他人の失敗から学ぶ転職裏マニュアル 転職失敗談集3

FILE:57 退職理由は体力理由(前編)

3カ月働きづめで休暇も満足に貰えないIさん。転職活動の時間を捻出するため、就職先を決める前に退職したのだが……。

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人並みに休みたい

イベント関連企業の若きプロデューサー・Iさんは、もう3カ月連続で休日らしい休日を過ごした事がありませんでした。

理由は複数のプロジェクトのかけもちと、度重なるイベント管理の出張。

イベントは週末行なわれる事が多く、週末はたいてい全国の会場へ。

イベントの無い週末といえども、土日のどちらかは仕事です。

しかも週1日の休暇は毎日深夜2時、3時まで働いてやっと確保できる状況なのです。

しかも、そうして得た休みも疲労困憊して終日寝て過ごして終わり。

こんな調子で、Iさんの体重はこの数カ月で5kgもダウン。そして今も減り続け、周囲からは「痩せた」ではなく

「やつれた」「くたびれた」と言われる始末。

これでは体がもたない、とIさんは職場を変える事を考え始めます。

が、この忙しさです。とても転職活動をする時間を捻出できません。

在職中に新しい職場を探した方が良いとは分かっていても身動き取れず。

またあまりの忙しさからIさんは、体調に不安を感じることもあり、一旦退職し、体を休めてから仕事を探す事にしたのでした。

当然、面接では退職理由について質問が飛ぶ事に……。

最初の面接でIさんは、前職の並外れた忙しさを包み隠さず説明し

「せめて余裕のある時期だけでも、週休2日いただきたい」

と述べました。

しかしながら残念ながら結果は不採用だったのです。

体調の話題は諸刃の剣

どうもIさんの応答で「体がキツイ」発言が一人歩きして、面接官には

「休みは絶対にたくさん欲しい」

「休日出勤はしたくない」

などと取られた模様。そんな意味で話したつもりは無いIさん。「人並みの休みが欲しいだけ」と伝えたかったのですが……。

「ウチも休日出勤が無いとは言えないしねえ。体調に不安があって退職した人には厳しい職場かもしれないですよ」

と健康状態への不安を理由にやんわり敬遠されてしまったのです。

どんなに前の職場が激務だったと説明しても、聞き手がそれを信じてくれるとは限りません。

 体力についての話題は、面接官にどのように解釈されるか分からない諸刃の剣だと気付いたIさん。

そこで次の面接では、体調についての表現は一切隠す作戦に出ます。

「前職を辞めた理由は何ですか?」

「仕事が忙しくて、落ち着いて転職活動が出来ないので。まずはリセットしてよく考えようと思いまして……」

「そうですか。でもすぐに仕事が決まらないと大変でしょう」

「貯金も多少はありますので。それに失業保険も……。でも、なるべく早く新しい職場で頑張りたいです」

「すぐに決まるといいですね。なかなか難しいでしょうけど……」

「それは……がんばります」

「転職したくなって辞める人って、最近多いみたいですね」

「はぁ」

 と、最後はしどろもどろに。

 就職先を決める前に退職した人を採用しない人事担当者もいる。そして無職のまま活動期間が長引けば長引くほど、この傾向はますます強くなるだろう、とIさんは焦りはじめます。

 説得力のある退職理由で体力不足を疑われないものはないのだろうか……と考えた結果、Iさんはあることを考えつきます。

Iさんが考えついた、説得力のある退職理由とは……。
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文・イラスト:
山本ちず

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