態。
「え?なんで?今日からこれはMの仕事なんだから」
そうなると、他の社員は強いて他のブラザーの間に割って入るようなことはしません。結局M君は、Hブラザーに言われるままに過去の分までさかのぼって処理をするハメになったのです。
内勤の仕事ばかりではなく、外回りの仕事も任され始めます。他の新人とブラザー社員の場合、最初は二人で顧客回りをし、徐々に一人立ちしていくパターンが多いのですが、Hブラザーはほとんど自分の顧客の中から
「ここと、ここ、ここに行ってきてよ」
と指示を出し、M君を一人で回らせます。案の定、Hブラザーのピックアップには裏があり、過去に担当者とトラブルを起こしたところや、クレームや注文がうるさいクライアントだったりなど、Hブラザーが持て余したところばかりだったのです。紹介とはいえ、これでは飛び込みに近く、Mくんの営業活動はいきなり困難を極めました。中には運良く担当者が変わっていたため、比較的スムーズに話を進められるところもありましたが、その旨をHブラサーに報告すると、共に喜んでくれるどころか 「え?○○さん、異動になってたの?へー、なーんだ。だったら俺が行ったら良かった。損したな」 という返事が…。一気にヤル気も失せてしまいます。
社会人を休みたい
ブラザー研修が進めば進むほど、Hブラザーとの間に生まれるのは信頼関係どころか不信感ばかり。それどころか、研修が終わっても、Hブラザーとの“ブラザー関係”は、どちらかが退職するまでずっと続くのです。出口の無い閉塞感に襲われたM君は、研修半ばで突如退職してしまいました。わずか7ヶ月ほどの会社生活でした。
 M君の退職に驚いた周囲は、
「転職するのか?」
「もう次の仕事は決まってるの?」
 と矢継ぎ早に質問してきましたが、M君の返事は
「何も決まってません」
実際、急いで転職活動に入るかと思いきや、M君がまず行ったのは休養を取ることでした。
「毎日毎日ブラザーに気を使って疲れたから、ここでゆっくり休みたい
学生時代には考えられなかった濃密な人間関係にほとほと疲れ果てたM君は、転職活動よりも何よりもまず、社会人を休みたくなったのです。
その後、休み癖がついたMくんの転職活動はあまりはかどっているとは言えず、一社応募して不合格になると、次に応募する気力を出すまで時間がかかるようになり、徐々に応募そのものが間遠(あいどお)になってしまいました。“休養期間”が半年に届きそうになった今では、
「このまま転職するのも難しいから、もう一度学校に入り直してから再就職したい」
 と、専門学校や大学院のパンフレットを取り寄せているとか……。
サクセスポイント
今回はココが問題!
危険な空白
転職において、無職期間があること、そして長くなることは、不利な要素の一つです。基本は転職先を決めてから退職。特に第二新卒の場合、退職が先になると、社会人的に満足なキャリアを築けないことが多く、転職を難しくしてしまいます。自分の能力を仕事に反映させることができてから、転職することをお勧めします。
これでサクセス!
学校回帰
無職期間が長くなると、転職に不利になるからと学校やスクールに入り直そうとする人もいますが、安易な学校回帰は転職を先延ばしにするだけ。ここで重要になるのは学校選び・専攻選びです。キャリアプランに基づいた資格取得や専門知識習得のために実務的な勉強をするのと、単純に学歴を増やすだけとは違います。新たな学歴が無職期間の穴埋めや、経歴のアクセサリーにならないよう、自分のキャリアを考えてしっかり選びたいものです。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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