転職失敗談2
英語のお仕事
英語力を生かした仕事に就きたかったIさん。希望の企業から内定が出ず、事務の仕事に就いていたが、社内で翻訳者を探しているのを知って……。(→後編はこちら
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やりたい仕事
外語系の学部を卒業し、在学中には短期留学の経験も持つIさん。学生時代は英語力を生かした仕事に就きたいと就職活動に励んで来ましたが、短期留学の経験を持つ学生は数多く、残念ながら内定には至りませんでした。
 それならば海外事業部を持つ企業にと活動を続けたのですが、海外関係の仕事は人気が高いせいか、こちらも思ったような結果に恵まれません。
 結局、英語力を生かすことは諦め、インターネット関連会社C社で事務の仕事に就き、もう2年が過ぎようとしていました。
 この業界、技術系のスタッフは常に新しい技術の刺激を受け、また人の出入りも多かったのですが、事務系は至って安定した毎日。仕事も2年目のIさんにとっては、ルーティンワークを繰り返す日々。
 それでも他部署で、毎月のように新しい人が出入りしているのを見れば、Iさんも色々と考えるようになっていきます。
「あの人たちは技術があるから次の仕事が見つかるけど、事務では…。」
 と思いながらも、
「でも、元々この仕事をしたかった訳ではないし、ただ時間を過ごしているよりは、思い切って」
 そんな気持ちが抑えづらくなり、少しずつ転職も視野に入るようになっていました。
求む、英語堪能な人
そんなある日、Iさんが業務のアシスタントに入った部署で、諦めかけていた英語力を生かせる仕事に近づくことになります。
 C社が以前制作した、ある地方企業のサイト。町工場クラスのそう大きくはない企業だったのですが、技術力が海外の企業の目にとまり、問い合わせのメールが入ったのです。
 それをきっかけに、英語版サイトを制作することになりました。
 現場では英語翻訳の外注先を探したり、予算とつきあわせながらギャラを計算したりと、あわただしい様子。
 実はC社では英語版サイトを制作したことが無かったため、外国語に堪能なスタッフに人脈が無かったのです。
 有名どころに声をかけては、予算オーバーに頭を抱えたり、「そう長い文章じゃないから」と値切ったり、逆に「技術系の専門用語は扱えない」と断られたり。
 Iさんが、そっとそのサイトを見てみたところ、若干専門用語はあるものの、そう難しい表現はありません。英訳するだけならやってやれないこともなさそうです。
「どうしよう、自分から言い出してみようか。あつかましいかな」
 名乗りを上げようかどうか迷っていた矢先、その部署のリーダー職にあるH氏がこう言い出しました。
「よし、俺のツテでなんとかしよう。予算優先で選んでくるけど、長文でもないし、専門的な表現だけ気をつけさせれば、それで大丈夫だろう」
 1週間後、どこをどう急かしたのか、H氏はサイトの英訳文のデータを持ってきました。
「これで英語版、作れるだろう?」
 興味を持ちかけていただけに、やや落胆したIさんでしたが、リーダーの差配ならしかたがありません。
 諦めて自分の仕事に戻ったIさん。それからほどなくして、件の英語版サイトが完成しました。

(→後編に続く)

pen2 出来上がった英語版サイトを見てIさんは唖然。そしてとうとう彼女に念願の仕事が与えられるのだが……。次回、後編へ続く。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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