転職失敗談2
立つ鳥跡を…
密かに転職準備を進めていたDさん。まだ転職先も決まらないうちに降って湧いたのは社内での異動の話。Dさんは急いで進退を決めることになるが……。(→前編はこちら
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異動話
密かに転職の機会をうかがっていたDさんに降って湧いたのは、異動の話。
「チーム立ち上げから一緒にやってきたが、現状を見てみると、君が本領発揮できる環境を整えるには、まだ時間がかかるようだ。このまま開発のフォローを続けてもらうのももったいないし、D君自身つまらないだろう」
 転職先が決まり次第退職しようと思っていたDさんは、Nリーダーの申し出にうろたえてしまいます。さらに、
「少しでも早い方がいいだろう。年度開けから移れるよう、異動先のチームにも話はつけてあるから」
 とダメ押し。年度開けまではあと二ヶ月もありません。Dさんは早急に選択を迫られることになりました。
 ここは転職を諦め、異動先で心機一転働いてみるか、はたまた、ひとまずは話を受け、異動先で勤務しながらも転職活動を続けるべきか。
 そもそもNリーダーの迷走ぶりに幻滅していたDさんでしたが、次第に職場体質そのものにも冷めたものを感じるようになっていました。今になって部署異動の話が出ても、同じ職場で働き続ける気力がもう無くなっていたのです。
準備期間が無職期間に
しかし、転職活動を続けるにしても、異動を挟むことになります。幸か不幸か、異動先のメンバーはかつて共に仕事をしたこともある顔なじみ。個人的にも仲の良い社員が少なくないという環境だったのです。もしも異動後、即退職ということになれば、彼らにどれだけ迷惑をかけるか。それを思うと、エゴイスティックな行動もとれません。
 結局、Dさんは転職先が見つからないまま、年度末を区切りとして退職を申し出たのでした。
 Nリーダーはさぞ驚くかと思いきや、あっさりと辞表を受理。最近のDさんの落ち着かない言動や、異動話への深刻な反応などから、転職の意向を読んでいたのかもしれません。
 こうしてDさんの計画は大きく狂い、無職期間に突入することになってしまいました。転職活動において無職期間の有無と長さは、必ず採用側からチェックの入るところ。こうなった以上、その期間を少しでも短くしなければと、Dさんは必要以上の焦りを募らせることになりました。

 さて、この話には後日談があります。段取りの悪さを痛感しながら転職活動を続けるDさんに、しばらくしてある噂が聞こえてきました。Nリーダーが転職したというのです。
 退職の報を聞いたとき、社員はみな驚くと同時に「なるほど」と納得したのだとか。それもそのはず、Dさんの在籍していたチームは、すでにNリーダーを除いたメンバー全員が異動か退職し、人員ゼロの解散状態になっていたというのです。
 実はNリーダー、いち早く自分の進退を決定し、徐々に準備を進めていたのでした。そう、Dさんよりもずっと早く……。
サクセスポイント
今回はココが問題!
転職準備期間
転職に要する時間は、短い人で1〜3ヶ月、長い人で1〜2年など、それぞれの環境や仕事によって違いがあります。同職種の転職で充分にスキルがあったり、良い求人に巡り会えた場合、準備期間はさほど必要ないでしょう。しかし、異職種への転職で事前に学習したり、入りたい会社の求人を待つとなれば、まとまった時間が必要です。いずれにせよ、最後はスムーズな退職がキーになるので、その点も日頃から注意。
これでサクセス!
ブランク期間
無職というブランク期間は、求職者が必要以上に焦ったり、逆にモチベーションが下がったりとリスクがつきまといますし、企業側でも敬遠しがち。しかし説明できる理由があるなら、クリアできる問題でもあるのです。要するにブランクの間に何をしていたのか、という問いに答えられるかどうか。スクール通いや派遣の仕事をするのも一つの選択ですが、スキルの棚卸しで自分を見つめ直すだけでもその後の転職活動には有効です。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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