転職失敗談2
最終面接への挑戦
はじめての応募で、トントン拍子に最終面接にまで進んだGさん。社長面接は事実上の顔つなぎで、その場で内定が決定。これで自信がついたGさんは……。(→後編はこちら
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初戦の好成績
「私としてはGさんに来ていただきたいと思っていますが、一応社長のジャッジを頂くため、あと一回、最後の面接をお願いします。いえ、実際には社長との顔合わせですから、形だけです」
 転職活動をはじめて最初の応募で、トントン拍子に選考を勝ち抜いたGさんは、二次面接の最後にこう言われました。
 この言葉に偽りは無く、最終面接といいながら、内容はほぼ社長への挨拶。
 Gさんの人相風体をチラと見た社長は鷹揚に、
「いいんじゃない? で、Gさんはいつから来れるの?
 この社長の言葉をきっかけに、話は勤務開始時期や待遇がメインになっていきました。
 しかしGさんにとって、この企業は本命ではなかったのです。
 情報収集中に興味をそそられたいくつかの企業のうちのひとつであり、転職活動の肩ならしのつもりで、気軽にメールで応募してみた企業にすぎませんでした。

 加えて、最初の応募の結果で自信がつき、かえって欲が出たGさん。
「もっと上でもイケるんじゃ?」
 ほどなく、正式に内定の連絡をもらいましたが、志を高く設定しなおし、この内定をアッサリと辞退してしまったのです。

 初戦の好成績に気を良くしたGさんが、本腰を入れて応募したのは、大手機器メーカーA社。一回の募集で、履歴書が500通ともいわれるメジャー中のメジャーです。
 自分の力がどこまで通じるか、見極める気持ちもあっての応募。ところがこの書類選考もGさんは突破します。
冷や汗面接
 二次選考70人の中に残ったGさんは、その後も三次選考、役員面接と着実に駒を進め、とうとう最終面接まで残ったのです。
「ここまで残れたなら、もうあとはフィーリングと顔つなぎだろうな」
 先の最終面接を思い出しながら、より強い自信をもって挑んだGさん。
 ところがそこで待っていたのは、Gさんのプライドをぺしゃんこにするような出来事だったのです。

「あなたを含めて5人、最終面接に残っています。うち、採用人員は2人です。あなたが他の方以上に、当社の仕事に適性があると思うことをアピールしてください」
「学生時代の研究テーマは? 今も当時の経験は役に立っていると思いますか?」
 ズラリとならんだ役員から、次々に繰り出される質問。一人が話しかけGさんがそれに答えると、一斉に残りの役員が手元のメモにペンを走らせます。
「フィーリングの確認なんてもんじゃない、これは本当の面接だ」
 急に襲って来た緊張と戦いながら、なんとか答えていくGさん。しかしどうせ顔合わせと楽観していたせいで、何の準備もありません。
 完全にカンが狂い、一言一言がしどろもどろ。回答に時間がかかったり、話しているうちに論点がずれていったり。
 背中に汗をしたたらせるGさんを前に、一人の役員が隣の役員になにやら話しかけます。
「今回、彼が最年長でしょ? このごろは若い人の方が物怖じしないというか、理路整然なんだな」
 皮肉そうに笑いながらささやくこの言葉はGさんの耳にも届き、さらにショックを深めてしまいます。
 自分が最終選考に残った中で最年長にもかかわらず、いちばんのんびり構えていたとは……。

(→後編に続く)

pen2 A社の最終面接で手痛い経験をしたGさんは、転職活動が滞るほど激しく落胆。そんな中、ようやくひとつの企業に応募するのだが……。次回、後編へ続く。
・…→ Text & Illustration 山本ちず
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