海外キャリアの歩き方 海外キャリアの歩き方
海外キャリアの歩き方 第23回 アメリカ合衆国 多田雅之さん

アメリカ合衆国日本でのビジネス経験を生かし
米国企業と日系企業をつなぐ

「日系企業のお客様に『おかげで助かったよ』と言われることが、何よりも嬉しいです」と語る多田雅之さんは、現在、アメリカの運輸会社に勤めている。

 高校時代はテニスのプロを目指し、大学はテニス推薦で進学するつもりだったが、入試の英語テストが0点で落ちた。それが悔しく、その後米国留学を決め、ミネソタ州ミネアポリスにあるコンコルディア大学に入学。コミュニケーション学を学んだ。

「米国の大学を卒業して、安易に現地で就職することにためらいを感じていたので、いったん帰国しました。留学生気分のまま米国で就職して、壁にぶつかっている人を何人も見てきましたからね。まずはしっかりビジネスを学びたいと考えていました」

 帰国後、運輸会社のエクスペダイターズ・ジャパンに入社。輸出入に関する事務の仕事を現場で覚えた。しかし、将来のことを考えると、このまま日本で仕事を続けているだけではいけない。再び、渡米を決めた。

「将来は発展途上国を支援する国連機関で働きたいという思いもありました。そのために有利な学位をとろうと考え、再びコンコルディア大学に戻り、異文化コミュニケーション論や組織論を重点的にビジネス修士課程で学びました。結局、卒業後はビジネスの道を選んでしまったんですが……」

 以前に勤めていたエクスペダイターズ社はもともと米国ワシントン州に本社を置く国際的な運輸会社。修士課程を修了した時に、たまたま同社のテキサス州・ダラス支社での求人を目にした多田さんは「これは縁だ」と感じ、すぐにアプライ。日本での勤務経験が評価され、採用された。ダラス支社では、初めての日本人採用だったという。

多田 雅之さん
PROFILE

Expeditors Dallas支店勤務
日系ビジネス開発 営業

多田 雅之さん(29歳)

1978年、千葉県生まれ。高校卒業後、ミネソタ州ミネアポリスにあるコンコルディア大学に留学。卒業後は帰国し、エクスペダイターズ・ジャパンに勤務。再びコンコルディア大学のビジネス修士課程に戻り、2005年にエクスペダイターズ社テキサス州・ダラス支店に入社。趣味はプロ級の腕をもつテニスと旅行

上司

多田さんの良き理解者である2人の上司、支店長のジョン・カーナーさん(左)と直属上司のショーン・マッコークルさん(右)

「私を雇うことは賭けだったはずです。信頼して雇ってくれた支店長の期待に応えたいと思いました。会社の雰囲気には、すぐに馴染めました。日本での社会人経験があったおかげでしょうね。アメリカの会社はラフな社風も多いようですが、当社はお客様の信頼を得るために、服装から仕事の手順まで、すべてが厳しく管理されています。でも、この種の厳しさには、まったく驚かなかったです」

 実際に働き始めると、学ぶことはたくさんあった。いくら米国で教育を受けていたとはいえ、異文化の中で働くことは、言葉の問題や生活習慣の違いなどがあり、容易なことではない。だが、幸運にも直属の上司に恵まれた。この上司もフランスの支店に勤務し、異文化の中で苦労を経験した人。常に悩みを理解し、バックアップしてくれるという。多田さんにしかできない日系企業関連の仕事を任してくれるのも、この上司だそうだ。

「ダラス・フォートワース地区には日系の輸送業者もいくつかあり、競争は厳しいです。取引先が日系企業のお客様である場合、アメリカ人の営業担当では、要望を把握しきれないことがあるので、私が担当することは頻繁。当社は単に荷物を運ぶだけではなく、コスト削減などを含めた付加価値の高いトータル・サービスの提供を行うことで日系企業のお客様から信頼を得ているんですよ」

 テキサス州ダラス・フォートワースはセブン-イレブン発祥の地であり、アメリカン航空の本拠地でもある。また、IT産業が盛んで、EDSやテキサス・インストルメントの本社もある。さらにテキサス州南部のサンアントニオ市には、トヨタがトラック製造用工場をオープンし、それに伴いテキサスに支社を設ける自動車関連の日系企業も増えた。

「テキサスはとにかく広い! そして、変化も激しい。これからも信頼を築きながら、テキサス内外の日系企業様に総合的な物流サービスを提供できるよう守備範囲を広げていきたいですね」

(取材・文) 片瀬ケイ

ここが困った海外生活

 米国内で“テキサス・サイズ”という言葉があるほど、テキサスにあるものは、すべてが大きい。レストランに行くと、出てくる量は日本の3人前ほど。テキサス名物は、チキン・フライド・ステーキという牛カツ風の揚げ物(牛肉なのに、なぜかチキンと呼ばれる)や、キャット・フィッシュ(なまず)の揚げ物などがあるが、これらがまた絶品! “テキサス・サイズ”とあっても、ペロリと平らげてしまいますね。食べた分、エネルギー消費させようと、毎週のように友人とテニスをするものの、油断をすればすぐに太ってしまう。先日、とうとう医師からも食生活に気をつけるよう釘をさされてしまいました……。最近は自炊にチャレンジするものの、美味しいものが多くて本当にツライですね。

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