転職失敗談2
女性ウケ
転職活動を通じ、女性への苦手意識が再発してしまったKさん。コンサルタントを頼ってある荒療治を行うが……。(→前編はこちら
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萎縮する立場
 女性が苦手なKさんでしたが、入院体験での女性看護士とのふれあいから徐々に苦手意識が改善。それを弾みに転職活動をスタートしました。
 しかし求人を見て問い合わせの電話をかければ、出るのは女性。面接に出かければ受付や案内は女性……。
 しかも応募者という立場は、病院で患者として入院していた時と違い、気持ちが萎縮する一方。いつしか元のKさんに逆戻りしていきます。
 ある会社で接客ブースに通された時のこと。案内の女性社員がお茶を出してくれたのですが、
「あ、あ、ど、どうも、すみませんっ!」
 と焦りながら挨拶するKさんがおかしかったのか、女性がさがった直後、ついたての向こうから一斉に笑い声が漏れたことも。女性ウケはイマイチよくありません。
 当然、これだけ働く女性がいるのですから、女性の面接担当者もいます。
 某情報産業の面接で現れたのは見るからにキャリア志向という女性。
 実はKさんのレジュメや職務経歴書はレベルが高く、書類選考で落ちる事はまずありませんでした。それだけにKさん本人にもキレモノ的なイメージを期待されるのか、このキャリア女性も、すっかり落ち着きを失っているKさんに多少驚いたよう。
「緊張なさってるんですか?」
 という問いにも
「えーと、えーと」
 を連発するKさん。
 期待を裏切られた感のある担当者は、緊張からどもるKさんにイラだちを隠せません。冷え冷えと面接が終了してしまいました。
 これではいけないと、Kさんは転職コンサルタントを頼り、転職活動のヒントをもらう事にしました。
荒療治
「自分の向き不向きを考えると、男性の多い職場の方が安心なのですが……」
 と打ち明けるKさんに、
「最近では女性のいない職場を探す方が難しいですよ……そりゃ、男社会的な職場もありますが、Kさんのキャリアや希望職種で考えると、ちょっとマッチしませんし……」
 コンサルタントも頭をかかえます。
「面接の空気にはそのうち慣れると思うんですけど、女の人がいるとどうもアガッてしまうんです。女性ウケがいい、なんてレベルじゃなく、相手に不愉快に感じさせない程度になりたいんです」
「やっぱり慣れが一番じゃないでしょうか。一度コンサルタントを女性に変えてみますか?」
 この申し出を受け、Kさんは女性の担当をつけてもらうことになりました。
 新しくKさんの担当になったのは、Fさん。
 狭いブースでFさんと二人、初めて向かい合った時は、ほとんど話らしい話も出来ませんでした。対するFさんは弱冠26歳ながら、歯に布着せぬズバズバした物言いで、Kさんを容赦なく斬っていきます。
「Kさん、このブースに入って私の目を一度でも見ましたか? そういうのは男女問わず、相手に失礼ですよ!」
「今お聞きしてるのは、その話じゃありません。私の話、ちゃんとお聞きになってました?」
 その厳しさは、まさに鬼コーチのごとく。
 これも訓練と勇気を奮い立たせていたKさん。Fさんと連絡を密にしていたのですが、やはり相手にのまれてしまうのか、おっくうになるのか、徐々に足が遠のき始めます。
「Kさん、このごろお忙しいんですか? それとも別に転職先がお決まりになったんですか?」
「いえ……そんなことは……」
「では、こちらでも引き続き、会社をご紹介してもいいんですね?」
「はあ…」
 そんな張り合いの無いやり取りを最後に、Kさんからの連絡は途絶えてしまったのです。Fさんが出したメールにも返事はありませんでした。
 向かい合えばオドオドするKさんですが、本来律儀な性格。メールを無視するなんてと、Fさんも不審に思っていたところ、とうとうKさんから電話が入りました。
「……もしも……あの……転職の……ですね……」
「もしもし? Kさん?? すみません、電話が遠いんですけど」
 その声は驚くほどか細く、とぎれとぎれに話す内容は、
「ちょっと胃をやられてしまいまして……それでしばらく入院することに……ですので、転職のお話は……」
 どうやらストレス性の疾患らしいとのこと。
 以前の入院で指摘されていた疾患が悪化したのか、はたまたFさんのコンサルティングが新たな火種になったのか、そこのところは不明です。
サクセスポイント
今回はココが問題!
面接の重要要素
 面接官は一回の採用で何人もの応募者と会うことになります。それだけに第一印象は重要で、最初のイメージは7秒ほどで決まってしまうとも。チェックポイントは服装、マナー、話し方です。
 服装では清潔感が絶対条件。TPOにあったスーツが基本で、忘れがちなのが、ズボンやスカートのすそほつれ。またポケットに小銭などを入れるクセがある人は、おじぎをした時にジャラジャラしない、飛び出さないよう気をつけて。
 社会人としてのマナーは、入退室の時の挨拶があるか、携帯を切っているか、面接官の目を見て話しているか。面接官が複数いる場合は全員にまんべんなく視線を送れるか、など。
これでサクセス!
好印象ポイント・会話編
 まず面接官の話をよく聞くこと。相手の言いたいことが理解できれば、焦らなくても答えは浮かんできます。また知的に見せようとするあまり、早口になったり、「あのですね」などの単語を間に挟みすぎる人もいます。セカセカした印象を与えるより、ゆっくりでも簡潔に、的を射た受け答えが出来る方が好印象です。面接は緊張するものですが、面接官は入社すれば同じ職場で働く人々。そう思って笑顔でリラックスできれば大丈夫です。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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