転職失敗談2
逆転現象
転職2年目にして職場に無くてはならない存在となったFさん。新しい転職者として、年上で輝かしい経歴のK氏を迎えることになったのだが……。(→後編はこちら
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回転する人材
ある中小IT関連企業Aに勤務するFさんの周囲では、最近従業員の転職が目立っていました。Fさん自身も他社から転職してきた経験者。気がつけば、当時一緒に入社したあの人、お世話になったあの人、と結構いなくなっている状態。そのせいか、転職2年目にしてFさんは、既に職場には無くてはならないポジションにされてしまったような気もします。しかし、正直、人の出入りの激しさと、それに比例する採用の早さに戸惑うことしきりです。周囲や上司は
「この業界は変化が激しいから、人が動くスピードも早くて当然」
と特に動じていない様子。そんなものかと、なんとなく理解したような気持ちになったFさんでしたが、徐々に責任を負うようになるに従い、同僚たちが辞めたくなる気持ちも、理解できるようになってきたのです。
まるでルーキー
A社では、人の出入りが激しいだけに、常に採用情報をメディアに掲載し、何ヶ月かおきに新しいスタッフが入社、という流れがすっかり定着していました。Fさんの部署でも最近退職者が出たため、代わりの人材が入ってくることになりました。
新しい人材のK氏は、年齢はFさんの一つ上で、有名校出身、大手ソフトウェアハウスからの転職者です。中小企業のA社では異例の経歴の持ち主とあって、「どんな切れ者がくるのか」と、待ち受ける周囲も興味津々。ところが、現れたK氏というのが、プライドなどみじんも感じさせない、朗らかで控えめな性格の持ち主でした。仕事上でも、キャリアや経歴をもってリードしようという気骨などはなく、直接接することの多いFさんにも、
「いろいろ教えてください」と、後輩転職者として常に教えを請う態度を貫いていました。見た目の若さも手伝って、キャリア転職者というより新人といった方がいいぐらいです。そんなこともあって、すっかり拍子抜けしたFさんでしたが、
「これは年上とはいうものの、後輩ができたようなものだな。実際、入社は自分の方が早いんだし」
と先輩として、K氏とうまくやっていこうと思えるようになっていました。
ところが、そんなFさんの先輩心をくじく出来事が起こったのです。

(→後編に続く)

pen2 大企業で歯車の一つだったと漏らすK氏。転職によって安息を得たいと希望しA社に入ってきたことが混乱を招く……。次回、後編へ続く。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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