海外キャリアの歩き方
世界各国で頑張る日本人ビジネスパーソンのキャリアリポートをお届け。文化も慣習も違う海外で働く人々のパワーを感じ、アナタのシゴトに生かそう! 第18回 フランス共和国 社長室秘書兼コレスポンデンス バリュエ 陽子さん

フランス共和国この国だから両立できる仕事と家庭
フランスは働くママにとても寛容

 バリュエ陽子さんが、留学先のアメリカからご主人の故郷フランス・トゥールーズに越してきて5年。渡仏当初、フランス語はまったく話せなかったバリュエさんは、現在、IT関連の日系フランス企業の正社員として秘書、コレスポンデンス(略称はコレポン。本社と支社のコミュニケーションを促す役職)という2つのポストをそつなく兼任する。また、家に帰れば、妻として、そして幼稚園にあがったばかりの息子の母親として、子育てにも力を注いでいる。

「これまでの道のりは順風満帆で、すべては偶然とチャンスの賜物でした」

 バリュエさんは何の苦労もなかったかのように、あっさりと言う。だが、失業率の高いフランスでは正社員としての就職は非常に難しい状況だ。その中で、バリュエさんはフランス人を含め20人の応募者の中から選ばれ、正社員として採用された。これは、決して容易なことではないはずだ。

 バリュエさんは大学卒業後に勤めた日本の旅行会社で、企画ツアーに添乗員として、しばしば海外へ行く機会があった。添乗の回数を重ねるうち、「もっと英語力をつけたい」と強く思うようになり、1年間アメリカ・サンフランシスコへ留学。そこで、現在のご主人と知り合い、翌年彼の故郷であるフランス・トゥールーズへ。今度はフランス語を学ぶため、フランスの語学学校へ通った。その年に結婚。その後、男の子を出産し、妻として、母親として、家庭を守る役割を担った。

「もともと就業意欲が強かったので、出産後、半年後にはアルバイトを始めましたが、もっと本格的に働きたかったので、就職活動を始めました」

 職業斡旋団体から現在勤務する日系フランス企業を紹介され、2回の面接を経た後、内定が出た。確かに採用されるまでの経緯はスムーズだが、それには、れっきとした理由があった。

「英・仏・日の語学力は、応募段階で必須とされるスキルでした。これに加えて、会社が求めていたのは、海外出張の手配を任せられる人材だったようです。当社は、海外の系列会社や支社が多いので、社員の出張が日常茶飯事。この点で大学卒業後に勤務した旅行会社での4年間の経験も活かせると判断してもらえたのだと思います」
バリュエ 陽子
PROFILE

INDEX MULTIMEDIA 勤務
社長室秘書兼コレスポンデンス

バリュエ 陽子(31歳)

1975年福岡県生まれ。京都女子大学短期大学部初等教育学科を卒業後、旅行会社にて国内外の旅行手配の仕事に4年間携わる。その後、語学留学で1年間、アメリカ・サンフランシスコに在住。当時学生だったフランス人のご主人と出会い、2001年ご主人とともに渡仏。語学学校生活、結婚、出産、アルバイト勤務を経て2004年11月より現職。

職場の同僚たち

職場の同僚たちと。アットホームな環境で同僚たちと打ち解けているバリュエさん(左から2番目)

 入社当初、バリュエさんは会社で唯一の日本人社員だった。だが、プレッシャーなどまったくなく、溶け込んで仕事を進めることができた。気がつけば、すでに入社して3年が経っていた。

「この3年間で力を注いできたことは、日本にある本社の日本人社員と、こちらの会社のフランス人とのコミュニケーションを促進するコレポンです。ノンビリ仕事を進めるフランス人に対して、日本の本社は早く、正確に仕事をしてほしいという要望を出してきます。フランスのカルチャーの中で何とか本社の要望に応えるサポートをするのは、一苦労ですよ」。これはこの会社に限らず、フランス社会全体に言えることだという。

 バリュエさんが勤める会社では、子供が小さい間は、週32時間労働という契約内で出勤・退社時間を自分で調整できる。出社時間を早めたり、休憩時間を短縮したりなどして、子供と過ごす時間を増やすことができるそうだ。

「フランスでは小さな子供を持つ母親が働きやすい労働環境が整っています。フランスの多くの幼稚園・小学校は水曜日がお休みです。息子が今秋から幼稚園にあがったので、水曜の午後は休むようにして、一緒にいる時間をできるだけ取るようにしています。語学を活かした仕事を続けながら、幸せな家庭を築きたい、と願っていた理想の生活を実現できていることは嬉しいですね」

(取材/文)兒玉 ゆきこ

ここが困った海外生活

 フランスには、みているだけで楽しくなるような色使いやデザインのかわいい雑貨や文房具が豊富です。けれども実際に使ってみると、すぐに壊れてしまったり、実用的でなかったりするものが結構あります。
それを痛感したのがホッチキスです。仕事で頻繁に使うので、安いものから高価なものに至るまで、これまで何度も購入してみましたが、値段に関わらず、どれもすぐに壊れてしまいました。今ではホッチキスをフランスで見つけることをあきらめ、日本から持ってきた10年もの年季が入ったものを使っています。他の文房具もほとんどが、日本製品の方が良質なような気がします。日本に出張する同僚がいれば、毎回頼んでまとめて買ってきてもらっています。

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