転職失敗談2
携帯電話というツール
転職活動の連絡先を携帯に設定しているNさん。ところが、なぜか知らない番号はすべて着信拒否してしまい……。(→前編はこちら
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今更ワン切り?
転職活動をスタートしたNさん。しかし知らない番号の連絡は着信拒否する姿勢を貫いていたため、案の定連絡が途絶えてしまう企業もちらほら。
 そんな中、Nさんが登録した人材バンクE社では担当者が、決まった電話番号からかけるなどの配慮のおかげで、なんとか連絡をとり続けることができていました。
「これではあまりに非効率ですよ、Nさん。くどいようですが……」
 企業データの照会に現れたNさんに、見かねたE社の担当者がもういちど、ゆっくり諭し始めました。
「僕もかかってくる電話を全部取りたいですよ。でも、今はとても無理なんです。実は……」
 Nさんが今の電話番号を取得したのは1年ほど前。そのころは迷惑メールがちらほら舞い込む程度で、Nさんも特に警戒はしていませんでした。かかってくる電話も普通に全部受けていました。
 しかしここ数ヶ月、ブームにのって架空請求メールが急増。うっとおしいな、と思い始めた矢先、こんどは得体の知れないワン切りが急増したのです。
「今時ワン切り?」
 すでに廃れかけている手口だけに、Nさんもいぶかしく思いました。
 ところが注意してみると、ワンコールで切れるのではなく、わざわざNさんが出るまで待って、声を聞いてから切る電話の方が多いのです。
 その謎がある日の電話で解けます。
 普段は無言で切れる電話の一つが、Nさんの
「もしもし?」
 に声を返したのです。
「もしもし?」
「どちら様ですか?」
「……そっちこそ、誰だよ?××ちゃんじゃないのかよ!
頑固さと心細さ
電話の相手が口にした名前は、テレビで活躍中の某アイドルグループのメンバー。ピンと来たNさんがネットで検索したところ、なんとNさんの電話番号がそのアイドルのものとして掲示板に書き込まれていたのです。
 驚いたNさん、即座に間違いだと書き込もうとしたのですが、よく考えれば自分の携帯番号をさらすことになり、ひいては個人情報の流出にも繋がりかねません。
「恨まれる覚えはないので、きっと適当に書いた番号が僕のと偶然一致したんでしょう。タチの悪い悪戯ですよ。下手に騒げば逆効果だと思うので、番号違いだと広まって廃れるまで待とうかと」
 悪戯のほとんどが非通知設定でかけてきていたことから、知った番号以外は着信拒否にしてしのいでいたとのこと。
 E社の担当者も、何も言い返せなくなってしまいました。幸い人材バンク経由で紹介された企業が直接Nさんに連絡を取ることは無いため、窓口をE社に絞り、Nさんは転職活動を続行することに。
 しかし、ひとつ困ったことが起きます。
 E社からの連絡が頻繁に入っていたころはいいのですが、少し間遠になってきたりすると、Nさん、
「どうだったんだろう、ダメなんだろうか?ひょっとしたら、別番号で連絡してきて、こっちが拒否しちゃったのかも……それで面倒くさくなったのかも……」
 と、悩んで疑心暗鬼に陥ってしまうのです。
「今日、連絡してくれました?今日はしてないですか?ああ、そうですか……ひょっとしたら拒否した中に混じってなかったかって、心配だったんですよ。お手数おかけしてますが、ほんとにE社さんの連絡、待ってるんで」
 毎日のように担当者に確認の電話をするようになってしまいました。これには担当者の方が参ってしまい、
「いっそのこと、新しい番号に変えられてはどうですか?」
「えっ、いやですよ、そんな。手間もかかるし……。だいたいどこの馬の骨とも分からないヤツの悪戯のせいで、僕が骨を折るなんて。理不尽な」
 持ち前の頑固さもあらわに、今日も電話をかけてくるNさんでした。
サクセスポイント
今回はココが問題!
携帯の落とし穴
着信履歴が残る携帯のしくみは便利ですが、それがあるために、コールバックが遅い時はかえって相手をイライラさせることを忘れずに。携帯番号を連絡先に指定するなら、あらかじめ対応できる時間帯を伝え、留守番メッセージの録音設定もお忘れなく。
これでサクセス!
携帯メールの注意点
会社での私的なメール利用が規制され、代わりに携帯メールを連絡に使う人もいるようですが、これも一部では嫌われます。電話会社によって、送受信できる文字数に違いがあり、途中でメールが切れることも。また携帯から返すメールは端的になりがちなので、ブッキラボーな印象を与えることもあります。あくまで補助アイテムとして使いこなしましょう。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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