海外キャリアの歩き方
世界各国で頑張る日本人ビジネスパーソンのキャリアリポートをお届け。文化も慣習も違う海外で働く人々のパワーを感じ、アナタのシゴトに生かそう! 第10回 アメリカ合衆国 金子ゆかりさん

アメリカ合衆国夢に向かって意地の売り込み
キャリアを重ねてキャリアアップ

 高校生の時、すでにアメリカの大学へ進学することを考えていたという金子ゆかりさん。高校3年生の時に交換留学生として1年間アメリカに渡ったのも、大学進学を視野に入れてのことだ。なぜアメリカなのか尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「日本の大学とは逆で、アメリカの大学は入学するより卒業する方が難しい。私としては大学でたくさん勉強して、何かをしっかり学びたかったのです」

 大学では昔から好きだった美術を専攻する一方、グラフィックデザインのクラスを受講。また、3Dアニメーションにも興味があったので、大学と掛け持ちで専門学校にも通った。勉強していくうちに3Dアニメーションの面白さと無限の可能性にハマり、金子さんはこれを仕事にしたいと考えるようになる。

 折りしも時はインターネットブームの兆しが見え始めた頃。「Webデザイナーであれば、当時は基本的な知識と能力さえあれば経験がなくても就職できました」と金子さんは振り返る。自身もWebデザイナーとしていくつかののオファーを受けたが、目指すのはあくまで3Dアニメーションの仕事。ポートフォリオやデモリールを持って就職活動に奔走した。

 しかし、Webデザイナーとは天と地の差で、大学を卒業したばかりの未経験者を3Dアニメーターとして採用してくれる会社はなきに等しい。面接にこぎつけた5社のうち、最終的に日系のゲームソフトウエア会社『Square USA(現Square Enix)』に就職が決まるが、それも粘りに粘った結果である。

「当然のように最初は未経験者ということで断られました。それでも積極的に自分を売り込みましたよ。何度もしつこく電話をして、日本人の副社長につないでもらったことも……。結果的に日本人だということがプラスになったと思います」。ちょうど日米両国で発売される『パラサイト・イヴ』の制作を手がけていて、日本人アーティストを必要としていたのも幸いしたようだ。
金子ゆかりさん
PROFILE

3Dアーティスト
金子ゆかりさん(33歳)

1972年、新潟県生まれ。高校を卒業後、渡米。1996年にカリフォルニア州立大学ノースリッジ校を卒業後、Square USA(現Square Enix)にCGアーティストとして入社。その後、ゲーム、テレビ、映画業界で活躍し、2003年にゲームのソフトウエア会社Activisionに入社。シニア・アーティストとしてゲーム『シュレック2』などを担当。趣味は旅行、テニス、スノーボード。

シュレック

CGアニメの傑作をゲームで再現。
ディテールの作りこみに魂を込める

(C)Shrek is a registered trademark of DreamWorks L.L.C. Shrek 2, Shrek Ear Design and Shrek "S" TM and c 2004 DreamWorks L.L.C. Published by Activision Publishing Inc. Activision is a registered trademark of Activision, Inc. and its affiliates. All rights reserved. Developed by Luxoflux. (C)2004 Microsoft Corporation. All rights reserved.

 こうしてゲーム業界で3Dアーティストとしての仕事を手にしたた金子さん。その後は視野を広げるため映画やテレビのCG制作の仕事なども手がけてキャリアを重ねていく。そして大きな転機がやってくる。

「ゲームソフト会社に勤める友人に、『シュレック2のゲーム制作を担当する人材を募集しているから申し込んでみたら?』と誘われたんです。難関なテストを受け、これまでの経験から、ゲームの背景/特殊効果を作るシニア・アーティストとして採用されることになったのです」

それが現在の会社『Activision』である。東西を問わず残業が多いのはゲーム業界の常。多いときは1日14時間、週末も返上して生活が仕事一色になってしまうこともある。しかし、それがカタチになって人に評価されるとその苦労は吹っ飛び、大きなやりがいとなって返ってくる。

「たまたま出会った女性と雑談していて仕事の話になり、ゲームの制作をしていて最近は『Shrek 2』の制作に参加したことを話すと『あら、うちの甥っ子にそのゲームを買ってあげてとても喜んでいたのよ』と言うではありませんか! 見知らぬ人が自分の手がけたものを買って喜んでもらっているというのは、やっぱり最高です」

 金子さんは「アメリカは努力と実力が認められる国」と言う。最後にアメリカでの夢を聞いてみた。

「商業的な作品ではなく、アートとして人の心に残るCGアニメーションを作りたい。そしてギャラリーなどで多くの人に見てもらいたいですね」
ここが困った海外生活

 アメリカの中でもロサンゼルスは超がつくほどの車社会。車がないと行けないところも多いし、日常生活でも困ることがいっぱい!
 しかし、私は自動車の運転が苦手。住み始めた当初こそ知人のクルマに便乗させてもらったり、自転車を使ったりして車なしの生活をしのいでいましたが、せっかく買った自転車も数日で盗難されてしまって……。
仕方なく運転免許証を取得して車を購入しましたが、それでもやはり運転するのが苦痛に感じることがしばしば。日本のように公共の交通手段が発達していればいいのにと思いますが、ここまで車社会になってしまった以上ムリですね、残念ですが。

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