転職失敗談2
若き採用担当者
人事初心者のWさんは手探りで中途採用を始めるが、ことあるごとに判断に迷い、周囲の意見を聞いて回ることに……。(→後編はこちら
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人事初心者
最近のベストセラーである「大人力検定」。簡単な質問に三択〜四択から答えを選び、大人としての判断ができたかどうかを調べるというもの。この本が当たった理由として、著者曰く「昔は放っておいたら大人になれたが、今は放っておいたら年をとった子供が出来てしまう」。

 人事担当者といえば社内のあらゆる部門に精通したベテラン社員−−そんなイメージが強かったのは一昔前のこと。年功序列制の崩壊、ベンチャーブームの到来などを経て、驚く程若い社員が採用の指揮をとる企業も増えてきました。特に、入社後の待遇や契約内容などの詳細は人事管理者が担当するものの、実際の面接や採用のジャッジについては現場の社員に任せるというパターンが多いようです。
 中堅メーカーA社もそのひとつ。入社5年目のWさんは所属部署が中途採用を行うことになり、採用の現場責任者に任命されました。人事初心者ということで、手探り状態で人材の募集をはじめたWさん。最初に利用したのは求人雑誌の広告で、幸い掲載号が書店に並んだ当日から問い合わせの電話が鳴り続け、悲鳴をあげるほど。
「この分ならすぐに決まるだろう」
 とWさんが安堵したのもつかの間。中にはキャリアの足りない人物や、書類に不備のある人物も少なくなく、誰を面接に進めるかで、予想以上に時間をとられてしまいます。
求む、相談役
やっと事実上の選考に入ったものの、採用初心者のWさん、ひとりでは決めかねることが多く、ことあるごとに周囲の同僚に
「この中ではどの人がいいと思う?」
「この人のこの経歴なんだけど……」
 と質問して回ることに。
 はじめは現場の意見を興味深く聞き、選考に役立てていたWさんでしたが、当然聞く人によって重要視するポイントも違ってきます。
 その結果、最初Wさんが「いいな」と思っていた人物でも、周囲の意見を聞くうちにだんだん印象が変わってきたり、逆に書類選考で落とした人物が後になってよかったように思えてきたり……。すっかり自分の視点を見失ってしまったのです。
 ともあれ、人材が必要なことには変わりありません。いちかばちかで一人を選んで採用通知を出しましたが、時間がかかりすぎたせいか、内定辞退の連絡が返ってきてしまいました。
 短時間で大量の応募をさばき、ジャッジする難しさを痛感したWさん。
「これは自分ひとりでは無理だ。周りも採用に関しては素人だし……」
 と悩んだ結果、相談役を求める形で人材紹介会社に協力をあおぐことにしたのです。

(→後編に続く)

pen2 人材紹介会社のコンサルタントに相談しながら面接を進めることになったWさん。迷いながらも、採用したいと思う人材を選び出せたのだが……。次回、後編へ続く。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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