転職失敗談2
キャリアの棚卸し
実質SE、でも扱いは事務職。曖昧なポジションで仕事も気疲れも増えるばかりのMさんは、もつれたキャリアを整理しようと上司にかけあうが……。(→前編はこちら
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キャリアのもつれ
 任せられるままに仕事の幅を広げた結果、くたくたになるばかりのMさん。なんとかしてこのキャリアのもつれをほぐそうと奮闘しました。
「給与体系は事務職のままで、実際の仕事はSE的。どっちつかずの今のままじゃ、我慢の限界。SEとしての面白さが分かってきて、多少役にも立ってると思うし、そっち方面の業務一本にしてほしいってぶっちゃけたんです」
 査定時期の面談を利用して、うちあけたのは所属部署の上司。
 しかし技術畑出身者のせいか、Mさんが様々な仕事にからんでいることは見ているものの、どうも“SE”や“自分の仲間”という意識を持ってくれないのです。
「うーん、でも今のMさんの能力だけでは、SEとしては難しいと思うんだ。他のSEもそう思ってると思う。もう少し経験を積んで、力量が備わってきたら、きちんと判断しよう。僕がそう思って仕事ぶりを見させてもらうから」
 ところが半年後の査定でも、
「もう少し、様子を見よう」
 と先送りに。そうこうしているうちに、Mさんを「見る」と約束したこの上司、なんと異動になってしまったのです。
 新しい上司は若く、面倒事は回避したがるタチらしく、Mさんの訴えも、
「事務系から技術系に変わった人って、うちにはいないんだよねぇ……」
 と、人事に回すことに消極的。
 もともと人を束ねたり、説得したりが苦手なMさんは、くるくる変わる上司に、何度も強く自分を売り込むことが出来ません。
先入観の無い人なら、これまでしてきたことをきちんと判断してくれるかもしれない」
 社内での交渉をあきらめ、転職で自分のキャリアを整理することに決めたのでした。
自己アピール
 しかし難航したのはキャリアアピール。
「事務的な作業から、派遣社員のとりまとめ。システムも企画提案して、プログラマーさんたちに指示を出したりしたことも。なんでもやってきたんですけど、広く、浅く、なんですよね」
 希望する技術職での採用となると、決め手に欠けるのか「キャリア不足」の判断を下されてしまうのです。
「自己アピールが下手だったんです。それで職務経歴書を書き直しました。技術系の仕事の部分を大きく取り扱って、人に指示を出す難しさとか、いかに気を配ることが多いかという事を、多少苦労話も入れながら説明したんです」
 その結果、事務から勉強と実戦でここまできたMさんのキャリアを評価してくれる企業が出始め、うち一社から
「WEBプロデューサーとして採用したい」
 との申し出が。多少業種に違いが出たことと、予想外の職種でのオファーに悩んだMさんは、内定を受ける前に仕事内容をもう一度確認しました。
 いわゆるインターネットビジネスの企画立案業務。予算やスケジュールの管理等々。エンジニア、デザイナーなど制作スタッフと顧客の間で調整することも多い……。採用者いわく、
「一言で言えばサイトの総合管理責任者。人を動かす仕事です。それに技術の知識が絶対条件。その点でMさんは自分で吸収する力を持っていますから、向いていると思います」
 自分の能力を買ってくれているとはいえ、あくまでスペシャリスト志向のMさんにとっては、また人と人の間で苦労するのかとガックリ。
「技術者のプライドの高さや扱いにくさは経験済みですから……」
 と断ってしまったのです。
 そのとき持参した職務経歴書は、人を使う難しさが全面に押し出されていました。これがまずかったのかと、再度書き直しに入ったMさん。しかし
「純粋なSEやプログラマーだと、プロジェクトや開発期間の一覧がしっかり書けるんですけど……」
 開発言語や担当業務でペンが止まることもしばしば。
 もう少し紙面が埋められるようになるまで、職場に残ったものか、悩み始めています。
サクセスポイント
今回はココが問題!
書類選考と職務経歴書
 応募者多数の場合、一枚あたりの閲覧時間は十秒〜数十秒程度と言われています。倍率の高い募集ほど、書類選考にかける時間は減る傾向に。読み手を考え、読むべきところがわかり易い書類、目に訴える“見やすい書類”を心がけることです。
これでサクセス!
職務経歴書のコツ
 職務経歴書は履歴書と違い、決まった形はありません。それだけに、自分のしてきた仕事をすべて網羅するのではなく、応募先にあわせた内容で、メリハリを付けるのがコツ。
 時系列にこだわりすぎず、目立たせたいキャリアや仕事内容は見やすい場所に、しっかりと詳細に書き、募集とあわない内容はさらっと触れる程度に。記載する内容が少ない場合は、PR欄に熱意や努力を込めて。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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