他人の失敗から学ぶ転職裏マニュアル 転職失敗談集3

FILE:56 携帯を取り上げろ!(後編)

転職フェアにスタッフとして参加したFさんは、一生懸命自社についての説明をするが、飽きっぽい参加者たちは暇つぶしをはじめ……。

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携帯を手放せない参加者

転職フェアで自社についての解説役に抜擢されたFさん。応募者を集めるために、「まずはA社の印象を良くしてもらうように。集まった人を飽きさせないように。間違っても厳しい言葉は使わないように!」など数々の注意を受け、さらに、プレゼンテーションを得意とする先輩からとっておきのたとえ話を仕入れてフェアに挑みました。

集まった参加者を前に、Fさんは笑顔を交えて、フレンドリーに解説したつもりだったのですが、ブース内を見回すと、集中して耳を傾けているのは前の方に座っている10人程度。後ろや端の方に座っている若い面々は、いかにもつまらない、と言わんばかりに携帯をいじっているのです。

これにはFさんもげんなり。しかし注意するわけにもいかず、その場は目をつぶりました。その後も携帯をいじる若い転職希望者がたびたび目に入り、Fさんは終始イライラしっぱなしで転職フェアは終了。

「面接じゃないせいか、緊張感が無い人が多くて……」

と、参加者の態度を思い出してはブツブツとこぼし続けていました。

ところが後日、選考がスタートしたA社の一室で、Fさんはまたもや携帯を使う応募者を目にします。その頃、A社では面接が立て込んでおり、時間通りに現れた応募者は一時別の部屋に待たせることになっていました。Fさんが待たせた応募者を迎えにいくと、そこには椅子にグダッと座って携帯を打ち続けている応募者の姿が。隔離された部屋なので、リラックスしすぎていたのです。

「ここまできても!」

と驚き、あきれるFさん。

さらに驚いたのは、こうした携帯を手放せない応募者の中から、なんと採用者が出たことでした。

「今、仕事チュ〜」

採用されたのは大学卒業後、半年ほど社会人経験があるという若い女性Mさん。携帯が手放せないようで、どこへ行くにも持参し、仕事中も電源はON。メールが届くとすぐさま返信を始める……といったありさま。

さらに困ったことに、新卒入社の新人たちが、こうした彼女の行動を真似るようになったのです。

「せっかくビジネスマナーを叩き込んでいるのに、これじゃ元の木阿弥だ」

と指導係の社員も怒り心頭に発しました。

そんな時、Fさんは、Mさんの後ろをたまたま通りかかり、熱心に打ち込んでいる携帯メールの文面を見てしまいます。そこには

「今、仕事チュ〜 チョーウザいんですけど〜」

なる文章が。これにはFさんも腹が立ち、上司に注進。上司から彼女に

「仕事中は携帯を鞄にしまって、マナーモードにしておきなさい」

と少々厳しい口調で注意してもらったのでした。

ところが彼女は、反省をするどころか、

「えー、身内に年寄がいるんです。何が起こるか分からない年齢なので、常に連絡は取れるようにしておけと家族に言われてるんでぇー」

と突っぱねたのです。

そして上司はというと、この言葉に対し、

「……まあ、そういう事なら……」

となぜか煮え切らない返答。彼女への叱責は尻すぼみに終わってしまいました。

後日、Fさんが小耳に挟んだ話で、上司の態度の謎がようやく解けます。

それは、応募者の獲得に慌てた上層部があちこちに声をかけまくった結果、役員からの紹介のでMさんを採用することになったこと。Mさんは仕事が長続きせず、家でゴロゴロしては、親を困らせていたこと。しかも彼女の言う『身内の年寄り』『家族』とは、A社の株主や役員にあたる人物らしいこと。

 そんなこんなで、A社から頭をさげた手前、Mさんが自分から「辞めたい」と切り出すまでは穏便に済ませる他無い状態なのでした。

 Fさんの怒りが限界に達するのが先か、MさんがA社に飽きるのが先かと、イライラする毎日を送っています。

転職サクセスワンポイント講座

今回はココが問題!

ジャッジは面接前から

よく「面接が始まる前からジャッジは始まっている」と言います。社内で待たされている間や受付での対応はしっかり見られています。特に面接に先立ち人事担当者が、受付スタッフに応募者の第一印象を聞くことは多く、そのコメントによって結果が左右することもあります。「常に見られているのだ」という緊張感を持っておくとよいでしょう。

これでサクセス!

携帯はプライベートの象徴

携帯は手放せないツールである反面、職場で使用していると、悪い印象をもたれることが少なくありません。「携帯を手放せない=プライベートを引きずる」と捉えられる可能性があります。

文・イラスト:
山本ちず

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