転職失敗談2
転職の旬
ようやく手にした資格を武器に、転職活動をはじめたHさん。未経験の厳しさは覚悟していたものの、待っていたのは予想もしない面接官の言葉だった……。(→前編はこちら
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お上のやることは
仕事とスクールの両立を成し遂げ、2年かけて目指す資格を手にしたHさん。努力の結晶を手に、いよいよ転職活動を開始しました。
 勿論、いくら資格があるとはいっても未経験は未経験。ある程度の厳しさは予想して臨んだHさんでしたが、予想以上の逆風にさらされることとなりました。
 応募の結果は不合格の嵐。しかもその大半が書類選考で落とされているのです。やはり、実務経験が無いことがネックになっている模様。
「書類だけではやっぱり経験者に負けてしまう。一度でもいいから実際に会って話せれば……」
 資格を取るに至った経緯や、そのヤル気の程などをアピールできるのにと、Hさんは歯がゆい思いを抱えるばかり。
 そんな折、奇跡的に一社の選考が面接まで進んだのです。このチャンス逃すまじ、とばかりに出かけたHさんでしたが、待っていたのは担当者の厳しい一言。
「キャリアはないけど、この業界にずいぶん関心があるようだから、どのぐらい知識があるのか会って確かめたかったんだけど……。本当に資格だけなんだねぇ……」
 だがこの資格は現場で必要なものではないのかと、Hさんが食い下がったところ、
「この資格ね、たしかに国から取るように言われてるんだけど……うちの社員がちょっと試験受ければすぐ取れちゃうようなやつなんだよね。実際の仕事はもうこんなレベルじゃないんだよ」
 実際に現場で使われている言語にしろ、知識にしろ、Hさんの持っている資格のはるか上をいっており、改めて資格保持者を抱える必要など無いのだと言い放たれてしまいました。
「ほら、お上の決めることはたいてい遅れてるから」
遅れた応募
せっかく取った資格を「遅れている」と指摘されたHさん。それでも、努力して手に入れた資格です。実務では役にたたなくとも、未経験から取得したことを前面に出せば、ガッツとヤル気の証明にはなるかもしれません。
 そのためにはなんとしても面接に進まねばなりません。今まで使い回しがきくようにと、必要事項だけを羅列していた職務経歴書をもう一度見直しました。
「細かいことは面接で聞かれてから説明すればいい」
 と要点だけを書いていた部分も、簡潔な説明を添え、読んだ人が理解できるように変更しました。無論、どれだけ自分がこの仕事に就きたいのかという熱意を込めることも忘れません。
 その甲斐あってか、もう一社、面接の呼び出しが来たのです。
 資格の価値が下がっていることに焦るHさんは、ヤル気ひとつを武器にする意気込みでアピールを続けましたが……。
「会社に行きながら資格も取って、がんばってらっしゃるんだけど……年齢がねぇ。未経験の方でポテンシャルを評価するなら、せめてあと2〜3年早く来ていただきたかったですね。それなら第二新卒扱いにもできたんですけど」
 2年の間に資格の旬も、Hさん自身の旬も過ぎてしまっていたのです。
サクセスポイント
今回はココが問題!
資格の旬
転職に有利なものは資格、とよく言われますが、資格といっても実に様々。持っているだけで仕事に役立つものから、対外的知名度の低い講座内資格のようなものまであります。また、資格にも流行があり、かつては有利とされたものでも時代とともに必要とされなくなることも。特にIT・情報業界ではその傾向が顕著なので要注意。
これでサクセス!
自分の旬
転職にもパターンがあります。ポテンシャルや資格を武器に未経験職種を望む場合は20代中盤〜後盤ぐらいまでが一つの区切り。20代後半からはある程度の経験やスキル、30代を越えると管理職としてのマネジメント能力なども問われる場面が増えてきます。自分はどんな転職をしたいのかを考え、的確に時機を読みましょう。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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