他人の失敗から学ぶ転職裏マニュアル 転職失敗談集3

FILE:58 退職理由は体力理由(後編)

体力の限界を理由に退職し、転職活動に入ったIさんであったが思うようにうまくいかず、面接では失敗続き。しばらく悩んでいたところ、説得力のある「退職理由」を思いついた!

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新しい退職理由

 忙しすぎて転職活動の時間も取れないIさん。健康上の不安もあり、一念発起して前職を退職。

転職活動に専念するもののなかなか順調にはいきません。

 健康上の不安を退職理由にすれば

「ウチでも勤まらないかもしれない」

 と敬遠され、理由をぼかすと、

「転職先を決める前に辞めるなんて我慢が足りないのでは?」

 と言わんばかりの返答。なかなか理解を得られないIさんは、

 これは別の理由を用意した方が良いと思い、家族を退職理由にすることにしました。

 Iさんの実家には、実際高齢の祖母が暮らしています。幸い病気や怪我もせず、毎日健康に過ごしているとのこと。

多少心苦しいものの、このおばあさんにご登場願うことにしたのです。

「高齢の家族が倒れて、家族で介護にあたっていますが、家族全員が手いっぱいの状態です。前職では、介護と仕事の両立が難しかったので、転職を考えました。また前職は転職活動に割く時間も取れないくらい忙しかったので、やむを得ず就職を決める前に退職しました」

 今回の面接ではこう説明したIさん。退職について鋭く突っ込まれることはなかったものの、

「それは、大変ですねぇ。最近介護問題は深刻ですから……」

 と、担当者は介護について悩ましげな様子。

光る担当者の目

「いや、ほんとうに最近多いですよねぇ……介護問題は……」

 思いのほか、この話題を引きずる担当者。仕事に関する質問はそっちのけです。

「うちにも介護が理由で退職した子がいましてねえ。それもつい最近採用したばかりで……。この子はアルバイト社員だったんですが、先日大きな地震があって、おばあちゃんがおびえて一人で暮らせなくなったとかで。引っ越して同居することにしたって、辞めちゃったんですよ。いやぁ、仕方がないんですけどねぇ……ウチとしても、こういうことがあると色々大変でして……」

 これまで介護を理由に退職した子に悩まされ、ここにきて『また、この理由か!』と担当者は恨みのこもった様子。

 退職理由が予想外にバッティングしてしまい、きまりが悪いIさん。

 そして担当者はゆっくりと質問を続けてきます。

「ご高齢のお身内は? あぁ、おばあさんですか。介護されるご家族は? 同居? 別居?

やっぱりご家族の看護が一番なんでしょうねえ。でもご家族は大変ですよねえ。」

 そして、その目は

「祖母の介護だなんて言って、どうせだろう?」

 と言いたげに冷ややかに光っていました。

 その迫力に押され、思わず黙り込むIさん。

 たしかに、『介護』が原因で退職したにしては、Iさんは憔悴した様子でもなく、どちらかと言うと担当者に事実を見透かされたのではと、おびえている様子。

 結局Iさんは次の面接に進むことはなく、この企業の選考は終わったのでした。

転職サクセスワンポイント講座

今回はココが問題!

よく使われる退職理由

事実かどうかは別として、家族の介護や健康状態をあげて、会社を辞める人は意外に多い。詮索しづらく、会社側が引き止めにくいことが主な理由のようだ。それだけに事実であるかどうかは別にして、「いかにも取ってつけた理由」と否定的に受け止める担当者もいるので、退職理由として話す際には注意が必要だろう。

これでサクセス!

体力的な退職理由を説明する際には注意が必要

転職後も通院が続く場合は、診療経過などの説明が必要だが、完治している場合は詳細な説明は必要ありません。ただ、転職理由は「体調不良により」で終えるのではなく「これを良いきっかけにして希望職へ」という前向きなものにする方がいいでしょう。

文・イラスト:
山本ちず

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