転職失敗談2
雇用保険活用法
今すぐ会社を辞めたいH君。雇用保険の失業等給付を受けながら、転職活動をすることを思い立つが、そこには“3ヶ月の壁”が……。(→後編はこちら
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辞めたい、辞められない
H君は悩んでいました。2年間勤めた会社を辞めたくて仕方がなかったのです。そりの合わない上司、次々辞めていく同僚たち。仕事の質も低下ているのに、サービス残業は当たり前で給与も頭打ち。職場のすべてにすっかり嫌気がさしていました。
できることなら今すぐ辞めたい。でも次の仕事を見つけないことには辞められない。次の仕事を探したくとも、残業続き(しかもサービス)で拘束時間が長く、動くに動けない。閉塞感を抱えてH君は悶々としたまま、惰性で会社へ通っているような状態でした。
 この“辞めたい症候群”はH君だけではなく、H君の同期にも蔓延しており、寄ると触ると
「もう我慢できない」
「何度辞めようと思ったかわからないけど、もう、もう辞める」
という会話ばかりが交わされていました。
ある日、同じように同僚と話していたとき、会話がある方向へ向かいました。
「もう転職活動してるの?」
「全然。時間が無いもん。平日は無理だし、土日は他の会社も休みだし」
「会社辞めてからじゃないと無理じゃない?」
「でも辞めたら収入が……」
失業保険もらえるんじゃなかったっけ?」
予想外の失態
H君の会社でも雇用保険には加入していたので、退職すれば失業等給付(いわゆる失業保険の給付)が受けられるはずだというのです。無論、給与とまったく同額とはいきませんが、その何割かは給付されるはず。それを受けつつ転職活動をするという方法を同僚は提示してきたのです。
「でも、これって自己都合で辞めたらすぐには貰えないんじゃないの?」
確かに自分の意志で退職した場合、実際の給付が始まるまで3ヶ月の制限がつきます。
その間無収入だもんなぁ……結局辞められないよ」
 結局話はそこに落ち着き、H君はまたもや悶々とするばかり。
ところが、そんな悠長なことを言っていられなくなったのです。
H君の会社が、あるヨーロッパのメーカーとライセンス契約を結び、商品を売り出すことになりました。ただ、契約に手を挙げたのがH君の会社だけでなかった為、ライバル社と共に商品展開などを含めたコンペが行われることになったのです。
H君はコンペの責任者の上司から直接指示を受け、必要なパネル・資料・試作品など各部署の強力をあおぎながら作り上げることになりました。
最近華やかな仕事とめっきりご無沙汰だったH君は、久々に鬱々とした気分を忘れ仕事に奔走。その結果、満足度の高いものができ上がり、責任者の上司からも
「良くできた。これならイケるだろう」
 とお墨付きまで貰えたのです。
ところが、誰もが満足し、成功間違いなしと思われたこのコンペ、H君の会社はライバル社に負けてしまったのです。

(→後編に続く)

pen2 思わぬコンペの結果に社内は騒然。その責任問題が取りざたされて……。次回、後編へ続く。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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